INTERVIEW
Broken By The Scream
2025.08.13UPDATE
2025年08月号掲載
Member:野月平イオ 七々扇ツバキ 御子神シズク 鷹屋敷ヤヨイ
Interviewer:吉羽 さおり
御子神シズク、鷹屋敷ヤヨイが加わって、昨年3月に現体制となったメタル系スクリーミング・アイドル、Broken By The Scream(以下:BBTS)。その後すぐに国内でのライヴの他ヨーロッパ・ツアー、フランスの夏フェスに出演し、2025年に入っても初のタイでの単独公演を行い、このインタビュー直前もヨーロッパ・ツアー"SCREAMING INFERNO Europe Tour 2025"を完走する等、国内外のステージを踏んできた4人。その鍛え上げた成果がニュー・アルバム『Solar Strain』にパッケージされた。14分超えが話題のプログレッシヴな大作「追憶のナスカ」や、これぞBBTSという高低のデスヴォイスと透明感の高いクリーン・ヴォーカルの絡みが冴えるメタルコアから、歌モノ等、今の4人の個性やグループの一体感で魅せる曲が並んだ最強の一枚。今後も大きなステージが決まっている彼女たちに、その現在地を語ってもらった。
-激ロックでは現体制となって初のインタビューとなります。昨年3月にこの体制となってから国内外でライヴを重ねてきましたが、グループの感じはどうですか。
イオ:めちゃくちゃ最高です。
ツバキ:新メンバー2人はすごく明るくて。この先不安だなと思っているときに加入してくれて、この2人のポジティヴなパワーが、より未来に向かっていけるなって思わせてくれたなと感じてます。
シズク:すごく楽しいです。
ツバキ:仲いいしね。
ヤヨイ:たしかに。
イオ:楽しいですよね。今のメンバーは毛色が違う2人なので、ガラッとイメージが変わった感じがあって。意見も積極的に言ってくれるし、BBTSのライヴの熱意もガッと上がって今すごくいい感じなんじゃないかなと思います。
-一番の違いはどんなところだと思いますか。
ツバキ:よく喋る(笑)。
イオ:パッション? 情熱をすごく感じますね。シズクはBBTSが好きって言って入ってきてくれているし、ヤヨイもね?
ツバキ:人生を賭けて入ってきてくれているので。
イオ:しかもメタル好きなので。
ヤヨイ:アイドルはあまり詳しくないけど、メタルをやれるならっていうので入ってきているので。
イオ:なのでBBTS内にメタル、ラウド好きが増えてまた勢いも出たかなって。
-そのメタル、ラウド好きのイオさん、ヤヨイさんでスクリームを担うのは最強ですね。
ヤヨイ:性格は似てないんですけど、趣味がめっちゃ似てるし、思うことや発想がわりとかぶることが多くて。私が喋ることに全部笑ってくれるのですごく嬉しい。
イオ:お互いに、"あのバンドの曲聴いた?"とか"ああいう声出してみたいよね"とか、スクリームの仕方にしてもいろいろ話せるので楽しいです。
ツバキ:よく2人が新しい技を習得しようと楽屋で練習してるのを微笑ましい気持ちで見てます(笑)。頑張れーって思いながら。
-シズクさんは、BBTSが好きっていうことで加入しているからこそのプレッシャーはありますか。
シズク:プレッシャーは特にないのかな。自分の好きなことを全力でやってるって感じですね。
-新体制となって走ってきたなかで、印象的だったライヴや、ここが変わったなと感じるライヴはありましたか。
ツバキ:2人が入ってから、2024年にはフランスでのフェス"Motocultor Festival"に出演して、初のEUツアー("Broken By The Scream EU Tour 2024")が決まって、今年はスペインの"Resurrection Fest"に出てという感じで。初のEUツアーと海外の大きなメタル・フェスに出られたことは節目だったなと思ってます。来年のドイツでのメタルフェス"Wacken Open Air"も決定したので、3年連続で海外のフェスに出られていて。規模も大きくなっているのが目に見えるのが頑張れている理由にもなるなって感じます。
-海外ではどういうお客さんが観てくれている感じですか。
イオ:老若男女、広い層が観てくれているなという印象ですね。
シズク:メタル・バンドとして観てくれている感じがありますね。もちろんアイドルとか、日本の文化が好きで私たちのライヴに来てくれる方もいるんですけど、結構メタルが好きでっていう人が多いかな。
ツバキ:メタルのジャンルとしてしっかり受け入れてもらっているなというのは感じます。
シズク:なのでモッシュとか盛り上がりもすごいですし。
ツバキ:BBTS愛を海外でも深めていきたいです。
