INTERVIEW
Broken By The Scream
2019.10.08UPDATE
2019年10月号掲載
Member:野月平イオ 熊埜御堂ヤエ 雲林院カグラ 流鏑馬アヤメ
Interviewer:吉羽 さおり
メタル系スクリーミング・アイドル Broken By The Scream(以下:BBTS)が、前作から1年ぶりとなる2ndアルバム『Noisy Night Fever』をリリースした。前作リリース以降、海外でのライヴや自身初となるワンマン・ツアーを経て、さらにタフになった4人。高音スクリーム(雲林院カグラ)と低音グロウル(野月平イオ)のふたりと、クリーン・パートでキャッチーな美メロを紡ぐ、熊埜御堂ヤエと流鏑馬アヤメ、それぞれの役割がライヴを通して再構築され、イオいわく"アイドル・シーンから見てもラウド・シーンから見ても異色"の存在を確立してきた。超絶なブラストビートが効いたメタルコアでスクリームを極めた曲から、クリーンの歌メロ・パート中心でエモーショナルに響かせる曲まで、ジェットコースター的な1ダースの曲が詰まっている。
-8月から9月にかけて初のアメリカでのライヴ("Saboten Con")も終えましたが、ライヴのほうはどうでしたか?
イオ:本当に初めてだったので、まず、どのくらいの人がBBTSのことを知ってくれているのかなという感じだったんですけど、たくさんの人が来てくれて嬉しかったですね。すごく盛り上がって、声を出して発狂してくれる感じで(笑)。
ヤエ:初めての土地なのに、ステージに出てくる前からだいぶ声が聞こえてきてたよね。アメリカは広いので、ここでやるよって言っても、どのくらいの人が来てくれるのか予想がつかなくて。始まる前に不安を抱えて待っていたらお客さんの声が聞こえてきたので、本当にファンの方たちに助けられました。
-そのライヴの前は、しばらくライヴ活動はお休みしていたんですよね。そのぶん、だいぶエネルギーを蓄えていった感じですか。
イオ:そうです。めちゃライヴやりたい! っていう状態で行きました(笑)。
-1年ぶりの登場となるので、改めて1stアルバム『AN ALIEN'S PORTRAIT』(2018年リリース)からの1年を振り返ってみたいのですが、アルバムのリリース以降は主にどんな活動があって、BBTSとしてはどんなことに重きを置いて活動をしていた感じでしたか?
ヤエ:本当にこの1年は、長かったよね。
イオ:いろんなことがあった。
アヤメ:まず、今年4月に東名阪ツアー"HEAVEN SHALL BURNING BODY"を回って。
イオ:連続で、しかもワンマンで回る(※初日3月29日は対バン・イベント)ことがBBTSは初めてで。
ヤエ:だから全然、体力の配分がわからなかったんですよね。常に全力でやりきっていた感じで。1日目が終わって"はい~"ってなって、すぐ2日目が来て、"今日もワンマンだ!"っていう感じで、一日一日絞り出してました。とにかくすべてを全力でやっていたけど、すごく楽しかった記憶がありますね。
アヤメ:そのあとに追加公演で台湾でのワンマンもあって。初めて海外でもワンマンをやることができたんです。
カグラ:ワンマンでいろんな場所に行って、BBTSの音楽を伝えることができたのはすごくよかったなって思ってます。
-課題が生まれたり、BBTSはもっとこういうものを見せられるなっていう発見があったりしましたか?
