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INTERVIEW

HAGANE

2022.08.24UPDATE

HAGANE

メンバー:Uyu(Vo) Sakura(Gt) Mayto(Gt) Sayaka(Ba) Kanako(Dr)

インタビュアー:杉江 由紀

自ら鍛練を重ねてきたHAGANEの切れ味はどこまでも鋭く、どこまでも深い。全国デビューから約2年の時を経て、HAGANEがここに完成させた1stフル・アルバム『Code ; 9021』は、実に1年以上の時間をかけて制作してきたという充実の作品となる。効果的に配置されたインストゥルメンタル曲たちに、繊細な響きを持ったメロディ・ライン、楽曲ごとに緻密なアレンジが施された隙のないバンド・サウンド、サブカルチャーや現実と絶妙にオーバラップする歌詞世界......。"ハーモニック・メタル・バンド"というカテゴリの中だけにもはや収まり切らないほどのスケール感で綴られる『Code ; 9021』には、HAGANEの真髄が詰まっていると言えよう。

-HAGANEにとって初のフル・アルバム『Code ; 9021』がついに完成しましたが、昨年末に2ndシングル『SuperVillan』(2021年12月リリース)について取材をさせていただいた時点で、すでにSayakaさんは"来年はアルバムを出したい。もうジャケットのイメージも決まっていて、内容としてはHAGANEの原点を踏まえた作品になっていくと思う"という旨の発言をされておりました。今作はあのときの言葉をそのまま具現化したものである、と解釈してよろしいでしょうか?

Sayaka:はい。このアルバムはHAGANEの原点と、ここまでの間に積み重ねてきたことの両方が詰まったものになったと思います。

-では、そんな今作に"Code ; 9021"というタイトルを冠した理由はなんだったのでしょう。ここに込めた意味を教えてください。

Sakura:"Code ; 9021"というのは90年代とかのちょっと古めの音楽から、このアルバムの制作を始めた2021年あたりの新しい音楽まで、いろんな音楽がここに詰まっていて1枚の中でどんどん時代が進んでいくよ、ということを意味しているんです。あと、ジャケットのデザインの面では深海をイメージしていたところがあったので、深度9,000メートルとか、そういう雰囲気もこのタイトルから感じてもらえたらいいなと思ってましたね。最初の切っ掛けとしては「BlackCult」という曲を作ったときのコンセプトが深海でしたし、流れ的には9曲目のインスト「Undersea Paranolia」からより深いところまで沈んでいくような展開になってます。あと、1曲目のインスト「Fly Infinitely」は、HAGANEが始動した当初から使ってきているライヴでのオープニングSEでもあるので、これはフ1stアルバムの最初に入れたかったんですよ。

-その2曲以外にも、『Code ; 9021』には6曲目に「Train」というインストゥルメンタル曲も収録されておりますね。こちらはギター・アンサンブルを軸としていて、かなりロックなテイストに仕上がっているところが印象的です。

Sakura:「Train」は2020年3月にやった無観客ライヴ("HAGANE ONEMAN LIVE第一章 「ここから始まる」")のために用意したもので、自分たちにとっては思い出が深い曲ですからね。せっかくだから、今回はこれも絶対に入れておきたかったんです。

-となりますと、今作『Code ; 9021』の中で最も歴史の古い曲はどちらです?

Mayto:2曲目の「GunRock」です。録りもこれは去年の1月でしたね。今回のアルバムは、わりと長いスパンで今年の5月くらいまでかけて作ってきているんですよ。

-この「GunRock」はメンバー全員での一丸となったコーラスがとても特徴的です。ライヴの光景を思わせるようなバンド感が強く醸し出されていますし、サウンドの雰囲気もソリッドな質感やエッジィなところが生かされていますね。

Sakura:タイトルからして"GunRock"なので、この曲では音に攻撃力やパンチ力を込めたかったんです。

Kanako:ドラマー的にもこれはバチバチに強くいきました(笑)。バスドラの連打も銃っぽさを意識しつつやってます。

Sayaka:音としては生感をとにかく大事にしましたね。「GunRock」は同期もないですし、きれいに音を揃えてキッチリとプレイしていくというよりは、ワイルドな迫力や気持ちいい揺れ感をできるだけ出していくようにしました。

Mayto:途中にここぞというところでアーミングを入れたり、アウトロにチョーキングを入れていったりすることで、私としては一音一音を狙い撃ちしていくような意識で弾いていきましたね。この「GunRock」は、プレイしている私たち自身のテンションがすごく高くなる曲だなと思います。

Sakura:最初にこの曲を作ったときは、ここまでライヴで盛り上がる曲になるとは予想してなかったんですけど(笑)。この曲はほんとにずっとライヴで育ってきた曲で、今回のレコーディングでは歌も今ライヴでやってる感じのニュアンスに近づけたよね。

Uyu:自分のもともとの歌い方だとクセがほんどないせいか、ワイルドな「GunRock」にはちょっと似合わないところがあったりするんですよ。だから、この曲に関しては普通に歌うとつい出ちゃう真面目さを隠すために(笑)、わざと荒く歌う感じでレコーディングしたんです。意図的に"崩して"ロックに歌うっていうのが、自分としてはちょっと大変でした。

