MENU バンドTシャツ

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

LIVE REPORT

Lonesome_Blue

2025.06.27 @Veats Shibuya

Writer : 宮﨑 大樹 Photographer:高田真希子

次世代型ハイブリッド・ガールズ・ロック・バンド"Lonesome_Blue"が、3周年記念ワンマン・ライヴを開催した。その会場は、彼女たちの1stワンマンを開催した場所と同じくVeats Shibuya。彼女たちは、始まりの地でバンドとして大きく成長した姿を見せてくれた。

フロアには、ロンブル(Lonesome_Blue)のアニバーサリーを祝おうと集まったファンがすし詰め状態になっている。思えばこの3年間は、バンドにとっていいことばかりではなかった。一時的にはバンド存続の危機にあったと言ってもいい。それでも彼女たちを愛し、彼女たちを信じて付いてきたファンがこれだけいる光景を前にして、開演前からグッと来るものがあった。

SEが流れると、青を基調とした照明に照らされながらメンバーが姿を現し、最新作である2nd EP『The Three in One』収録の「Elemental」が開幕の一曲になった。MIZUKI(Dr)が生み出す鋭くパワフルなリズムがバンド全体を引っ張り、野村麻衣子(Vo)と広瀬ゆうき(Ba/Vo)のツイン・ヴォーカルが鮮やかに交差する。そんな「Elemental」をロング・トーンで締めてから「Queenism」へと繋げると、ソロ・パートでこの3年間の確かなレベルアップを見せつけた。さらにスタートダッシュの勢いは止まらず「Live It Up」へなだれ込む。この楽曲では野村と広瀬、サポート・メンバーのYASHIRO(Gt)が動きをシンクロさせて、身体を左右に揺らしながらステップを踏み、耳だけではなく目でも音楽を楽しませてくれた。

続いて、この日最初のMCではメンバー一人一人が意気込みを語る。MIZUKIは"今日はちゃんと蓄えてきて準備もしたからブチかませるはず。楽しもう!"と声を上げ、野村は"3年分ぶち上げます!"と続く、最後に広瀬が"この場所を未来に繋げるために頑張っていかなきゃいけない"と話し、"3年分の想いを込めてぶちかましていきたいと思いますので、とくとご覧あれ。3年分、ここに置いて帰ります"と闘志を燃やしてから「Body Rock」でパフォーマンスを再開。ライヴ映えする楽曲でフロアに熱気を生み出すと、曲中で発生したコール&レスポンスでバンドとファンが1つになる。さらにMIZUKIのドラム・ソロから始まる「Hide And Seek」でも大きな歓声が上がり、ステージとフロアで巨大なエネルギーのうねりを生み出していった。

ここで、ロンブルの鬼畜難易度ギターを1年半もの間支え続けてくれた、サポート・メンバーのYASHIROが紹介され、YASHIRO本人も"3周年盛り上げていきましょう! 頑張るのでよろしくお願いします!"と元気に挨拶。続いて広瀬に話を振られたMIZUKIが次に披露する楽曲を紹介し、彼女が作曲を手掛けた「Final Calling」の披露へ。壮大なバラードに乗せてMIZUKIの想いを野村が歌い上げ、広瀬はハモり声で歌に厚みを持たせると、さらに「Touch Me Not」、「Labyrinth」と畳み掛ける。「Labyrinth」はファンの人気曲でありながら、久しぶりにライヴで披露したというということもあり、フロアからは一際大きな歓声が上がった。

