DISC REVIEW
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歴史から学ぶべきことは多いというのに、それでも人間は幾度となく同じ過ちを繰り返す。「瓦礫ノ子守歌」で宝野アリカの歌う"愛しさと美しいものたちを/取り返して/掌がたとえ汚れても/必ず/掴んで"のくだりと、かの地の現況が重なってしまうことには非情さを感じるしかなく、それが人の業であるのだと感じてしまう現実もやはり無常だ。音楽的な面で言えば、テーマ性や歌詞の内容もあいまっていつにも増してロック然としたギターの音が重用されている点が特徴。また通常盤には「GOD DIVA(A級ヒットパレード~30th Anniversary Live version)」も収録されているが、今作は「美シ国ノ四季ハ夢ム」から表題曲にかけての流れも含めて構成が秀逸なため、ぜひとも曲順通りにご堪能いただきたい。 杉江 由紀