COLUMN
TeddyLoid presents DANCE × ROCK CHRONICLE Vol.3
TeddyLoid ミヤ (MUCC/Gt)
インタビュアー:KAORU Photo by 石原 慎
TeddyLoidがラウドロック・アーティストのリミックスを手がけ、そのアーティストと対談を行う特別企画"TeddyLoid presents DANCE × ROCK CHRONICLE"。第3回目はMUCCの「リブラ」をリミックス! MUCCよりミヤ(Gt)を迎え、ジャンルの垣根を越えたスペシャル対談も実現。対談での話を受けてブラッシュアップした「Libra TeddyLoid RMX Dirty ver.」が公開中!
-"TeddyLoid presents DANCE × ROCK CHRONICLE Vol.3"の対談は、MUCCのミヤさんです。ROTTENGRAFFTYのKAZUOMIさん、ギルガメッシュのяyoさんに続き、作曲とプログラミングを手がけ、さらにDJ活動もされていて、ダンス・ミュージックにとても造詣が深い方なので、共通点がたくさんありますね。面識はありましたか?
ミヤ(以下M):共通の友達は結構多いんですけど、初めましてですね。
TeddyLoid(以下T):はい、初めましてですね。
-今回のリミックスの選曲は、言わずと知れたMUCCの名曲「リブラ」ですね。
M:四つ打ちとかではない、ビートがゆったりめの曲をやってもらったら面白いかなと思って、お願いしました。
T:サビメロがカッコいい「G.G.」や、MVも大好きな「ニルヴァーナ」もいいなと思っていました。
M:次はTeddyLoidさんにも選んでもらったら嬉しいですね。
-ミヤさん、「リブラ」にはどのような背景があったのか、改めて教えてください。
M:うちらがヒップホップ的なことをやるとしたら、どういうふうにやるかなと考えて作りました。2006年の曲なんですけど、当時はニュー・メタルとかのブームがどんどんなくなってったあとで、微妙な時代だったんですよ。そこでまた、ちょっとヘヴィで、16分の横ノリというか。今のメタルとは違う、ゆったりヘヴィな曲っていうのを作り直したいなと思って。バンドなんだけど、ギターとかをサンプリングで入れてみたり、シンセ・ベースを入れてみたりとか、当時うちらはまったくやったことがなかったんです。打ち込みが入ってることがNGだったんですよ。それをいろいろ変えてみようとチャレンジしてみた感じですね。ファンにも人気があるし。フェスに出たときに必ずやって、やり逃げするみたいな(笑)。バンドにとって大切な曲ですね。だから、中途半端な曲はお願いしたくなかったし、ぶっ壊してもらいたかったんです。
T:僕もこの曲はもともと存じていました。恐らくTeddyLoid名義で活動を始めたころに発表された曲なんですよ。「リブラ」は、本当にゆったりとした曲じゃないですか。だから、どうリミックスしようかなと考えて、まずはBPMはキープして、ダブステップ系も相性がいいかなとも思ったんですが、ミヤさんがDJをされている方で、僕のトラックもプレイして下さっているということも知っていたので、ミヤさんがDJでも使いやすいようなEDMリミックスにしようと決めました。
M:まさに、簡単に言うと使いやすい感じですよね。"ああ、話が早いな"と思いました(笑)。音源だけで聴くリミックスではないというか、DJ現場で投入しやすい感じがしたので、すごくわかりやすいし、あと、歌をちゃんと拾ってくれてるので、さらにわかりやすくなってて良かったです。
T:嬉しいですね。Aメロ、Bメロはラップ調、サビはいきなりガラっと雰囲気が変わるというキャッチーな展開を活かしたかったんです。ヴォーカル・パートと楽曲性はきちんとキープしつつも、ライヴハウスやクラブの現場等でも映える、フロアライクなリミックスにしたかったんです。
M:逆に歌をすごくキレイに残してくれてるんで、もうちょっとぶっ壊してもらったのも聴いてみたいなと思ってしまいまいした(笑)。
-思い切った遊び心と、絶妙なバランス感覚のリミックスだなと思いました。BPMは128の四つ打ちで、原曲からはかけ離れたテンポになっていますよね。
M:リミックスならではのテンポの変わり方ですね。元のBPMは100ないくらいだし。
-前2回のなかでBPMをここまで変えたことはなかったですが、作業的に大変だったのではないですか?
T:そうですね、BPMを極端に変えると、質感がおかしくなっちゃうことが多いんですよね。いきなり甲高い声や逆に低い声になってしまったり。なので、元のヴォーカルの良さを損なわないように気をつけました。
M:結構リエディットされてて、BPMが変わるネタって、キーとかテンポも変わるから、すごく声も変わるんで、そこを加工でごまかして~みたいなリミックスが多いんですけど、今回は結構ドライというか、素材そのままの声の感じが残ってるんで、すごいなと思いました。
T:ありがとうございます。少し突っ込んだ話になりますが、ヴォーカルのアルゴリズムを解析するソフトがあるんですよ。それで解析すると、BPMを変えてもドライのままで出せるんですよね。
M:VOCALOID方式っていうんですかね。
T:近いかも知れませんね。
M:昔だったらできなかったことなんですよね。現代のテクノロジーを駆使してますね。
-イントロのキーボードの原曲部分のメロディは、もともとTeddyLoidさんがやっているフレンチ・エレクトロに通じるのものがある、ドラマチックな旋律ですよね。
T:はい、オリジナル・バージョンのオルガン等、ゴシックでダークな雰囲気が好きだったので、そのまま引用させてもらいました。他だし、データを切り貼りしてエディット~ビルドアップさせています。あと、リミックス素材は基本全パートをバラバラでお預かりするんですが、最初にチェックしたときに、もちろん生のベースはしっかり入ってるんだけど、その下にシンセ・ベース等も入っていたり、アレンジ的に興味深かったです。
M:なんか、今聴くと、このシンセ・ベース恥ずかしいなと思ったりもするんですけど(笑)。スタジオにあった昔の機材で作ったものなので。
T:そのプリセット感がカッコいいというか、逆に今っぽさを感じました。