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INTERVIEW

MAD JAMIE

2024.02.05UPDATE

2024年02月号掲載

MAD JAMIE

Member:感情線 あくび

Interviewer:山口 哲生

-あと、サビの"You know, you're right! hello, hello, how low?"は、あくびさんの音楽的な好みを汲んだうえでのものなのかなと。

ここめっちゃ好きです(笑)。

-特にオーダーされたわけではないですよね。

そうです。あくびから注文した感じではなくて入ってました。よくわかってるなぁって(笑)。

-(笑)あとは「幸せになるほど僕は不安になっていく」というスロー・ナンバーも収録されていて。

最初に聴いたときは、こういう曲をMAD JAMIEで歌えることがまずシンプルに嬉しくて。これまで壮大なバラードってやってなくて、あくびも歌うのが初めてだから、レコーディングのときは結構苦戦したんですよ。グルーヴというか、曲にうまく乗るのが難しくて。でも、この話は人にしたことなかったんだけど、歌詞と重なる部分があって。

-どんな部分ですか?

これは全然重い話じゃないんですけど(笑)、自分って幸せになっていいのかなって、ふと思うときがあって。満足するのが怖いし、満足していないから日々が楽しいと感じている部分もあるし、満足してないから歌えている部分があるんです。だから、幸せを感じるときはいっぱいあるんだけど、幸せになっていいのかなって思うことがあるから、それとすごく重なるなと思っていて。

-満足してしまうと、これ以上進めなくなってしまうんじゃないかという不安。

うん。この曲がそういう意図で書かれているのかはわからないけど、あくびは本当にそうです。満たされていないから踏み出せる1歩で、ここまで自分は来たと思ってる。でも、もちろん幸せになりたいからやってる(笑)。そこの気持ちに答えは出ていないんですけど、心のどこかにあったものだから、それを引っ張ってきて歌ってる。でも、みんなそういう部分があるのかなと思ったりするし、これを歌にしてみんなに届けていいんだって思うと、それはすごく楽しいなって感じている曲です。

-歌詞としては、最後は"幸せなほど/不安になってくのは/大事なものがずっと増えたから"という流れになっていますけど、あくびさんにとっても、大事なものが増えていて幸せだと思う瞬間もあると。

うん、めっちゃある。あくびはMAD JAMIEが、Jamieのひとりひとりがすごく大事で。チームのみんなもそうだし、作品もそうだし。もともとすごく向き合っていたし、そもそも大事ではあったけど、自分から切り離せないものというか、切り離したくないものに、気づいたらなっていて。逃げたいなとか思うことは全然ないんですけど、逃げたりはしたくないなって思う。何かがあっても、これは自分以外のものではなくて、自分なんだっていうものに、どんどんなってきているなって感じています。

前回のインタビュー(※2023年8月号掲載)で"まず日本武道館に行くことしか見ていない"というお話をされていましたが、この曲を武道館で歌ったらめちゃくちゃ気持ちいいでしょうね。

ふふふふふ。

-想像して笑ってますね(笑)。

はははははは(笑)。うん、歌いたい! 音がどこまでも届きそうな感じがあるから。

-「baby star」もそうですけど、大きいステージに似合う曲が多いですよね。

そういう話は直接してなかったんですけど、あくびもそれは感じました。広いステージで、いっぱい人がいる前で歌うイメージはめっちゃあったので、曲を聴いたあとにその話はしましたね。すごくシンクロしてるなって感じました。

-いいチームになってますね。

うん。たしかにチーム感は前よりも格段に増しているかもしれないです。

-先ほどお話に出てきた「Blue Orange」も、大きい会場に似合いそうですね。

この曲は......すごい前に、今使っているスタジオとは別のところで「愛があふれて殺したいくらいだ」を録ったときだったかな。なんの曲だったのかはちょっと忘れちゃったけど、長時間レコーディングするから、途中で10分ぐらい休憩があって。そのときにKNOTmanとエンジニアの方は外に休憩しに行って、あくびは部屋の中にいたんですけど、そしたら"おいで!"、"来て!"って呼ばれて。で、そのマンションのベランダに出たんですけど、そのときに見た空がオレンジと青が混ざった感じでめっちゃきれいだったんですよ! 現実じゃないみたいな空をしていて。それをみんなで一緒に見たんです、キャッキャしながら(笑)。