-それから、そのあとに続く「BlackCult」については、90年代どころか80年代後半の空気感さえ感じるほどに、相当オールドスクールなジャパメタの匂いを感じたのですけれど、これはいかにして生まれた曲だったのでしょうか。

Sakura:まさに、これは80年代っぽさを出したかった曲だったんですよ。アルバムのタイトルは"Code ; 9021"ですけど、それよりさらに遡っちゃってます。

-しかも、この曲はヴォーカルがかなりのハイトーンとなっておりますね。

Uyu:ハイトーンなのは間違いないんですけど、私的にはHAGANEの中ではだいぶ歌いやすい曲ですね(笑)。曲展開も緩急がはっきりしていて、サビではガーン! といけるので声を出しやすいタイプの曲になってます。抑揚をつけやすいぶん、気持ちも入りやすいので、歌っていてめちゃくちゃ楽しいんです。

-そして、こちらの「BlackCult」はギター・ソロも派手で聴き応えがあります。

Sakura:リフからどんどん最後まで広げていった曲だったので、これはギター・ソロもその流れの中で構成していくかたちでしたね。

Mayto:ソロは掛け合いで交互に重ねていくかたちになっているんですけど、HAGANEとしてはこの曲あたりからそういう作り方をしだしたんですよ。

Sakura:ふたりで掛け合いをしたり、ユニゾンをしたり、という今現在のHAGANEにとっての定番となってきているアプローチが生まれた頃の曲なんです。あと、今回レコーディングしたものに関してはKanaぴー(Kanako)から"この曲、オケが合いそうだね!"というアイディアが出たので、思い切ってピアノとストリングスを重ねたところも、ひとつのポイントになっていると思います。そこのアレンジをめっちゃ頑張りました。

Kanako:リズムはひたす2ビートが多くてメタル感の強い曲なので、ドラマーとしてはバンドの音を下のほうでしっかり支えられるように叩きましたね。

Sayaka:ベースも「BlackCult」に関しては刻むというのが根本にはあったんですけど、サビ裏でのフレーズとか、1小節分のベース・ソロを挟んでギターとユニゾンする部分もあるので、この曲ではリズム楽器というよりは、メロディ的なところを担っているところがわりと多かったです。

-この「BlackCult」は日本語詞によって構成されていますけれど、ここで描かれているストーリーについての解説もしていただけますと幸いです。

Sakura:すでにアニメにもなっていて、今は"ジャンプSQ.RISE"で連載中なんですけど、私の好きな"D.Gray-man"という作品がありまして、これはそこからインスパイアを受けた歌詞ですね。自分の好きな世界をHAGANEの作品として表現することができたので、詞を書いていても面白かったです。

-かと思うと、今作には英詞で歌われている「FlyingCircus」も収録されておりまして、この曲はメタルというよりもハード・ロック寄りの仕上がりになっている印象です。

Sakura:これは順序の面で言うと「GoGoKart」の後にできた曲で、もう1曲爽やかな感じの曲が欲しいねというところから作り出したんですけど、ちょうどその時期に"蒼の彼方のフォーリズム"というアニメを観ていたんですよ。その話の中では"フライングサーカス"という架空のスポーツが題材になっていて、自分も"空を飛んでみたいなぁ"という気持ちから、この詞を書いてみました。

-なるほど。「BlackCult」に続いて「FlyingCircus」も、Sakuraさんの作られた"勝手アニソン"であるわけなのですね。

Sakura:たしかにそういう感じにはなってます(笑)。ただ、実は「FlyingCircus」は原曲の段階だとそこまで気に入ってはなかったんですよ。でも、今回のアルバムで関わってくださってるアレンジャーさんが、ハード・ロック寄りのカッコいい方向に持っていってくれたことで、急に良くなったんですね。特にドラムがめちゃめちゃカッコ良くなりました。

Kanako:爽やかソングに聴こえつつ、ツーバスが結構入ってるんです。イメージしていたのはアメリカの西海岸っぽいハード・ロック感でした。

-先ほど話題に出ました「GoGoKart」もトーンとしては明るさの漂う曲ですが、この曲の持つ魅力を引き出すにあたってみなさんが心掛けたことを教えてください。

Mayto:HAGANEの場合これまでずっと衣装やアートワークも含めて銀、青、白をベースにすることで爽やかさやフレッシュさを打ち出してきたところがあるので、青空のもとレース・カーが走り抜けていくみたいなこの曲の持っているイメージは、私ならではの表現で疾走感のある音にできるだろうなという自信がありました。

Sakura:この曲の主人公として私が想定していたのは、ゲーム"ソニックアドベンチャー"のソニックなんですよ。あのソニックのポジティヴなキャラをできるだけ音で表現したかったので、瀬上 純("ソニックアドベンチャー"のゲーム音楽を制作している作曲家/ギタリスト)さんに影響を受けたことがわかるようなリフもちょっと入れました。