－過去のものもPVはすべて左迅さんのアイデアですか？

Яyo：ディレクターさんを入れたりもしてますが、基本の部分は歌詞の世界観があるので左迅ですね。手錠で縛られてたっていうのは自分の過去の気持ちを表してます。それが上手く表現できてるなと、凄く自信ありますね。

－先ほどSKRILLEXの名前があがりましたが、SKRILLEXの出現は刺激になりましたか？

Яyo：ダブステップというジャンル自体はあまり知らなかったんですよ。彼のエレクトロの使い方って手法はダブステップでも使い方はロックじゃないですか。その部分がかっこいいなと思って、あの音を作り出すツールの勉強も凄くしましたね。メタルコアのブレイクダウン的なものや、リフの刻み方なども去年から今年にかけて勉強しました。

－SKRILLEXも元々バンドマンなので、バンドマンが共鳴し易いのかもしれないですね。

Яyo：KORNとのコラボも凄かったですね。KORNが凄いのって何にでも対応できる柔軟性が凄いなと思ってて尊敬してます。メンバーの脱退もありましたけど、その時の状況に応じてうまく変化してバンドが突き進んでるのを感じるんで。どうでもいい話ですけど、俺の名前の"R"が逆なんですけど、それもKORNが好きだからなんです（笑）。

－なるほど。それは相当のKORNフリークですね！ちなみにBrian "Head" Welch（Gt）がバンドに復帰しての作品がもうすぐリリースされますよ。ぜひチェックしてください。話は戻りますが、音作りの部分もミックス、マスタリングも今までと大きく変えたのではないですか？

Яyo：そうですね。マスタリングは海外でTom Coyne（sterling sound）というエンジニアで、ミックスに関しては自宅です。良いもの作るのってお金じゃなくて時間ですよね。そこにかかってくる外注のギャラなど払って納得いかないものができるなら、自分で作ってしまった方がいいなとずっと思ってて。そのための設備がようやく整ったので、メンバーのセルフ・プロデュースで自宅で長い時間をかけて細かく作りました。

－シングルのタイトル『INCOMPLETE』は"不完全"、"未完成"という意味がありますが、去年からのバンドの状態を含んだタイトルですか？

左迅：そうですね。"未完成"っていう意味のタイトルをつけたのは、自分たちの甘い考え方への戒めの意味が強くて。本当に夢を叶えるなら死ぬ気でいかないとダメだぞっていう思いを込めてます。自分たちは未完成だってことを胸に、常に向上心を前面に出してバンド活動していこうっていう決意の表れでもあります。やっぱりバンドって完成しちゃったらそこで終わりだと思うんですよ。常に未完成だからこそ、ああしたい、こうしたいっていう願望を持ってバンド活動していけると思うし、それが起爆剤にもなると思うので、そういうものを胸に俺たちは進んでいくんだって決意の表れですね。

－2曲目の「Limit Break」ですが、さきほどブレイクダウンのお話しもでましたが、ガッツリ落としたブレイクダウンが導入されていますね。

Яyo：この曲自体は去年の夏のツアーで演奏していた曲なんです。盛り上がる曲なんで、今のモードで作り直してみたいなと思っていました。前はちょっとヌルい感じだったんですけど、ブレイクダウンを入れられそうなところだけ入れてしまおうと......かたまりとしては良いものができたと思います。

－11月に開催されるVampire Circuitではフロアでモッシュが見れるかもしれないですね。

Яyo：あぁ～、そうですね。あのイベント本当いいですよね。ジャンル同士がうまく交じり合えるポイントだと思うので。どんどん尊敬できるバンドを増やしていきたいですよね。で、一緒にシーンを作り上げれたらって思ってます。

－STATIC-Xやマリマン的な2000年代のデジタル・ロック・テイストと味付け的にダブステップ的手法も入っているという時代を限定しないシンセ・サウンドもまた面白いですね。

Яyo：ありがとうございます。海外のアーティストでえげつないものも好きだし、歌謡曲やアニソンも好きで、そういうのを融合できたらかっこいいなってのが俺の音楽の根本なんです。エグ過ぎるものを俺というフィルターを通してポップに聴かせるというのがこの3曲の表れです。3曲目の「takt」もイントロに多少のブレイクダウンが入りつつもダブステップのリズムの取り方で、高いシンセ・ベースが入ってたりで、うまくミックスできたんじゃないかなって思いますね。そこに左迅のヴォーカルが入って、歌謡曲的になってるんで楽しんでもらいたいですよね。

－話は反れますが以前の曲で「Break Down」って曲がありますよね。

Яyo：あ、そこと勘違いされそうですね（笑）。「Break Down」のパートって（笑）。