INTERVIEW
HAGANE
2020.12.08UPDATE
2020年12月号掲載
Member:Uyu(Vo) Sakura(Gt) Mayto(Gt) Sayaka(Ba) Kanako(Dr)
Interviewer:杉江 由紀
鋼(はがね)の如く、きっと彼女たちは打たれるほどに強くなっていくのだろう。2018年に始動して以降、メタル道を邁進してきたHAGANEがここにきて発表するのは1stシングル『Labradorite』だ。今年6月には待望の初ミニ・アルバム『EpisodeØ』をリリースしていたものの、たった半年で彼女たちの発する音はずいぶんと進化した印象がある。コロナ禍においては3月に無観客ライヴを経験するなど、ここまでに難局を乗り越えてきたこともHAGANEにとっては強くなるためのファクターとして作用しているのかもしれない。12月19日にはaube shibuyaにて有観客での"HAGANE ONEMAN LIVE 第二章『洞窟と幻想石』"も開催!!
カッコいい音楽がやりたいんです。それが私にとってはメタルなんですよ
-HAGANEは今回激ロックへの初登場となりますので、まずはこのバンドの概要についてうかがわせてください。始動は2018年だったそうですが、そもそもは何をきっかけにどのような目標を掲げて生まれたバンドなのでしょうか。
Sakura:ガールズ・メタル・バンドをやりたくて、私が"OURSOUNDS"というサイトでメンバーを募集しだしたところからHAGANEは始まりました。ひとりひとりに呼び掛けて、スタジオでセッションして、というのを繰り返して決まったのがこの5人です。
-Sakuraさんがメンバーを集める際、特に重視したポイントはなんでした?
Sakura:まずは、ヴィジュアルがいいこと。これは第1でしたね(笑)。あとは性格の一致と年齢が近いかどうか。音楽的なこと以前に、前提としてそこは大事でした。
-見た目、性格、年齢。まずそこを第1基準にされたというのは、なんだかマッチングアプリのようでもありますねぇ。
Sakura:あははは(笑)。年齢の近さを重視したのは、ジェネレーション・ギャップとかがあるとお互いに気を使っちゃうので、大変かなと思ったんですよ。とにかく、納得いくまでメンバー探しをしたかったので、時間は結構かかっちゃいましたね。2018年に始動したとはいっても、私が高3のあたりからメンバー集めはしていて、最後にヴォーカルのUyuちゃんが入るまでトータルで2~3年はかけたことになります。
Mayto:順番としてはSakuraちゃん、Kanakoちゃん、私、前ヴォーカル、サポート・ベースで始動ライヴを2018年9月にやって、12月にSayakaちゃんが入って、そのあとにUyuちゃんが入って2019年の11月に現体制での初ライヴをやった、という流れですね。
-つまり、現体制になってはからほぼ1年くらいなのですね。ちなみに、音楽的に言うとHAGANEが体現したいサウンドの軸はどんなところにあるのでしょうか。
Sakura:カッコいい音楽がやりたいんです。それが私にとってはメタルなので、このHAGANEで究めたいのはメタルですね。
-なるほど。参考までに、個々のメンバーがリスペクトされているアーティストについてもうかがってよろしいですか?
Sayaka:高校生の頃から、私も一番好きな音楽のジャンルはメタルですね。そのきっかけになったのは、よく激ロックにも載ってる摩天楼オペラでした。そこから、洋楽だとHELLOWEENとか、RHAPSODY(RHAPSODY OF FIRE)とか、うちのリーダー(Sakura)も好きなDRAGONFORCEとか、いろいろ聴くようになったんです。
Sakura:DRAGONFORCE、好きだったんだ。知らなかった。
Kanako:私はですね、もともとMR. BIGとかレッチリ(RED HOT CHILI PEPPERS)が好きでした。
-もしや、Mr. BIGやレッチリは親御さんがお好きだったパターンですか?
