LIVE REPORT
HAGANE
2024.12.12 @下北沢シャングリラ
Writer : 杉江 由紀 Photographer:唐澤 友美
鍛造の過程を経た鋼のごとく。新生HAGANEは厳しい鍛練の時を経て、かつての5人体制から現在の4人体制へと見事なメタモルフォーゼを果たしたことになるだろう。
2023年5月にギタリスト Sakuraとベーシスト Sayaka以外のメンバーが脱退したのち、2024年春にオーディションを通じて見いだした新人ヴォーカリスト 凪希と、かねてからYouTube等でプレイ動画を発信していたドラマー JUNNAが、同時に加入することを発表して以降、HAGANEは6月にEP『Life Goes On!』をリリースした上で、再始動ワンマン・ライヴ"HAGANE reboot live -Life goes on !-"を渋谷REXにて敢行。また、9月には東名阪ツアー"HAGANE Live Tour 「Phoenix Journey 2024」"にも挑んでいたなか、このたび下北沢シャングリラにて開催されたのが、2024年最後の主催ライヴとなったツアー・ファイナル"HAGANE Live Tour 「Phoenix Journey 2024 Last Rampage」"であったのだ。ちなみに、チケットは完全ソールド・アウト!
曲タイトルに相応しい攻撃力を湛えた「GunRock」から始まったこの夜のライヴは、Vシェイプのギターを駆使しながらテクニカルに弾き倒すSakura、指弾き5弦ベースを武器に圧倒的なグルーヴを生むSayakaはもちろんのこと、小柄でかわいらしいルックスからは想像しがたい程のパワフルなドラミングを放つJUNNA、実はバンドもメタルも未経験だったところからHAGANEに加入したという経歴が信じられないくらいに、肝の据わった歌いっぷりを見せる凪希のメンバー4人が持つそれぞれの魅力を、全編から存分に感じられる内容になっていたと言っていい。
"2024年のHAGANEは新体制で復活したわけですが、あっという間の1年でした。そして、思い返してみると1年前の今頃なんてまだなんにもなかったわけなんですよ。でもね、今年の春からこの4人でHAGANEとして活動するようになってからは、今まであんまり自分の中になかった感情が生まれてきたんです。それはたぶんスポーツマンシップみたいなのにちょっと近くて、ラグビーだとよく「One for all, All for one」みたいなことを言うじゃないですか。私はこの1年でそれをよく感じてました。もちろん自分のことも大事だけど、このメンバーのためにもっと上手くなりたい、もっと頑張ろう! って思える今がすごい幸せ。そして、私たちがどれだけ頑張ろうと、こうしてライヴに来てくれる人たちがいなければバンドはできないわけで、本当にみんなありがとうございます。私たちの活動に意味を与えてくれているのは、剣士(※HAGANEファンの総称)のみんなです"(Sayaka)
"Sayakaが言う通り、ほんとに1年前の今頃はまだ凪希ちゃんの加入も決まってなくてなんにもなかったんだよ。だから、今日このステージで演奏しながらみんなの顔を見てたらとにかく嬉しくて、ジワッと来てました。(中略)いろんなことがあってここに辿り着いたからこそ感じる気持ちもあると思うし、HAGANEのことを待っていてくれた方たちも、新しく剣士になった方たちも、みんなありがとうございます!"(Sakura)
なお、この夜のアンコールでは、Sakuraが作曲して凪希が作詞したという新曲「Start Our Journey」が発表されたほか、ニュー・フル・アルバム『TOP OF THE TOWER』を来春に発表し、5月からはリリース・ツアーを開始することや、来年12月25日にはZepp Shinjuku (TOKYO)公演が決定したことまでが、一気に告知されることに。HAGANEの新章にご期待あれ。
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