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LIVE REPORT

Broken By The Scream

2023.11.18 @渋谷ストリームホール

Writer : 長澤 智典 Photographer:Mei Okabe

ゲストで、NOCTURNAL BLOODLUSTの尋が登場。尋と野月平イオの凄まじいデス・ヴォイスが「フェニックス」の上でバトルし合う。タイマンを張るように互いに顔を突き合わせて絶叫し合う様へ、気持ちが熱く奮い立つ。この曲中ずっとふたりのデス・ヴォイスが壮絶な絡みを見せ合えば、ふたりの応酬にフロアからも無数の拳が突き上がる。止まることなく「ライカ ライカ」へ。この曲でも尋が煽れば、七々扇ツバキと流鏑馬アヤメが美声を乗せて絡み合う。エモい歌に合わせ、フロアから高揚した気持ちへ導かれるようにたくさんの拳が上がる。この曲ではふたりのスクリーマーが、得意の激烈な声の爆弾を次々と投下し、観客たちの理性をぶっ壊していた。中には、興奮を抑えられずにリフトする人も。尋と野月平イオの絡み合いは、まさに最狂だ。

終盤に飛びだした「荒れた海路はキミ日和」では、身体を激しくり畳む衝動与える豪快な演奏と爆走する表情が折り重なれば、巧みに愛らしさや美メロな表情も描きだす。サビでは何百人もの観客たちが床に座り、船を漕ぐ船員になり、一斉にオールを漕ぐ様を見せる。その一体感も胸アツだ。観客たちはサビが始まるたびに床へ座り、雄叫びを上げながらオールを漕ぎ続ける。その様が最高じゃない。さぁ、そのままどんな荒波も乗り越え、宝島を目指して力いっぱい漕ぎ続けろ!

Broken By The Screamは最後に「恋は乙女の泣きどころ」を通して、この空間に絶叫と拳が突き上がり続ける景色を描きだす。激烈な演奏に合わせて叫ぶ声。途中、流鏑馬アヤメと七々扇ツバキが舞台の上で顔を見合せ絡む場面も登場。そのふたりへ、デス・ヴォイスでエールを送る野月平イオ。オーディエンスの身体が規則正しく揺れ動けば、拳が突き上がり絶叫が飛び交う。ふたりの歌姫も、愛らしくも綺麗な歌声を魅力に腕を振り上げて迫れば、野月平イオはデス・ヴォイスで場内に黒い熱風を吹かせていった。

アンコールの最初に届けたのが、ゾンビ・バンドによる"メタルメドレー"。かなりマニアックな、エクストリームでラウドなメタル・ナンバーの数々をバンド陣がインストゥルメンタル・スタイルで演奏。終盤には野月平イオが登場し、一緒にデス・ヴォイスでセッションしてゆく場面もあった。そこからライヴは、エレクトロなイントロも印象深い、エモいスクリーモ・ナンバーの「oh!my!ME・GA・MIに恋してる!」へ。七々扇ツバキと流鏑馬アヤメが歌い、野月平イオがデス・ヴォイスで絡み合う。上がりだしたこの衝動は、もう止められない。Broken By The Screamは再びこの空間を、身体を揺さぶり、熱いクラップが響き渡らせる場に塗り上げる。キャッチーなサビ歌に触れ、胸がキュンとくすぐられながらも、激圧な演奏に身体がずっと揺さぶられていた。小さな身体を奮い立てて絶叫する野月平イオ。想いをひとつに愛らしい声を届ける姿も、嬉しく瞼に焼きついた。

最後のMCでは、メンバーが以下のように語っていた。

"毎回卒業を見送っている身としては、かなり寂しいんですけど。アヤメとか,オーディションで一番最初に仲良くなったのをめっちゃ覚えてる。ずっと仲間であることには変わりないし、想い出は消えないし、私はアヤメとカグラと一緒に積み上げてきたBBTS(Broken By The Scream)を、これからも続けたいと思ってます。アヤメ、カグラ、今まで本当にありがとう"(野月平イオ)

"私はBBTSに加入して2年ということで、一緒に2年の時間を過ごしてきたんですけど、ほんとにこの2年間あっという間すぎて。加入したときに、猫被ってて、よく「真面目だね」と言われてたんですけど。メンバーみんなが温かく受け入れてくれたから、BBTSにこんなにも早く馴染めたし、ファンの人たちも温かく迎え入れてくれました。この2年間、ライヴ活動も、プライベートも思い出がいっぱいで、この先も会う予定があるから、より(卒業の)実感はないんですけど。Broken By The Screamをこの6年間積み上げてきたものや大事にしてきたものを、あとから入ってきたからこそ、もっともっと理解して、もっともっと大事にしようとすごく思ってる。この先のBroken By The Screamも、ここにいる全員を引き連れて、もっともっとおっきくしていけたらなと思っています"(七々扇ツバキ)

"私も初期メンバーですけども、メタル・グループとわかっていたけど、こんなにヤバいグループだと思わなくて、ほんとに「無理だったら、すぐ辞めちゃおう」くらいの気持ちで入ったんですけど、まさか6年間もいるとは思わなかった。ここまで続けてこれたのは、家族や、周りの大切な人たち、メンバーやスタッフさん、ファンの人たちのおかげです。みんないい人で、すごく恵まれてるなぁと思っているんですけど、毎回ファンの方に会うと、逆に元気を貰ってるなぁと思うので、今日は倍にして返そうという気で来ました。この先アイドルはやらないですけど、Broken By The Screamのオタクとしてこれから生きていきたいと思います。次のワンマンでは、みんなと同じフロアで(オールを)漕いでるかも知れない。これからのBroken By The Scream、私も楽しみなので応援してほしいし、ここまで支えてくれて本当にありがとうございました"(流鏑馬アヤメ)

最後の最後にBroken By The Screamは、ラストの大定番「夢花火」を歌唱。観客を巻き込んだシンガロングする景色が広がりだす。残り僅かな時間を惜しむように大勢の人たちが前へ押し寄せれば、メンバーと一緒に腕を振り上げ、メンバーの歌に想いを寄り添い、絶叫を上げていた。さらに、フロアの真ん中へ大きなモッシュ・サークルも誕生。誰もが全力で楽しみながら、卒業をする流鏑馬アヤメに笑顔と熱狂のエールを送っていた。"今までありがとう"の流鏑馬アヤメの声も嬉しい。Broken By The Screamが想いをひとつに届けた歌が、ずっとずっと心の中で打ち上がっていた。