LIVE REPORT
湾岸の羊~Sheep living on the edge~
2024.10.19 @品川プリンスホテル Club eX
Writer : フジジュン Photographer:©イシバシトシハル
9月8日、サンダースネイク厚木公演を皮切りに約1ヶ月半。北は札幌から南は鹿児島まで、トラベリング・バス1台で全国24ヶ所を回った湾岸の羊~Sheep living on the edge~(以下:湾岸の羊)の全国ツアーが、東京 品川プリンスホテル Club eXで最終日を迎えた。ライヴハウスとは少し雰囲気が異なり、会場中央に円形のセンター・ステージが設置され、それを囲むように客席が配置されたこの会場。開演時刻となり、ヴィジョンにツアー全会場で撮影されたダイジェスト映像が流れると、いかに濃厚且つ充実したツアーだったかを想像させて、ライヴへの期待は高まるばかり。
真っ暗な会場にSE代わりの風の音や雷鳴が響き、会場がスモークに包まれて。照明が点くと、すでにセンター・ステージにHIRØ(Vo)が構えているという粋な演出から、いよいよライヴがスタート。ステージ奥にはCHARGEEEEEE...(Dr)とONODUB(Mp)が構えて、センター・ステージではREDZ(Vo/Gt)、TATSU(Gt)、Ryo-Ta(Ba)がHIRØを囲み、「REBORN」で本格開始。HIRØの感情的な歌声と悲痛なシャウト、ヘヴィながら楽曲に込めた感情の揺れ動きを丁寧に緻密に表現するバンド・サウンド。ツアーで鍛え上げた歌と演奏、より強靭になったバンドの絆が見えるオープニング・ナンバーでオーディエンスを圧倒。
"狼煙を上げろ/魂(こぶし)を上げろ"と歌う「狼煙 ~NOROSHI~」に熱い拳が上がって会場に一体感が生まれると、楽曲に込めたメッセージを効果的に伝えるオープニング映像から「Children's #189」へ。REDZの憂うような切ない歌声とHIRØの攻撃的なラップが楽曲に深みと奥行きを与え、聴く者の心に強く訴え掛けてくる。
"「ロッケンロージャーニー」もついにファイナルを迎えました、ありがとうございます。今日がファイナルだって。信じられないね!"と始まったMCでは、期待と不安が入り乱れたツアーについて振り返り、失敗を恐れず一歩前に踏み出すことの大事さを語ったHIRØ。さらに"一歩前に進んだ先で感謝してリスペクトをすれば、自ずと新しい景色が見えてくるんじゃないかと信じてます"と話し、"夢の続き行くぜ"と歌う「Merry-Go-Round」でポジティヴなヴァイブスを一人一人に届ける。
続いて、HIRØがツアーの逸話を混じえながらメンバーを一人ずつ紹介すると、サポートとしてツアーに同行したONODUBに、"正式に湾岸の羊のメンバーになっていただけますでしょうか?"と正式加入を直訴。"もちろんです!"とONODUBが快諾し、6人組となった"新生・湾岸の羊"で披露した曲は「RISE UP」。会場中がコール&レスポンスを合わせ、大盛り上がりで新しい始まりを祝福する。
ギタリストのK-A-Zがシークレット・ゲストで登場し、TATSUと白熱のギター・バトルで魅せたコーナーから、幻想的に始まった「都会の森」で真摯にメッセージを届けると、"10代の頃からの友達です"とHIRØが紹介し、シークレット・ゲストのZeebraが登場。20年以上ぶりに披露したという「TOKYO G.P.」をコラボして会場を大いに沸かし、ツアーの完走を祝福した。
本編ラストのMCではメンバーそれぞれが熱い思いをオーディエンスに届けると、"自分らしく 自分らしく"と「Sincerely」で自身の思いを届けたHIRØ。"みんな愛してるぜ!"と本編ラストとなる「LAST BAD BOY」をぶっ放ち、これからも"BAD BOY"であり続けることを宣言。アンコールは残る力の全てを注いだ「LOST CHILD」で限界超えの盛り上がりを生み、カオティックな雰囲気の中でツアーを美しく賑やかに締めくくった。
愛と魂をたっぷり込めた生命力溢れる歌と演奏、パフォーマンスが観る者の心を揺さぶり、「Sincerely」の歌詞のように"悩んでんじゃねぇよ ROCKしようぜ"と気持ちを奮起させてくれた湾岸の羊のツアー・ファイナル。無謀とも言える"ロッケンロージャーニー"の成果と充実ぶりも十分に感じさせたこの日のライヴは、バンドのこれからも大いに期待させるものだった。
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