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INTERVIEW

MAD JAMIE

2024.02.05UPDATE

2024年02月号掲載

MAD JAMIE

Member:感情線 あくび

Interviewer:山口 哲生

2ndアルバム『THIS is NONFICTION』を完成させたMAD JAMIE。感情線あくびのソロ・プロジェクトとしてリスタートを切った現体制の楽曲を軸にしつつも、前体制で発表した楽曲をリテイクしたものや、ハードでエモーショナルなバンド・サウンドでライヴ会場を熱く沸かせるMAD JAMIEらしい楽曲もあれば、あくびの内面を深く掘り下げたようなミディアム/スロー・ナンバーも収録と、MAD JAMIEの現在、過去、未来を閉じ込めた生々しい1枚に仕上がった。また、10月7日にはZepp Shinjuku (TOKYO)にてワンマン・ライヴ"All you need is Fxxk"の開催も発表。それに目掛けて27日間連続ライヴ企画"The 27 Dayz"を決行するなど、2024年も激走を続ける感情線あくびに話を訊く。


歌と向き合う時間が増えたことで、自分の中の感情が溢れる量が増えた


-アルバムのお話に行く前に、昨年11~12月に開催されたツアー[TOKYO RELEASE TOUR "THIS is NONFICTION"]について振り返っていければと思います。都内のライヴハウスを集中して回り、ツアー・ファイナルを渋谷CLUB QUATTROで開催するという行程でしたが、ツアー中はどんな感覚がありましたか?

今までMAD JAMIEとしてツアーを回ったことがあるのが東名阪とか、短いものだけだったんですけど、今回は都内だけど初めてファイナルを合わせて7公演という長いもので。同じ冠の中でやるし、東京という場所は変わらなかったりするんだけど、内容が毎回同じわけじゃないし、その日その時々によってこうも空気が違うのかっていうのを初めて実感したから、これがツアーの醍醐味なんだなって思いました。

-日によってどんな違いがあったんですか?

説明が難しいんだけど、来てくれているJamie(※ファンの呼称)がすごく大きく違うわけじゃなかったんですよ。その時々で来てくれる人もいれば、一緒に駆け抜けてくれている人もいて。だからすごく変わった感じはしなかったのに、会場入りしたときに感じる空気とか、ライヴ前の雰囲気がすごく違くて。すごく温かい日もあれば、戦うような日もあったし、とにかく熱い日もあったり、アウェイじゃないけどホームとはまた違う空気があったりとか。それが不思議だったし、このツアーでそういう感じになるのは想像してなかった。東名阪を回ったときは東京、名古屋、大阪でいつも作っている空気があって、みたいな感覚だったけど、今回はそういうドラマがあったなって。

-その日、その会場でしか感じられない空気があったし、そういうライヴをしていたと。

うん。それを特に感じました。

-その日の違いにもかなり差があるから、それはそれで楽しそうですね。

そうですね。楽しかった。そういったいろんな一話一話を積み重ねて、ファイナルっていうものができあがるのかなっていうのをすごく感じたから楽しかったです。

-積み上げていって迎えたツアー・ファイナルはいかがでした? 

あの日はね......最初はめっちゃ高揚してた(笑)。それこそいろんな気持ちがウワー! ってなっていて。

-会場入りのときからテンションが高かった?

そうそう(笑)。なんかグツグツしてたのが、本番前ぐらいから沸騰しだして。とにかく高揚して始まって、それがゆっくりギュッと固まっていったような感じだったんですけど、Jamieの顔を見たときに、同じ気持ちなのかなって勝手に感じて、すごい嬉しかった。(2023年)5月から再始動してまだ1年経っていないんだけど、この形でちゃんと積み重ねてこれたんだなというか、きたんだなって。それをツアー・ファイナルで実感しました。

-ツアー・ファイナルを拝見してましたけど、あくびさんがめちゃめちゃ楽しそうに歌っていたのがまず印象に残っていて。

ふふふふ(笑)。

-嬉しさと楽しさが一番大きかったですか?