Kanako:そうです、そうです。親からの影響で洋楽のロックもそうだし、X JAPANやLUNA SEAなんかも聴いてました。そして、今の私が最も尊敬しているバンドはCrossfaithです。ドラムがすごく好きですね。
Uyu:私がバンドとして特に好きなのはX JAPANで、最近はBABYMETALも好きです。あと、Sakuraちゃんから教わってDRAGONFORCEも最近聴き始めました。それから、イタリアにFROZEN CROWNっていうバンドがいるんですけど、この人たちも本当にすごいんですよ。曲がいきなり予想外な展開をするので、"ここでこう来るのか!"って聴いているとビックリすることが多いんです。私たちも、聴いている人たちに新しい驚きを与えられるようなバンドになりたいなと思ってます。
Mayto:私はもともと、ViViDが好きでした。ヴィジュアル系が好きだったというよりは、楽曲や、RENOさんというギタリストが大好きで、高校生のときからコピーをしていたんですね。そして、RENOさんが影響を受けられたというアーティストの中にMR. BIGとかDREAM THEATERの名前があったので、そこからは私も洋楽をどんどん聴いていくようになりました。ギター・インストも好きなので、とにかくギターに関しては聴くのも弾くのも大好きです(笑)。
Sakura:Maytoとは、音楽の趣味が結構合うんですよ。お互いゲーム音楽も好きだしね。ツイン・ギターをやっていくうえでの相性も、かなりいいと思います。
-そんなSakuraさんがリスペクトしているアーティストというと?
Sakura:よくコピーしていたのは、JUDAS PRIESTです。DRAGONFORCE、Gary Moore、Michael Schenkerもやってましたね。
-渋い大御所ばかりではないですか。
Sakura:うちは親が両方とも洋楽好きで、家にCDがたくさんあったんです。お父さんはギターも弾いていたので、楽器を始めたときもお父さんに教わりながら洋楽のコピーからスタートしました。
-Sakuraさんは、HR/HMの英才教育を受けたエリート・ギタリストなのですね!
Sakura:たしかにそういう環境があったことは大きかったと思います。
-さて。ここからは、HAGANEの作品についてもお話をうかがっていくとしましょう。今年6月には1stミニ・アルバム『EpisodeØ』をリリースされていて、そこから約半年で、このたび1stシングル『Labradorite』を発表することになったそうですね。こちらの表題曲はもしや、6月の段階から、後々に出すシングル用として"取り置いていた"ものだったりするのでしょうか?
Sakura:いえ、取っておいたわけではないんです。むしろ、本当だったら今回の表題曲「Labradorite」も、ミニ・アルバム『EpisodeØ』のほうに入れたかったんですけど、この曲はコンセプトの面であまりにも高い独立性を持っている曲だったので、ミニ・アルバムには入れたくても入れられなかったんですよ。それで、そのあと『EpisodeØ』を出してちょっと経ったくらいの時期に、"これは次にシングルとして出そう"という話になりました。
-たしかに、前回のミニ・アルバム『EpisodeØ』と今回のシングル『Labradorite』は、サウンドのトーンからしてずいぶんと違いがありますものね。前者が全体的にギャル・バンとは思えないほどの逞しさや、凛々しさに溢れた率直な音となっていたのに対し、後者は幻想的且つスケール感のある音像に仕上げられている印象です。たった半年で、ここまでバンドとして繰り出す音像のイメージが変わったのはなぜなのですか?
Mayto:ミニ・アルバムの『EpisodeØ』は、HAGANEにとってわりと初期の曲が入ったものだったからだと思います。あの作品は2018年に始動して以来ずっとライヴでやってきた曲たちを、1枚にまとめた作品だったんですよ。もちろん、さっきSakuraちゃんも言っていた通り、「Labradorite」も『EpisodeØ』を出す以前にできていた曲ではあるんですけど、これは比較的ちょっと新しめの曲だったんです。そして、今回のシングルに関してはMV制作をすることも並行して考えていたところがありました。