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INTERVIEW

The Number Zero × Kuboty

2024.06.11UPDATE

2024年06月号掲載

The Number Zero × Kuboty

2018年、東京にてInger(ex-SALTY DOG)、Tyra(Conception Complex)、Kの3人で結成されたエレクトロ・メタル・バンド、The Number Zero。2023年7月にリリースしたデジタル・シングル「Reclaim the World」では、サウンド・プロデューサーにKubotyを迎え、流麗なメロディとヘヴィネスに磨きを掛けつつ、フロアライクな爆発力と求心力を手中に収めてみせた。確かな感触を掴んだバンドは、今年5月から7月にかけて3ヶ月連続リリースを敢行。今までサポート・ドラマーだったREIJIが正式メンバーとして加入し、7月14日には主催イベント"The Number Zero presents ZEROFEST2024"の開催を控える。6月にリリースしたシングル「I Said What I Said」にて再びタッグを組むKubotyとともに、制作の裏側やバンドの現状について語ってもらった。

The Number Zero:Inger(Vo) Tyra(Gt) K(Mani) REIJI(Dr)
Kuboty
Interviewer:サイトウ マサヒロ Photographer:Tomo Sodeyama (SODEPHOTO)

-The Number Zeroは、昨年7月にリリースされたシングル「Reclaim the World」で、初めてKubotyさんとタッグを組みましたが、それ以前からREIJIさんとKubotyさんは交友があったんですよね。

Kuboty:交友があったどころの話じゃないですね。もう20年以上前、大学生のときにREIJIさんがかつて所属していたdustboxの「Promise you」を、渋谷のタワレコの試聴機で聴いたんです。それがあまりにもいい曲で泣けてきて。CDに書いてあった事務所の電話番号に直接連絡して、当時やってたバンドの企画に出演してもらったのが始まりでした。それからもdustboxのライヴは定期的に観に行ってたし、TOTALFATを大きなシーンに引っ張り上げてくれたのも彼らの力が大きかったと思います。

REIJI:Kubotyは、チャラチャラしてるけど毎回ライヴに来てくれるいいやつってイメージでした(笑)。

-The Number Zeroのメンバーとのファーストコンタクトは、Kubotyさんが手掛けるアパレル・ブランド"Shredders Society"のポップアップ・ストアに、みなさんが遊びに行った際とのことで。

Tyra:大きなイベントで一方的に見てた人なので、オーラがあってなかなか話し掛けられなかったですね。演奏技術はもちろん、パフォーマンスもすごいギタリストだと思っていて。

Inger:SALTY DOGではTOTALFATと同じ年(2015年)に"サマソニ(SUMMER SONIC 2015)"に出てたんですけれど、こうして一緒にやることになるとは思ってなかったです。

REIJI:速弾きもしまくるし、ステージ衣装も派手だったもんね。Kubotyいわく、地元にヤンキーが多くて外に出るとカツアゲされるから、家にこもってギターを弾き続けた結果として磨き上げられた美意識らしいけど。

Kuboty:僕の地元は松戸の奥地で、あんまり治安の良くない魔境なんですよ(笑)。昔はどこもそうだったじゃないですか。

REIJI:俺は越谷が地元だけど、ヤンキーがそのままバンドマンになる町だった。

Kuboty:みなさんの地元は?

Tyra:俺は栃木です。

K:僕は長野で。

Kuboty:Ingerさんは?

Inger:私はノルウェーのリレストレム。ライヴハウスはなかった(笑)。

-三段オチみたいな(笑)。みなさんにとって憧れの存在でもあったKubotyさんにプロデュースを依頼したのは、どういった狙いだったのでしょう?

K:The Number Zeroとして、メタルやラウドロックとエレクトロを織り交ぜた楽曲を作り続けてきたんですけれど、そこに新しい風を吹かせたいなと思っていて。その方法を模索していたときに、REIJI君の発案でプロデュースを依頼させていただくことになりました。

-数々のプロデュース・ワークを手掛けるKubotyさんとしても、The Number Zeroのようなモダンでヘヴィなバンドとの仕事って実は珍しいですよね。

Kuboty:そうですね。最近は邦楽ロック系のアーティストと一緒にやることが多いので、こういった洋楽テイストでチューニングが低い曲をやらせてもらえるのは、ナンゼロ(The Number Zero)さんぐらいです。

-Kubotyさんから見たThe Number Zeroの強みや魅力はどういった点ですか?