中盤のMCではメンバーからファンに"みんな、どこから来たの?"と質問し交流する一幕も。中にはシンガポール、シドニー、カリフォルニア、パリといった海外から駆けつけたファンもいることが分かり、バンドのグローバルな人気を窺わせた。そして、このMCが明けてから怒濤の4連続パフォーマンスを開始。デビュー作『First Utterance』に収録された、SF的な世界観のメタル楽曲「Parallel World」を皮切りに、続く「Face The Fear」では楽器隊の鳴らす嵐のようなサウンドで圧倒する。驚くべきは、それに負けない芯の強い野村の歌唱だ。こんなに細い身体のどこからあれだけの声量が出てくるのだろうかと感嘆してしまった。さらにロンブル楽曲の中でもポップス味のあるメロディが異彩を放つ「To our Blue」を経て、ダメ押しとばかりに最新作の中でもとびきりキャッチーな「Go Nuts」を投下。広瀬が"明日なんてどうでもいいから踊れぇ~!!"と煽り、メンバーとファンが息の合った振付を踊る。その光景は、彼女たちがこの3年間で培ってきた絆を確かめ合うかのようにも見えた。

あっという間に最後のMCが始まり、メンバー一人一人から3年分の想いが語られた。YASHIROは、外から見ていて"難しそうだ"と思っていたロンブルのギターを、まさか弾くことになるとはと笑いつつ、チーム、バンド、ファンへの感謝を伝え"ロンブルはいろんな人に知られてほしい"と愛を語り、 MIZUKIは"ロンブルは破滅の危機を何回か迎えていたんですけど、皆さんが応援してくれたおかげで続けてこられました。本当に感謝です。最近はメンバーとスタッフさんと一丸となっていいライヴをここ1年くらい研究して、切磋琢磨していいライヴを築けている。自分でも実感するくらい良くなってきている"と感謝だけでなく自信を覗かせる。広瀬は"私は声優をやっていて、声優をやる前はアイドルをやっていて、アイドルの前は教育番組に出ているタレントみたいなのをやっていたんですけど、全部が今に繋がっている感覚があって"と振り返り"この3年間、私はここに立つ意味を追い求めてここまでやってきて。ここに立つ意味はみんなが証明してくれたなって思っています"と語り、最後に野村が"3年間本当にいろんなことがあったんですけど、今日ここにこうして皆さんが来てくれて、こうして笑ってここにいてくれるだけで、私たちの音楽にも私たちの3年間にも意味があったし、これからも意味があるんだなって思います。本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いします!"と思いを伝えた。

こうして3周年の祝宴はいよいよラストスパートへ突入。感謝の気持ちやメンバーの人生、活動への想いを込めて制作された新曲「Reason To Be」を披露する。高速縦ノリサウンドに乗せて、語りと歌唱が入り乱れる楽曲には、この日一番に野村の感情が乗っていたように思える。ここから、いわゆる"タオル曲"の「It's My Time!」で会場の一体感を生み、ゴリゴリのメタル曲「Rising Up For Gloria」を披露。この振れ幅、まさに"ハイブリッド・ガールズ・ロック"の面目躍如といった感じだ。そして、ロンブルは3周年の締めくくりとして「Total Eclipse」を披露。最後に大きな大きなシンガロングでライヴ締めくくったのだ。

「Total Eclipse」の曲中に野村はこう語った。

"ここで初めてライヴをした日、あの日、未来のことは1つも決まっていなかったけど「私たちの音楽と目の前にいるあなたのことを信じてみよう」と思いました。「この先の未来を見たい」って。その未来が今日です。3年間、本当にありがとう。でも、まだ足りない! もっと大きな景色をここにいるあなたと見たいです。私たちはまだここからです!"

野村の言葉を裏付けるように、彼女たちが奏でる伸びやかで力強い歌唱と演奏は貪欲に、ひたむきに羽ばたき続けて、ついには光を勝ち取る。そんなロンブルの未来を暗示しているかのようだった。


[Setlist]
1. Elemental
2. Queenism
3. Live It Up
4. Body Rock
5. Hide And Seek
6. Final Calling
7. Touch Me Not
8. Labyrinth
9. Parallel World
10. Face The Fear
11. To our Blue
12. Go Nuts
13. Reason To Be
14. It's My Time!
15. Rising Up For Gloria
16. Total Eclipse

  • 1