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INTERVIEW

Broken By The Scream

2022.07.22UPDATE

2022年08月号掲載

Broken By The Scream

Member:野月平イオ 七々扇ツバキ 流鏑馬アヤメ 雲林院カグラ

Interviewer:吉羽 さおり

2021年末に新メンバー、七々扇ツバキが加入し新体制となったBroken By The Scream(以下:BBTS)が、ニュー・アルバム『RISE into CHAOS』をリリース。クリーン・トーンのヴォーカルふたり、そして高音&低音のスクリームふたりの構成で生み出されるラウドな曲は今回、より様々なコントラストやギャップが際立つものになった。キラッキラなポップさも、カオティックなメタルコアもが一緒になったエクストリームな曲だが、一方でキャッチーさにも磨きがかかって独自のものになっている。どんどんと自分たちのストッパーを外して己の道を驀進する、コッテコテに熱いサウンドだが、爽快感も高いアルバムだ。新体制となっての新たな挑戦について、4人に話を訊いた。

-2ndアルバム『Noisy Night Fever』(2019年リリース)以来となる、待望のニュー・アルバム『RISE into CHAOS』の完成ですね。

アヤメ:ようやく完成しました、2年半以上ぶりですね。

-2021年末にツバキさんが加入した新体制での作品にもなりますが、ツバキさんはこうして一緒に作品を作ってみていかがでしたか。

ツバキ:初めて参加したアルバムになったんですけど、レコーディングももちろん、すべてが新しい経験だったので、楽しかった気持ちもありつつ、苦戦したなという面もたくさんあって。そのぶん思いがこもったアルバムにはなっているなと思います。

-加入して約半年で作っているわけですもんね。

ツバキ:めっちゃハイスピードでしたね。

-みんなでフォローし合いながら進んできた感じですか。

アヤメ:すごかったよね。レコーディングの前日に歌詞が来ることもあるので(笑)、とにかく猛スピードで。

ツバキ:レコーディングの直前に、みんなが歌うパートが違うのに一緒に確認をしてくれたり、ライヴ前も"ここはこの音程じゃない?"というのを教えてくれたり、たくさん助けてもらっていますね。

-前作からの2年半という時間は、BBTSとしての活動はどのような感じでしたか。コロナ禍で思うように動けない部分もあったり、逆に新しくできることもあったりという時間だったと思いますが。

イオ:ライヴができないなりにいろんなことに挑戦してみていたんです。お家で動画を撮るとか。でも気持ちとしては、今段々とライヴができるようになって、すごく嬉しいし。

-ライヴがないことで、モチベーションを保つ大変さはありますか。

アヤメ:コロナ禍真っ只中の頃はやっぱりなかなか難しかったですね。ライヴが当たり前だと思っちゃっていたので。

イオ:そのぶん、今、むちゃくちゃ喜びを感じているところですね。

-ようやくライヴでも一体感を味わえるようになってきましたしね。コロナ禍や前作からの時間の中で、新たな作品への芽生えや、もっとこういう作品を作っていきたいというヴィジョンもありましたか。

アヤメ:今回は挑戦が多いですね。今までとはまた違った楽曲のテイストとか、"これ私たちが歌うんだ?"っていう曲が多いんです。今回は、挑戦しているアルバムだと思います。

-それはみんなができることが増えているからというのも大きいですか。

アヤメ:それもあるんですかね(笑)。"できるかな? やってみよう"っていうか。

イオ:いつもそうなんです。これできるの? っていうものでも、飛び込むしかなくて。でもやってみたら段々とできるようになっていって、声の幅も出るようになってという感じですかね。

-よりバンド・サウンドと一体化しているのを感じる作品ですよね。4人それぞれの個性も際立って、曲の面白さやクリーンとデスボがいる醍醐味を存分に味わえるものになっていて。またクリーンがいてデスボがいて、バンド編成じゃないけど、こんなにギター・ソロが入るんだっていうライヴでのパフォーマンス、魅せ方までも見えるようなアルバムだなと思いました。

イオ:そうですね。BBTSはアイドルですけど、ちゃんとギター・ソロがあるっていうところが、自分では結構好きですね。

アヤメ:こんな曲をやりたいっていうメンバーの思いは聞いてもらえているので。例えば、私だったら、よりわかりやすいアイドルらしさがあるものっていうことで、「ココロ、晴レ晴レ」ができて。1サビのあと、いきなりアイドルっぽくなるんですけど、そういうのをまさかMVになる曲でできるのはいいなって思いました。

イオ:私はラテン調の曲をやってみたいといってできたのが、「あの夏の蜃気楼」で。

-まさにイメージ通りの出来ですか。

イオ:そうですね。でももう1個くらい欲しいです(笑)。

ツバキ:まだ足りないんだ。

イオ:なんでかわからないけどそういうのを欲しているところですね。

カグラ:私は曲調というより、意味のわからない歌詞が欲しいなって言ったら、「メラメラセニョリータ」が面白い感じの曲になって出てきて。レコーディングも楽しかったですね。

イオ:そうやって意見を採用してもらえるので、みんなで作っていってる感じがありますね。

-アルバムの全体像としても何かイメージしたことはあったんですか。

イオ:アルバム全体まではなかったんですけど、みんなが言いたいことを言った結果、こうやってカオスになっちゃったのかもしれないですね(笑)。

アヤメ:それは間違いない。

-今回はまず曲名からも驚かせますよね。"メラメラセニョリータ"とか"キラキラスプラッシュ!!"とか、一見して爽やかなタイトルなんですけど、曲は爽やか一辺倒じゃない(笑)。

イオ:アルバムのジャケットにしてもそうですけど、タイトル詐欺みたいなところありますよね。

アヤメ:そうだね(笑)。

イオ:こんなにかわいいイラストのジャケットで、"キラキラスプラッシュ!!"とか言ってるけど──

-いかにも夏らしい曲が詰まっているのかと思いきや、違う熱さがある。

イオ:そこでびっくりしてほしいなと思いますね。

-先ほど挑戦があるということでしたが、それぞれどんなことが挑戦だったか、より重きを置いたことなどありますか。

アヤメ:私は最後の曲「ボクらの未来」ですね。クリーンから始まる曲なんですけど、これライヴどうなっちゃうんだろうなって、今そわそわしているところで。こんなにはっきりとクリーンを聴かせる曲はこれまでなかったので。そこは苦戦したところもあったけど、新しい出来事というか、挑戦でもあったなと思います。

-アルバムの最後で次への予感みたいなものも感じさせる曲ですよね。曲が来たときの第一印象はどうでしたか。

アヤメ:笑っちゃいました(笑)。一番難しいって感じたかもしれないですね。BBTSはアップテンポな曲が多いなかで、「ボクらの未来」はバラードっぽい雰囲気なので。リズムを取る、音を取るのが難しかったなと感じています。

イオ:一瞬、自分たち(イオ、カグラ)は出番がないまま終わる曲なのかなって思いましたけどね(笑)。最後の最後にガッツリとスクリームも入って、ちゃんとBBTSらしくバラードになっていて。これはいいな、楽しいなっていうのは思いましたね。

-歌詞の面ではBBTSが歩んできた道を感じさせますね。

アヤメ:たしかに。エモいんですよね。そういう曲はこれまでも何曲かあったんですけど、今回はより強く感じました。

イオ:あと「ボクらの未来」では、初めてデスボでのセリフもあるんです。それも思ったよりも優しいセリフで。

カグラ:セリフは難しかったですね。他の曲でもセリフのパートはあるんですけど、セリフって感情を乗せるのがより難しいなって思いました。