COLUMN
TeddyLoid presents DANCE × ROCK CHRONICLE Vol.3
-エレクトロ系は聴いていましたか?
M:ちょこちょこ聴いてましたね。さっき言ったVITALICとか、あのへんの流れは結構ロック・ファンにもわかりやすい感じでしたよね。SKRILLEXは、2010年のWarped Tourで、バンドマンのDJがラップトップだけですげえ盛り上げてるって話題になってましたね。
-ロック畑の人がエレクトロの話をすると、必ずSKRILLEXの名前が出ますね。それだけ衝撃は大きかったですよね。ところで最近THE PRODIGYが新作をリリースしましたが、聴きましたか?
T:聴きました。かっこよかったと思います。
M:俺はまだ聴いてないんですよね。
T:THE PRODIGYとかは、実はあんまり通ってないんですけどね、世代的にも。
M:実は俺もそんなに通ってなくて。どちらかというと、ATARI TEENAGE RIOTとか、THE MAD CAPSULE MARKETSがすごく好きで影響を受けてましたね。
T:僕はDAFT PUNKとJUSTICEに衝撃を受けてTeddyLoidを始めたという経緯があって、今こういうサウンドに辿り着いたと思っています。もしエレクトロ・クラッシュ文化がなかったら、接点がなかったのかも知れません。だから、こういう流れでMUCCさんのリミックスができて良かったなと思います。
M:「ファズ」を作ったきっかけも、JUSTICEの曲の感じがいいな、ロックを感じるなと思って影響されて作った感じですね。
-ラウドロックと接点ができたのは、レイヴ感との親和性みたいなのもあるんじゃないでしょうか。ニュー・エレクトロが出てきて、ニュー・レイヴも同時期に流行って、音圧のあるダブステップやドラムンベースなども同時に聴く子たちも結構多くなって、ダンス・ミュージックのエッセンスを取り入れるロック・バンドもどんどん増えましたよね。音は多彩なんだけど、とりあえずダンスものは全部ひっくるめてEDMと呼ばれるようになって。今のEDM文化に対して、おふたりはどういうふうに考えていますか?
M:EDMってどうなのかな。わかりやすいけど、解釈も昔とは違ってきてますよね。なんでもかんでもEDMって言うけど、"とりあえずこの音が入ったらEDM"みたいな感じになってきてるんで。ビルドアップとドロップがあったらEDMみたいな。垣根がなくなってきてるのかな。
T:僕は、かっこよくて踊れれば、それってEDMなんじゃないかなと思いますね。
M:最近だと、ディープ・ハウスとかテック・ハウスとかでも、あまりガツガツしてないものの方が好きで。日本はまだEDMが全然きてるけど、ちょっと俯瞰で見てしまうというか、若いなと(笑)。
T:ストイックなのもかっこいいですよね。
M:海外だと、トレンドがすぐ変わるじゃないですか。日本て1回流行ると、結構サイクルが長いんですよね。ドラムンベースとかダブステップもくるかなと思ったら、まだEDMが続いて流行ってるし。こういうのは日本独特なのかな。いいところでも悪いところでもあると思うけど。
-ドラムンベースとひと言で言ってもいろいろですし、ダブステップも、例えばSKREAM的なものがあって、SKRILLEX的なものがあって。ラウドロック好きだと、どうしても激しめのものばかり聴きがちですけど、個人的にはジャンルをもっと大きく捉えて幅広く聴いてみたら面白いのにな、と思ったりすることがあります。
T:そうですね。そういうところが一緒になったらいいな、融合させたいなという考えで、この激ロックのリミックス・シリーズを始めたんですが、やはり楽しいです。
M:リミックスとかリエディットの文化って日本にあんまりないし、ロックDJパーティーはやっぱりオリジナル・ミックスの方が盛り上がるんですけど、日本でももっと、"このリミックス誰?"みたいな感じの会話ができるようになればいいなと思いますね。
-リスナーも一緒に成長していきたいですよね。
M:本人のものじゃないと......みたいな感覚は、日本独特ですよね。DJをやってて嬉しいのは、"このリミックス誰のですか?"って聞かれることなんですよ。"このマッシュアップ誰ですか?"とか。もっと普及していけばいいなと思います。
T:うん、リミックスを作る側としては、やはり原曲を超えようというくらいの意識で作ってるので、そういう気持ちが伝わったらいいなと思いますね。
-ミヤさんはTeddyLoidさんのROTTENGRAFFTYの「D.A.N.C.E.」のリミックスをDJで使っているんですよね?
M:俺はロットンは昔から知ってて、「D.A.N.C.E.」をリリースしたときは、"結構振り切ったな"と思ったんですよね。その曲を、ああいうドラムンっぽい感じに仕上げてたので、すごく好きで。俺、あのリミックスは録音しましたからね(笑)。SoundCloudでDLできないから、とりあえず録音しました(笑)。今日お会いできたので、いただければ嬉しいです(笑)。
T:あははは(笑)。ではビートを付けてエクステンデットでお送りします(笑)。
-個人的にMUCCの曲は「ENDER ENDER」とか「Mr. Liar」とかもリミックスして欲しいなと思いました。
M:そういうのもすごくお願いしたくて、今回こういうご縁があったので、次は絶対最新の曲をやっていただきたいですね。ミニ・アルバムが6月に出るので、そのリミックスとかを次のシングルとかの盤に入れたいですね。
T:今回のリミックスですごく感じたのが、普段はこのメロは変えたほうがダンス・ミュージックにはフィットする思うことが多いんですけど、ミヤさんの作るメロディはそのままでもハマると思ったんです。ご自身では無意識なのかもしれないですけど、ダンス感とか、グルーヴ感っていうのを感じますね。
M:ありがとうございます。わりと最近DJとコラボしたりしてて、本当に面白いんですよ。JaQwaとかもそうだし、ジャンルによって、人によって、全然音が違うので。現場でも音源でも関わりたいですね。