-そんな海外でのツアーやライヴも重ねながら、ニュー・アルバム『Solar Strain』の制作も進んでいったようですが、今回はどういう作品にしたいと思いましたか。
ツバキ:3年ぶりのフル・アルバムで、この体制で初めてのリリースで。曲も今回はほぼ書きおろしの新曲で、今のこの4人のBBTSを見てもらいたい気持ちが強いアルバムですね。今までも言ってきたんですけど、BBTSらしさを詰め込んでいるし、そのなかで新しい層に知ってもらうための挑戦として、14分超えの曲もあるので、今までのBBTSらしさも見せつつ新たなチャレンジもした、いろんなものが詰まったアルバムだなと思います。
-その14分超えの大作がアルバムのラストに収録された「追憶のナスカ」で、ドラマ性に富んだインパクトのある曲ですね。
ツバキ:インパクトありすぎるよね。誰もしてないことをやろうっていうのはあったから。
ヤヨイ:そうそう。
ツバキ:他の人がやる前に私たちがやってやろうっていうのはありました。
-そこでどういうタイプの曲がいいか、メンバーでも話をしているんですか。
イオ:どういう曲をやりたいかは普段から話しているので、それを作曲者のelectro sonarさんたちが汲んでくれている感じですね。「追憶のナスカ」にも私が日頃からこれをやりたいって言っていたものが入っていて、オーケストラ系の音とかもそうなんですけど、それもしっかりと組み込まれていて、壮大で、感動しました。
-グループの歴史を紡いでいくような長尺の曲でドラマチックなサウンドだからこそ、4人の歌でどう作り上げていくか、表現していくかが大事になりそうです。
ヤヨイ:14分間あるので、私はダンスのほうが大丈夫かなっていうのはありました。歌に関しては長い曲だからデスボのニュアンスに変化を加えたりしていますね。聴いていて飽きられないように。
イオ:曲も壮大なんですけど、歌詞が乗ることでさらに気持ちが入っていくので、それぞれの決意や覚悟みたいなものがまとまって、この体制のBBTSでさぁ行くぞっていう印象がある曲で。
-"残したい 生きた証を/じゃあ何したい? どうせやるなら/世界をビビらそう"と曲の冒頭から気迫がある、強い意志が伝わる曲ですが、フレーズ的にここはグッと来たなというのはありますか。
シズク:私はサビの歌詞が一番好きです。強い思い、信念のある感じがすごく好きですね。
ヤヨイ:私は、自分のブログでも書いてるんですけど、自分が歌うパートで"目を覚ませロックスター"っていうフレーズがあって。一番私の魂が入ったかもしれない。目を覚ますんだ! 今だ! みたいな感じがすごくかっこ良くてお気に入りです。
ツバキ:ヤヨイにすごく合ってると思います。MVを出したときのコメント欄でも、"この逸材どこにいたんだ?"みたいなのがあったり。自分たちでも、デスヴォイスができてダンスもやってくれて、アイドルという仕事になりたいって思ってくれる子がなかなか見つけられなかったので。こうしてBBTSにぴったりなヤヨイが加入してくれて、コメント欄とかで"どこにいたんだ"って言われるのと、"目を覚ませロックスター"がすごくリンクする。
シズク:"ロックスター"ってこと(笑)?
ヤヨイ:(笑)目を覚ましました。
イオ:だからより魂が乗ったのかもしれない。
-ヤヨイさん自身がここで生きてますね。
ヤヨイ:生きてますね。私自身アイドルで生きていくって、大丈夫かなって不安しかなかったけど、今はもう馴染んでBBTSで生きてるので、歌詞はしっくり来てますね。
-イオさんはこれぞというフレーズはありますか。
イオ:刺さるのは自分が歌っているパートですね。無理かも......みたいなネガティヴなことを歌っているんですけど、たしかに数年前の自分を考えたらそんな感じだったなって。でも、今やらなきゃっていう歌詞になっていってるのは自分の思いにも合っているんです。あえてそういうパートを振り分けてくれたのか分からないですけど、自分的にはすごく刺さってます。
-イオさんは2017年の活動スタートからのメンバーで、BBTSの怒濤の歴史を一番体感してきているので、そこの心情は歌わなきゃいけないところでもありますよね。
イオ:そうですね、運命です。
-この曲はライヴで披露しているんですか。
シズク:これからなんです。
ツバキ:ファンの人たちもこれを本当にライヴでやってくれるのかとか、やるとしたらどういう表現になるんだろうとか、楽器隊の演奏も多いから14分間うちらがずっとステージにいるのかとか、みんな想像してくれてます。
イオ:ライヴでやるならショート・バージョンかな? とか、いやそれはもう「追憶のナスカ」じゃないとかね。めっちゃ面白い考察がいっぱい上がってます。