INTERVIEW
Broken By The Scream
2022.07.22UPDATE
2022年08月号掲載
Member:野月平イオ 七々扇ツバキ 流鏑馬アヤメ 雲林院カグラ
Interviewer:吉羽 さおり
最強のメンバーが入ってくれて、最強のアルバムができて、これはいけるという自信がある
-カグラさんは今回の挑戦や、制作で印象に残ってる曲はありますか。
カグラ:大変だったのは、「メラメラセニョリータ」でした。激しくて複雑な構成の曲なので、そのぶんデス・ヴォイスも多くて。大変だった印象ですけど、サビとかセリフのかわいさとのギャップが目立つんじゃないかなって一番思えた曲でしたね。
-アッパーで、ポップで、とことんラウド。その全部に振れている曲ですよね。特にデス・ヴォイス、スクリームでは表現力や武器を増やしている印象ですが、こういう曲ってレコーディングでどうやってテンションを高めていくんですか。
イオ:どうしてる?
カグラ:レコーディングのときのいおりん(イオ)の姿は見てないんですけど、ノリノリでやったりとかしてるの?
イオ:結構、緊張してる。
カグラ:ほんとに?
イオ:声を出す瞬間まで緊張してるかな。
カグラ:じゃあ私は結構違うかもしれない。曲を流しながらノっていって、よし行くぞ! っていう感じでレコーディングしているので。
-イオさんは逆にぐっと集中をしてという。
イオ:そうですね。すんってしてますね。
-それでいきなりあのテンションが出るんですね。
イオ:あぁ、たしかに(笑)。脳内で何か世界観を作っていたりするんですかね。私、映画とかでバトル系のものが好きなんですけど、自分の頭の中でその曲のMVみたいなものを勝手に作って、こういうイメージでいこうって自分で盛り上がっているので、その感じでいってるのかもしれないです。
-イオさんはどの曲が印象深いですか。
イオ:BBTSの曲は、疾走している曲が多いイメージなんですけど、「Hang in there」はミドル・テンポで始まって。デモを聴いたときすごく印象的でしたね。こういう感じは初めてかもなと。途中の、カグラの長めのホイッスル・ヴォイスとかすげぇなって思うし。
カグラ:嬉しい。
イオ:アイドルでこれができる人はいないんじゃないかなって思いますね。早くみんなこれを聴いて衝撃を受けてほしいです。あとは「TOKYO RIDE」とかも和のテイストがあって、それもスタイリッシュな和の感じで、爽快感があって好きですね。
-ツバキさんはどうですか、
ツバキ:すべての曲に、いろんな思い入れがあるんですけど、「感情クロスカウンター」とかは私が参加した最初の曲で、レコーディング自体もここから始めたので、思い入れも強いですね。あとこれは裏話みたいな感じですけど、「セツナフープ」は、実はオーディションで使われていた曲だったんです。なのでレコーディングは最初じゃなかったけど、実は最初に覚えた曲で。受かるために必死だった当時の気持ちが──内容はそういう曲じゃないんですけど、自分の感情みたいなものが思い出されたりするし。それぞれの思い入れがあるので、これっていうよりは、全部ですね。
-ずいぶんと難しい曲がオーディションの課題曲だったんですね。
イオ:むずくね(笑)? 難しいよね、この曲。
ツバキ:私も意外でした。他の曲とかが課題曲なんだろうなって思っていたんですけど、まさかまさかの「セツナフープ」で。
-そもそものところで、ツバキさんは、BBTSに入りたいってなったのは何がきっかけですか。
ツバキ:もともとアイドルが好きで。王道のかわいらしいアイドルさんももちろん好きなんですけど、どちらかというとライヴ・パフォーマンスに力を入れていて、かっこいい楽曲をやってるアイドルが好きだったんです。それで私もアイドルをやりたいなと思ったときに、かわいい王道系よりもかっこいいのをやりたい! って思っていて。オーディションを探しているうちに見つけたのがBBTSだったんです。グループのことは前から知っていたので、どういう楽曲をやっているかも知ってはいて、"この楽曲できたら私の望み通りの人生が送れる!"って(笑)。
