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LIVE REPORT

MAD JAMIE

2023.12.27 @渋谷CLUB QUATTRO

Writer : 山口 哲生 Photographer:柴正明

2023年4月から、感情線あくびのソロ・プロジェクトとして再始動したMAD JAMIE。怒濤の勢いでリリースとライヴを重ねてきた彼女は、同年11月から[TOKYO RELEASE TOUR "THIS is NONFICTION"]と題したツアーを開催。都内のライヴハウスを集中的に回る本ツアーの最終公演となったのが、12月27日、渋谷CLUB QUATTROでの単独公演だ。

1曲目の「JAMIE's FLAG」から、ヘヴィ且つハイボルテージな音を放つサポート・バンドと、大音量のオイコールで曲に加わるJamie(※ファンの呼称)たちと共に、凄まじいテンションで駆け抜けていくあくび。"すべてをこの手に掴んでいこうぜ!"という絶叫から「Catch my life」になだれ込むと、さらにギアを上げて「MONSTER HATE」をドロップ。シンガロング・ナンバーを連続で叩き込んでいき、そのまま各パートのソロ回しを交えたバンド・メンバーの紹介が始まったのだが、"オン・フロア、Jamie"と、ファンを加えるあくび。そんなところからも、彼女が自身のファンを仲間として想い、信頼していることが伝わってくる。

会場にいる全員が今この瞬間を心の底から楽しんでいて、終始最高に熱くてハッピーな空間になっていたのだが、その場を間違いなく一番楽しんでいたのが、ステージに立っていたあくび本人だ。満面の笑みを浮かべながらフロアを煽り、爆音のなかでも一切埋もれることのないパワフルなハイトーン・ヴォイスを響かせていく。時折、感情が極限まで振り切れたのか、笑顔が泣き顔のように見える瞬間もあったのだが、それぐらい心の壁を取り払い、感情を全解放して届けられる歌とその立ち姿には、凄まじい求心力があった。拡声器を手にしたパフォーマンスも抜群にキマっていた「Fight for Freedom」や、ラストで壮絶なハイトーンを轟かせた「show more」など、新体制になってから発表された楽曲も完全にフロアに馴染んでいて、あくびが初めて作詞を手掛けた「Over the moon」では、Jamieが手を左右に振り、曲を熱く彩っていく。

また、本公演の終演後から発売開始となった2ndアルバム『THIS is NONFICTION』に収録された新曲群も披露。耳に残るフレーズとハードなサウンドでフロアを激しく揺らした「べろべろばー」のようなアッパーな曲はもちろん、"今はまだ小さな輝きかもしれないけど、いつの日か絶対に消えない、強く輝き続ける光になれますように"と、あくびが今の胸中を明かして始まった「baby star」や、スポットライトを浴びながら歌い上げたスロウ・ナンバー「幸せになるほど僕は不安になっていく」といった、あくびの歌を存分に堪能できる楽曲であり、MAD JAMIEのライヴをさらにエモーショナルなものにさせる楽曲も。そんなドラマチックな楽曲たちは、より大きな会場に映えるような印象もあり、自然と未来への期待が高まるものになっていた。

そんな2ndアルバムを携えて、MAD JAMIEは、2024年10月7日にZepp Shinjuku (TOKYO)にてワンマン・ライヴを開催することを発表。"何があったって、これから先も、ステージで伝えてきた言葉や夢や約束は、必ず叶えてみせる"、"どこかの誰かに叶えられない夢だと言われても、必ずJamieと一緒に叶えてみせる"と叫んだあくび。彼女が最初の目的地として掲げている日本武道館、そして世界へ向けてがむしゃらに走り続けようとしているその姿に、何度も胸を熱くさせられたステージだった。

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