ヤエ:そうですね。アルバム『AN ALIEN'S PORTRAIT』は初めての挑戦をふんだんに盛り込んだ作品だったので、最初のワンマンよりも表現する曲が難しくなっているし、BBTSの曲のいいところをたくさん持ってツアーに挑むという新たな挑戦もあって。ライヴに向けて歌の技術やダンスも頑張ったんです。だから、ワンマンを終えて成長した感じがありましたね。ツアー中は精一杯走っていたのでわからなかったんですけど、終わってみてふと振り返ってみたときに成長したなという部分が見えてきました。
イオ:しかも国内のツアーのあとには、台湾だったり、韓国、アメリカだったりと海外でのライヴも増えていったんですよね。
ヤエ:海外でのライヴは、2018年末の台湾でのライヴ("搖滾臺中 ROCK IN TAICHUNG")が初めてだったんですけど、そこからこんなにぽんぽんと海外のライヴが決まってくるとは思っていなかったので。日本だけじゃなくて、海外でもBBTSの音楽を求めてくれる人がいるんだなっていうのを感じて。求めてくれる人や好きだっていう人がるからこそ、私たちもそこに行けるんですよね。そういう声を貰って直線届けにいくことができたし、今年はたくさんの人に会いにいっているなという感じがして嬉しいです。
-そのくらいアルバム『AN ALIEN'S PORTRAIT』リリース後の反響は大きかったんですね。
イオ:そうですね。アルバムとか、MVを出すと、海外の人がリアクション動画とかを出してくれたりするんです(笑)。うちらのMVを流しながら、"何これ!?"みたいな感じのリアクションを撮って上げてくれているんですよね。やっぱり海外でもまだ、BBTSのような斬新な音楽っていうのはないと思うので、そうやって知ってもらって、いろんなバンドさんとかからも、対バンで誘ってもらえたりするのは嬉しいです。
-対バンでのライヴも幅広くなってきたと思いますが、対バン相手がバンドとなると、BBTSとして見せ方に変化はありますか?
イオ:気合は一緒なんですけど、見せ方がそのライヴごとに違うかもしれないです。バンドとやるときは、BBTSもバンド・セットでやることが多いですし。
ヤエ:初めて共演するバンドさんにも、"ライヴ良かったよ"って声を掛けてもらえると嬉しいですね。そのときや場所によって、お客さんの熱量やノリ方も違ってくるので。もちろん私たちのことに興味ない人もたくさんいると思うので、そこをどうしたら引き込めるんだろうっていうのは考えていますね。
イオ:どういう流れにしたらいいかっていう選曲についても考えます。『AN ALIEN'S PORTRAIT』が、振り幅があるアルバムだったので、バンドとの対バンだとインパクトのある「Do・Do・N・Pa!!」で、攻撃的な感じでいったり、逆にアイドルとのライヴのときは、キャッチーなわかりやすい曲を入れたり、お客さんと絡んでみたり(笑)。
-そうした充実した時間を過ごしての、今回の2ndアルバム『Noisy Night Fever』ですが、今回もまたかなりエクストリームな、すごいことになっていますよね。
ヤエ:はい、色えんぴつみたいな幅広さにもなってます。
-メロディとスクリームとのコントラストもよりあって、サウンドの圧もかなり上がっている気がします。それでも負けないような歌、表現力があって、それぞれの曲のキャラクターが強くなったなと。
イオ:嬉しいです。
-さっき言っていたライヴでちゃんと培ってきたものが乗っかっているんだなと思いますが、曲を貰ったときに、自分たちで解釈していく、飲み込んでいく速度も上がっているんですか?
ヤエ:私自身ライヴが好きなので、ライヴでやったらどんなふうになるんだろうって、まず曲を聴いて想像しますね。この音楽がステージで演奏されたら、フロアはどうなるだろうっていうことを考えます。
-アルバムとしては何かテーマを設けていたんですか?
ヤエ:特に何かテーマというのはなかったんです。いろんなものを詰め込んだ感じで。
アヤメ:強いて言うなら、"今私たちがやりたいことを詰め込んだアルバム"ですね。あとは、今回はクリーン・パートがすごく多い曲や、バラードとか、デス・ヴォイス・オンリーの曲とか、分かれていて。
-それぞれでハードルを高く上げて臨んだという感じですね。最初に録った曲というとどのあたりですか。
カグラ:「∞ハートビート」かな。
イオ:これはすごく前に録っているんですよね。
ヤエ:本当はもっともっと早く出す予定だった曲なんです。めっちゃいい曲で、すごく聴きやすくてポップでかわいい曲ですね。
イオ:クリーンとデス・ヴォイスの割合が一緒くらいの曲かも。
ヤエ:サビに疾走感もあっていいんですよね。
-こういう曲こそ、ノリというものが必要で。ライヴで培ったものが反映されそうですよね。
イオ:そうですね。「∞ハートビート」は歌詞が面白くて。私が好きな"最強"っていうワードがあるとか。そこはめっちゃ主張して歌ってます。
ヤエ:レコーディングでも、この曲は楽しんで歌ったことしか覚えてない(笑)。だから、やっと音源にして出せるなっていう思いがありますね。