ドキドキはしてたんですよ。どうなるんだろうっていう気持ちが一番大きかった。再始動してからは、自分の中で模索することがすごく多くて。いろんなことを試しながら、とにかく目の前のことを全力でやってきたんですけど、それがちゃんとJamieに届いてたんだなってすごく思いました。ファイナルの日は歌っていてすごく楽しかった。

-楽しそうに歌っていたけど、たまに感情が振り切れて、もしかしたら泣いているのかなって思った瞬間もあったんですけど。

うん、あった(笑)。ひとりになって、歌と向き合う時間が増えたことで、自分の中の感情が溢れる量が増えた気がしていて。あくびは歌っているときとか、ライヴをしているときがすごく楽しくて大好きなんですけど、日々感じたりする楽しい以外の感情も全部込めたいと思っていて。だから考えてやっているというよりは、バッ! っと入り込むと自然とそうなるときがある。勝手に出てきちゃう。それを今は止められない(笑)。

-無理だと(笑)。

無理(笑)。だけど、それでいいのかなとも思ってる。あくびはそういう人が好きだから、これで満足するまでやってみようって思ってる部分はありますね。

-観ている人にもそれは伝わるからすごく素敵だと思いますよ。本当に心の底から楽しんでるんだろうなっていうのがすごく伝わってきたし、あくびさんがグッと来ているところで、こっちも熱くなる瞬間が何回もありましたし。

へへへへ(笑)。ありがとうございます。あくびは感動することがすごく好きだから、自分もいっぱい感動したいし、いっぱい感動させたいっていう気持ちがあるから、嬉しい(笑)。

-では、2ndアルバム『THIS is NONFICTION』のお話にいきましょう。改めてどんな1枚になったと感じていますか?

"THIS is NONFICTION"っていうタイトル通りの1枚になったと思います。新しいものももちろん見せていくし、今も見せるし、今まで積み重ねてきたものも、あくびはすごく大切で。そこに自分の中でカッコ悪いと思っているものはないし、それをもっと届けていきたいから、過去の曲もリテイクして入れてます。あとは、未来を少し示唆するような曲も入っていたりするから、MAD JAMIEの真実が詰まった1枚になっているなって感じています。

-まさにですね。

でも、結構直前まで完成するのか、みんなソワソワしていました(苦笑)。もちろん作業は進んでいたんですけど、サウンド・プロデューサーのKNOTmanも、プロデューサーも、あくびもそうだけど、どんどんこだわっていっちゃって。絶対にいいものになっている自覚はあったし、そこの信頼はめちゃくちゃあるんですけど。アルバムに入っている「Blue Orange」も、リリース手前にサブスクで解禁したんですけど、短期間でミックスし直したりしていて、サブスクの音源と盤に入れているものが違うんです。そういうこともしてたから、これは本当にアルバムとして出るのかな......って。で、Jamieもそれに気づいていたのか、あくびに"アルバムいつなの?"とか"まだなの?"とか全然言ってこないんですよ(笑)。

-ははははははは! Jamieのみなさんに気を使われている(笑)。

そうそう(笑)。喋る機会があってもまったく言われてなくて。だって、そもそもあくびの中でリリース・ツアーって、アルバムがある状態で回るのかなって最初は思ってたんですけど、"あ、これは違うんだ"と思って(笑)。MAD JAMIEにはMAD JAMIEのルールがあるんだなって。でも、無事に完成しました(笑)。

-ひと安心ですね(笑)。お話にあった通り、本作には前体制の楽曲も収録されていて。基本的には原曲のイメージを壊すことなく、より熱く、よりパワフルに、よりエモーショナルに、という感じになっていますね。

そうですね。変化じゃなくて進化するのがいいなと思って。自分の歌い方は、昔録ったものからいろいろ変わっていたりはするんですけど、壊して作るというよりは、積み重ねてきた気持ちを録れたらいいなと。

-ツアー・ファイナルのときに、前体制の曲を入れることについて、過去を塗り替えるわけじゃなくて、大事なものを増やしていきたいんだとおっしゃっていましたよね。

うん。本当にそういうものにしたくて。大事なものが増えたほうがいいから。新しく塗り替えて、また別のものにするというよりは、それぞれどっちも大事なほうが絶対にいいから、そういう思いで録りました。

-収録された過去の楽曲の中で、あくびさんが歌いたいとチョイスした曲もあるんですか?

