DISC REVIEW
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1月に日本国内でもリリースされたアルバム『The Moment』から、早くも新作を完成させたカナダ発のMANAFEST。タイトル曲となる「Reborn featuring The Drawing Room」はブルースハープやアコースティック・ギターによる土着的でブルージーなサウンドをベースに、ラップがのった曲。初期のBECKなども彷彿とさせる新鮮な幕開けだ。そこからまた、憂いのあるメロディアスな曲や都会的でさわやかなタッチの曲、70sのクラシカルで荘厳なロック・サウンドをフィーチャーした曲から、SIMPLE PLANなどが好きなロック・ファンにもフレンドリーな曲もありと、内容は幅広い。鋭角的なラップの語気をやわらげ、時にはさらなるエッジへと磨き上げ、またはストーリーを物語っていくトラックの多彩さや深みがより際立ったアルバム。どこかオールドスクールなヒップホップの楽しさがあっていい。 吉羽 さおり