Kuboty:とにかくアレンジがすごく緻密ですよね。デモを貰っても、"これ、俺がやることある?"って感じで。音もめちゃくちゃいいし。あれは家で録ってるの?

Tyra:全部自宅で録ってます。

Kuboty:今って、できる人が作っちゃえば、スタジオにわざわざ行く意味ないんじゃないかというクオリティで録れちゃうんですよね。俺、"今回は楽な仕事かもな......"って思っちゃったし(笑)。でもどんなにデモ段階で完成されてても、第三者の目線が加わるって大事なんですよ。レコーディングに集中していると、外から俯瞰するのが難しくなっていく。そういうときに、音楽的な目線はもちろん、メンタル面や制作進行において適切なポイントを押さえて、アドバイスをしてくれる人がいるかどうかは大きくて。そういう意味では僕もそこそこいい働きができてると思います。

K:たしかに、Kubotyさんとのレコーディングはとてもやりやすいです。

Kuboty:よっぽどのミスがない限り、できるだけテイクを重ねさせないんで。ドラマーに10回叩かせても、そこからどうやって選ぶの? っていう。できれば1テイクで決めたいし、3テイクあったら十分です。だいたい最初のテイクが一番いいし。



REIJI:その通りだね。疲れて音も変わっちゃうし。

Tyra:Kubotyさんはスムーズにパパッと録ってくれるし、レコーディングが進むのも早くて。僕は何回か録らないとちょっと不安なんですけど、OKが貰えると自信にも繋がりますし。楽しくやらせてもらってます。

Kuboty:完璧に弾こうと意気込んでバチバチにまとめようとすればするほど、きれいになりすぎてなんの面白みもなくなっちゃうから。ある程度余白を残して、なんならちょっとミスったぐらいのほうが、引っ掛かりが生まれて良かったりする。それがレコーディングの面白さなので。

K:さらに、Kubotyさんが熱い言葉を掛けてくれるんですよ。"いいね、今の!"みたいな。それで僕らもテンションが上がって。

Kuboty:盛り上げ屋です(笑)。基本的に、プレイに関しては細かく口を挟まないですね。ヴォーカルもギターもベースもドラムも、その人の良さが出ればいいと思ってるので。みんなももういい歳だし、演奏もしっかりしてますから。上手な人とレコーディングするのは本当に楽しいですよ。こっちも気持ちが上がるし。そういう意味で、ナンゼロさんには助けられてます。

-「Reclaim the World」は、メロディアスでアグレッシヴなThe Number Zeroらしさはそのままに、よりフロアの反応が目に浮かびやすい仕上がりが印象的でした。

Kuboty:ライヴで初見のお客さんでも最初から最後まで楽しめること、一発で曲を理解してもらえることは常に意識してます。曲が中だるみするのとかめっちゃ嫌いで。だから、アレンジ段階で2番をがっつりカットしたり。

Tyra:1分以上カットされましたね。でもそれですごく良くなって。

Kuboty:今はどこのディレクターも3分15秒くらいを目指せって言いますからね。ヴァイラル・ヒットしてる楽曲でも、短いと2分くらいだったりする。ライヴ・バンドも、対バンで多くのリスナーを巻き込むには、飽きさせない楽曲でドンドン違う色を出していくのが重要で。ましてやThe Number Zeroは音数が多いバンドだから、長いと情報量が増えすぎちゃう。展開もA→B→サビじゃないことをやりすぎちゃうと、初見で理解できなくなっちゃうんですよ。だからフラットな目線で、"ここにシンガロングが来たらいいな"、"ここに突き抜けるメロディが来たらいいな"みたいなことをイメージしながら、一発で覚えてもらえるキャッチーなものを求めて制作してます。

REIJI:俺はずっとサポート・メンバーとしてこのバンドに携わってきて、曲はカッコいいけど何か物足りないと思ってたんですよ。でも実はKubotyの言う通り、物足りないんじゃなくてむしろ多かったんですよね。それを削ってシンプルにしたら、さらにカッコ良くなった。俺からは伝え切れなかったことを、Kubotyがビシッとやってくれたんです。

Tyra:僕自身、The Number Zeroのデモを聴いてても、"もう1回聴きたい!"と思えてはなかった。でもKubotyさんが洗練してくれたことによって、リピートしたいと感じるようになりました。しかもKubotyさんは心優しくて、"このリフ、削っちゃうけど......"って気を使ってくださる(笑)。