-ははははは(笑)。

"すごい!"って飛び跳ねたりとかして(笑)。あくびは、空って日常的に常にあるものだし、特別なものじゃないのかもしれないけど、そうやってきれいなものを"きれいだね"ってわかり合える人たちが周りにいて、そんな人たちと作品を作ったり、活動ができていることが本当に幸せだなって感じて、その話をしたんですけど。それを何年か越しに曲にしてくれたんです。

-なるほどなぁ。

個人的には、あのときの空が鮮明に浮かぶ曲になってますね。あくびとしては、あの景色が曲になったことで、あのとき4人でしか見ていなかったものを、Jamieや曲を聴いてくれた人にも見せられると思うとすごく嬉しいし、すごいことだなって感じてますね。だから、あくびが感動したものを見せられるように歌ってる。

-めちゃくちゃいい話。

ははははは(笑)。これもノンフィクション・ソングです。

-ですね。そんなアルバムを完成させ、10月7日にZepp Shinjuku (TOKYO)でワンマン・ライヴ"All you need is Fxxk!"を開催することを発表されました。そこへ目掛けて、1月26日から2月21日まで27日連続ライヴ企画"The 27 Dayz"を開催されますが、この企画ってどんなところから始まったんですか? "27日!?"ってシンプルに思ったんですけど。

そうですよね(笑)? あくびも気合だけ入っちゃってるんで(笑)、やったことないからできるかできないかはわからないんですけど、"やろう!"っていう気持ちだけはありますね。27日連続にしたのは、今度の誕生日であくびは26歳になるんですよ(※取材は1月中旬)。その数日後から始まるんですけど、ロック・スターは27歳で死ぬっていうのあるじゃないですか。

-"27クラブ"。

そう。けど、あくびは27歳へ向けて、27日間駆け抜けて、死なないロック・スターになるんだっていう覚悟と決意も込めての27日連続ライヴになっています。

-こんなもんで私は死なねぇぞと。

うん(笑)。いくら歌って叫んでも、あくびは死なない。

-これまでのライヴで、何日連続までは経験したことあるんですか?

いやぁ......やっても1週間ぐらいだったと思います。

-それもすごいですけどね。

たまたま外せないものがどんどん重なっていって......みたいなことはあったけど。それをやって休みがあって、またちょっとライヴがあってというのは経験したことあるけど、27日間は......未知の世界です......。

-後半、だいぶ小声になってましたけど(苦笑)。

ははははははは(笑)。

-体調には本当に気をつけてくださいね。その企画もありつつ、Zepp Shinjukuまでどんな日々を過ごしていきたいですか?

Zeppでワンマンをするのはまず目標にしていたところもあるし、ライヴでJamieと絶対にやると約束していたので、それを叶えられるのは嬉しいです。でも、ただ立ちたいわけじゃなくて、来た人みんなを"最高だ!"っていう気持ちにさせたいから、そこは絶対に成功させたい。だからあくびが込められるものは全部込めたいし、今までの経験上、10月まで本当にあっという間だと思うから、今も大事にしているつもりだけど、一瞬一瞬をもっと大事にしていきたくて。どれも取りこぼさないというか、置いていきたくない。全部を連れてZepp(Shinjuku)のステージに立ちたいです。日々感じることも、つらいこともあるかもしれないけど、全部を吸収して、パワーアップして、Zeppで歌いたい。それを観て、Jamieも自由にMAD JAMIEを感じてくれたら、いい日になるんじゃないかなって思ってます。

-楽しみにしてます。ちなみに、Zepp Shinjukuにはもう行かれました?

まだ行ったことなくて。どんな場所なのか、まったく今はわからない。暗黒の場所です。

-闇に包まれた(笑)。

はははは(笑)。あ、でも前だけ通りました。新宿の(Music Bar)ROCKAHOLICの年越しイベント("COUNTDOWN PARTY2023-24")に出たんですけど、その帰りにZepp Shinjukuの前を駆け抜けて、"ここか!"って。メンチだけ切ってきました(笑)。

-(笑)待ってろよと。

うん。"10ヶ月後よろしく!"って。