そうですね。でも話していて、意見はだいたい一緒だった。あくびが今入れたい曲と、これがいいと思うんだけどって提案してくれたものと齟齬がなく、すんなり決まった感じでした。

-改めてこのタイミングで「FUCK FOREVER」をチョイスされたのはすごくいいなと思いました。これからも歌い続けていくことで、より深みを増していく歌詞だと思いますし。あくびさんにとって「FUCK FOREVER」はどんな曲ですか?

言ってくださったみたいに、あくびとしては、この曲ができたときと、それをメンバーでレコーディングしたときと、ライヴで初めてやったときと、そこからライヴでやっていったときと。で、体制が変わってからもライヴでやって、また今回レコーディングして、その全部が違うというか、同じ曲に感じないなと思っていて。本当にその時々でそのときの「FUCK FOREVER」があって、それはすごい魅力だなって感じていて。だからあくびにとっても、Jamieにとっても、近くにある曲なのかなって感じてる。その時々で色が変わるというか、曲が生きているように感じてます。

-そういう生々しさのある曲だし、歌ですね。現体制になってから配信された楽曲も収録されていますが、それ以外の新曲といいますと、「べろべろばー」はかなりアッパーな曲ですね。セリフがあったり、サビの語感が気持ち良かったり、かなりノれる曲になっていて。

「べろべろばー」は、みんなにお披露目するのがすごく楽しみだった。初めて聴いたとき、あくびは衝撃で。曲が短いのもあるんだけど、聴いてびっくりして、びっくりしたまま終わったんですよ(笑)。"理解する前に終わった! なんだったんだ!?"っていう(笑)。これは絶対にJamieもびっくりするだろうなと思ったから早く聴かせたかったし、MAD JAMIEのライヴにまた色が出る曲だなと思いましたね。すごく鮮やかになるけど、ちゃんとMAD JAMIEの魂はある。で、ナメている感じ(笑)。

-(笑)"べろべろばー"って歌ってるぐらいですからね。

そうそう(笑)。芯はあるけどナメている。それはちょっと新しい色だなと感じていて。これからライヴでもっとやっていくのが楽しみです。

-ただ、サビの歌詞を間違えずに歌うのはちょっと大変そうな感じもしますけど。

これは、レコーディングのときに"そんなに正しく発音しなくていいよ"って言われて(笑)。

-(笑)もうノリでいいよと。個人的には"墓地ぼっちww"が好きでした。

ホントにナメた歌詞というか(笑)。とにかく踊れる曲ですね。

-そういったアッパーな曲もあれば、「baby star」のようなミディアム・ナンバーもあって。先ほど"楽しい以外の感情"というお話がありましたけど、まさにそういった部分を歌っている曲ですね。

あくびが歌詞を書いたわけではないんですけど、あくびの"スターになりたい"っていう気持ちを大事にして作ってもらった曲ですね。ツアー・ファイナルのときにも話したんですけど、あくびは"スターになりたい"っていっぱい言うんですが、そしたらJamieもそうだし、いろんな人たちが"あくびはもうスターなんだよ"って言ってくれたことがすごく心に残っていて。その言葉に支えられて、頑張れている部分がある。もう輝いているっていうのは、自分だけだとどうしても見えなくなるときがあるんですけど、それをいつもJamieが教えてくれているという話をしたところから、この曲を作ってもらって。だから自分の中で重ねやすいというか、自分の中の自分と一緒に歌っている曲かなと思います。

-かなりエモーショナルな歌ですけど、特にDメロの"ツライよな 痛いよな/この手をつかんでよ"がすごくて。感情を全放出している感じというか。

たしかに。今の体制になって歌をもっと好きになってから、そういった弱い自分と戦うことが増えて、負けそうになるときが多いんですけど。でもそれも歌にできると思って、引き出しにしまうようにしているから、そこを表現できていたらすごく嬉しいです。