イオ:すごい。
ツバキ:でも、知っていたからこそ受かる自信もなくて。オーディションを受けているうちに、絶対にこの曲をパフォーマンスできるようになりたいって強く思うようになりましたね。
-実際にツバキさんが加入しての変化っていうのはありますか。
アヤメ:もともとこの3人がこぢんまりじゃないけど──
-ステージはおいて置いて、普段はわりと控えめなところありますよね(笑)。
アヤメ:そんな感じなんですが(笑)。最初の顔合わせのときから元気というかパワフルで、他の3人とはまた違ってとにかくポジティヴなんですよね。まさに、こういう子を求めてたって感じだったんです。おかげでこうやってアルバムまでリリースできて。
イオ:それだけ熱意もあったしね。
カグラ:うんうん。
-加入に至るまでは、3人はこの先どうなるのか、ここから進んでいけるのかなっていう不安なども感じていたんですか。
イオ:もちろんありました。そもそも応募が来るのかなっていうのもあったんですよね。
アヤメ:入ってくる子によっては、もし合わなかったらどうしようとか。私たちとモチベーションが違ったら難しいと思うんですが、そこがビシッと合っているので、不安はあったんですけど、良かったなって思いますね。
-この加入前後は、グループの歩みの中でどういうタイミングだったんでしょう。これから行こうっていうところでのちょっとしたブレーキになっていたのかとか。
カグラ:そういうところでしたね。
アヤメ:今までもずっと走り続けてはきたんですけど、よりもっと成長したいなというときにあった出来事だったので。より不安でもあったんです。
-では特にこの1年くらいは気持ち的にもジェットコースター的な感じですかね。
イオ:そうですね。でもBBTSに入ってからは永遠にジェットコースターな気がしてます。それがここ1年はさらにスリルの増したジェットコースターでしたね。でも、最強のメンバーが入ってくれて、最強のアルバムができたしで。これはいけるという自信がありますね。
アヤメ:新体制になってからはずっとエンジン全開です。
ツバキ:私が加入して、ライヴ本数も一気に増えたと言っていたので。
-新たなメンバーも入ると、互いに負けてられないなっていうのも出てきそうですね。そういうところで、自分のスキルを磨く時間もあったんですか。
イオ:そうですね......でもスクリームに関しては趣味みたいなところもあるんですよね。こういう声出してみたら面白いだろうなとかを、ライヴとかでちょこちょこやっていたりして。ライヴで練習しちゃってるみたいなところがあるんですけど。
-ライヴでいきなりやっちゃうんですか。
イオ:いきなりやってますね(笑)。
アヤメ:びっくりしますよ。
イオ:ライヴ後にSNSを見て、お客さんがその部分を拾ってくれていたりすると嬉しいなっていうか。
-インプットの方法というのは。
イオ:海外のバンドとか動画とかを観て、こんな人いるんだなとか衝撃を受けたりして。これはぜひとも自分でも出してみたいとかがあって。
-スクリームやデス・ヴォイス、グロウルなど基本的には男性がやっていることが多いじゃないですか。女性の声でどこまで表現できるかというのもあるんですか。
イオ:私はあまり、女性らしさみたいなものを残したくないんです。カグラが高いので、自分はとことん低いところをやってみたいというか。聴いてもらった人に女だと思われないくらいを極めたいなというのがあるんです。
カグラ:音源を聴いたときは、女性だと思われてないことも結構あるんじゃないかな。
イオ:それが正解かなって思います。それがこだわりというか。
-カグラさんは、どんなふうに自分の武器を増やしていく感じですか。
カグラ:いろんな人の音楽を聴いて、吸収したり。あとは家で声出しをしたりとかもして、肺活量を鍛えたりはしてますね。
イオ:カグラあれ買ってたよね?
カグラ:家で大声出しても吸収してくれるようなものがあるんですけど。
イオ:本格的だよね。ちゃんと練習してる。
カグラ:デス・ヴォイスの練習はもちろん大事なんですけど、やっぱりデス・ヴォイスって肺活量を使うから。肺活量を鍛えるためには普通の声を出し続けるでもいいから、それを使ってやったりしていますね。今回のアルバムでは、特にそういう成果が出せたかなって思ってます。
-クリーンとスクリーム、デス・ヴォイスのコントラストっていうものがより鮮明になっていますよね。新たに曲が来るときにも、どんどんハードルが上がってるなというのもあるんですか。
アヤメ:めっちゃ上がってるよね。リズムもどんどん速くなっていたり、逆にすごく複雑だったり。音程にしてもそうですけど、毎回どんどんハードルが上がっている感じがあります。
カグラ:難易度が高くなってるんですよね。
-それでいてキャッチーさが出ているというのが面白い。
アヤメ:そうですね。例えばクリーンでは、デス・ヴォイスのふたりがバチバチなぶん、アイドル感を出すようにというか、出ているんですよね。このふたり(アヤメ、ツバキ)は根っからアイドルが好きっていうのが強いので。デスボふたりとは全然違った、アイドル要素やポップが強く出たほうが、違いが出てBBTSらしいかなっていうのはありますね。
イオ:そのギャップがあればあるほど、面白くなっているんですよね。
-どんどんライヴでもカロリーを使いそうな曲が増えていますが、だからこそライヴがまた楽しみでもあります。
アヤメ:今、振り入れをやっている最中なんですけど、すでにちょっと怖いもんね。これにプラス歌があるのかって。でもできたらかっこいい。
ツバキ:めっちゃかっこいいと思う。
アヤメ:「メラメラセニョリータ」とかは一番BBTSらしさが出せるというか、ギャップがすごくある曲なので。そこがしっかりと伝わるようにできたらなっていうのは思っていますね。
カグラ:だからこそ、一緒にお客さんと楽しみたい曲でもあって。
アヤメ:振りもキャッチーで真似できるところが多いと思うので。「ココロ、晴レ晴レ」もそうですね。今回は結構、そういう曲が多いかもしれないです。
-ステージもフロアも、BBTSのカオスを感じることができそうなアルバムでもありますし、振り幅も広いのでどんどん新しいところにも届いていきそうですね。
アヤメ:今回は、徳間ジャパンさんからのリリースでもあるので。これまでやったことないことにもいろいろ挑戦して、またファンの方をびっくりさせたいですね。あとはコロナ禍でなかなか行けなかったので、早く海外でのライヴも行きたいですね。
ツバキ:段々とライヴでの制限も緩和されつつあるこのタイミングで、新体制になってアルバムも出して。振り幅もある内容で、振付も一緒にできる曲が多いし。こうしたインタビューとかも私が入った当初よりも増えてきているので、より駆け抜けるというか、駆け上がってるなって実感していますね。もっと上を目指していきたいです。
-新たなメンバーが持つ初心の思いが加わることで、グループの一体感やグルーヴ感も変わりそうですね。
ツバキ:私は常に覚えることがあって、走っても走っても追いつかない感覚もあるんですけど、全部が新しくて楽しいので"つらいな、大変だな"っていう気持ちはほぼないんです。
アヤメ:思った以上に安心じゃないですけど──なんて言ったらいいんだろうな、ピンときてる?
カグラ:うん、ピースがハマった的なね。
アヤメ:そうそう。不安だったからこそ余計にそれは感じているので。3人のモチベーションがより上がった気がする。
イオ:4人の声のバランスもすごくいいんですよね。
カグラ:一緒に頑張りたいってより強く思えるようになったなと思ってます。