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INTERVIEW

"50+1 New Year Rock Festival 2023-2024"

2023.12.15UPDATE

2023年12月号掲載

"50+1 New Year Rock Festival 2023-2024"

12月31日、渋谷ストリームホールにて"50+1 New Year Rock Festival 2023-2024"が開催されることが発表された。1973年に内田裕也がスタートした、日本が世界に誇る最長寿年越しロック・イベント"New Year Rock Festival(以下:NYRF)"。内田裕也亡きあと、HIRØ(カイキゲッショク/湾岸の羊~Sheep living on the edge~)がプロデューサーに就任し、コロナ禍によって無観客配信ライヴを余儀なくされた2年間を経て、昨年末は記念すべき50回目"50th New Year Rock Festival 2022-2023"を有観客で開催。そんなこれまでの歴史を踏襲しつつ、新たなる歴史を創り上げていくべく開催される今年の"NYRF"について、プロデューサー兼出演者であるHIRØと、彼の呼び掛けによって集まったコプロデューサーのZeebra(カイキゲッショク/キングギドラ)、そしてすでに出演が発表されているJ-REXXX、瓜田純士(瓜田夫婦)、呂布カルマという豪華すぎるメンバーに話を訊いた。


"NYRF"というレガシーは俺がいなくなったあとも後世まで続けていってほしい(HIRØ)


Producer:HIRØ(カイキゲッショク/湾岸の羊~Sheep living on the edge~)
Co-producer:Zeebra(カイキゲッショク/キングギドラ)
J-REXXX
瓜田純士(瓜田夫婦)
呂布カルマ
Interviewer:フジジュン Photographer:Kanda Yukiya

-12月31日に"50+1 New Year Rock Festival 2023-2024"が開催されることが発表されました。

HIRØ:まず最初に、今年も"NYRF"にご参加いただいて本当にありがとうございます。約3年間のコロナ禍を越えて、去年やっと有観客で50周年を迎えることができて、本当に感謝しています。ここにいるみんなとは3年間、一緒に作ってきた感がすごく強いので。今年、"51"でなく"50+1"と踏んだのは、このメンバーで遠慮せずにガツンとやってもらいたいなという気持ちもありますので、今年もよろしくお願いします。あと、本日(11月17日)は裕也さんの誕生日なんですよ。だから誕生日に開催の情報解禁とチケット発売を合わせたんです。9月2日はジョー山中さんの誕生日で、いつも鎌倉のお墓に行って手を合わせていて、その時期はまだ開催があやふやだったので、"今年「NYRF」、どうしたらいいですか?"って聞いたら、"好きなようにやれよ"と優しく背中を押してくれた気がしたんですが、今日はすでに開催が決まってるので、さっき裕也さんのお墓に行って、ギアを2段くらい上げてもらってきました。

-開催のご報告をしたら、裕也さんはなんとおっしゃってました?

HIRØ:"そうか、頑張れよ"って笑ってくれました。"でも、楽なことばっかりじゃねぇぞ!"って。2年前に行ったときは大雨のなかお墓で転倒して腰椎圧迫骨折しちゃって。

Zeebra:危うく連れていかれそうになったんじゃない(笑)?

瓜田:あはは。ヤクザの親分でも先代のお墓参りにそんなに行かないんだから、ロッカーでこんなに義理堅い人は珍しいですよ。

HIRØ:いや、俺にとっては神頼みみたいなもんだから(笑)。

-ロックの神様に手を合わせに行くわけですからね。去年、HIRØさんが50回目となる"NYRF"の開催を決めたとき、"50周年で終わるか終わらないかは、50回目をやってみて答えが出る"とおっしゃってたんですが(※2022年12月号掲載)、まずは50回目を終えて、"50+1"を開催するという答えを出した理由を聞かせてください。

HIRØ:ガチな話していいですか? 50周年の最後にZeebraがステージでトリをやって、エンディングのときに"とにかくやったぞ!"という達成感があって、正直"もういいかな?"って気持ちがどこかにあったんですよ。そしたら、Zeebraがステージから"みなさん! 来年も"と言い出して(笑)。俺が即答せずに"いや、家族が......"って言ったんです。コロナ禍ってのもあったんですけど、この3年で結果4~5,000万の赤字ですよ。家族の支えも当然あったし、眠れない夜や超多忙な日々、車売ったり家を抵当に入れたり(笑)、裕也さんも"ロックだなぁ"って言ってますよ(笑)。そしたら Zeebraが"お、家族発見!"って嫁(AI)を見つけて。"来年もいいですよね? やりましょうよ!"って聞いたんですけど、嫁が両手で大きくバツを出したんです。それなのに、彼が"ご家族もいいって言ってます!"って大声で言って(笑)。

-捏造があったと(笑)。開催のきっかけを作ったのはZeebraさんだったんですね。

HIRØ:あとは今年、鮎川 誠(シーナ&ロケッツ/Vo/Gt)さんが亡くなって、僕もお別れ会に参列したんですけど、帰りに僕より早い時間に来ていたZeebraから電話があって、かなり酔ってたと思うんですけど、彼が"HIRØ君、ダメだよ! やんなきゃダメだよ!"って泣いてて。日本のヒップホップを創ってきたZeebraが"HIRØ君が誘ってくれて、「NYRF」に参加することで俺の中でのロックの扉を開けてくれたんだから! やんなきゃダメだよ! 今年は金なら俺が出すから!"とまで言ってくれて。

Zeebra:俺、金出すなんて言った? それは捏造じゃない?

-やめてください、HIRØさんまで捏造したら、何が本当かわからなくなります(笑)!

HIRØ:忘れてるんだ? 信じられない! まぁでも熱くなりました。消えかけていた灯が再燃しました。

-渋谷ストリームホールでの開催、そして第1弾として発表されたラインナップと、現段階で解禁されている情報を見るだけでも"NYRF"の新たな時代の始まりを感じますが、開催を発表してのお気持ちはいかがですか?

Zeebra:僕も"NYRF"に関わらせていただいて、すごく貴重な体験を何度もさせてもらったし、唯一無二の方々っていっぱいいらっしゃると思うんですけど、"NYRF"は唯一無二にもほどがある人たちの集まりで(笑)。僕たちって、世間で言う普通の枠からは確実に外れて生きてきちゃって、必死にもがいて自分の居場所を探して、今の自分がいるみたいなところがすごくあると思うんですけど、外れていくときって誰でもすごく不安なんです。そのときは気にしないふりをしているんですけど、外れていくことってやっぱり不安じゃないですか? それが"NYRF"の先輩たちを見ていると、"こんなとんでもない先輩たちがいっぱいいたんだ!"と思わされるし、"自分のやりたいことや信念を曲げないから外れてるだけであって、自分を曲げなくていいんだ"と思わせてくれるし。日本って、もっとカッチリした印象があって、テレビでも自主規制みたいなものがどうしてもありますけど、もうそういう次元の遥か斜め上を生きてる方々だったんで。"NYRF"で出会えた先輩方は存在として、今の自分を作ってくれた人たちだったし、背中を押してくれた人たちでもあって、僕は一生ここにいたいと思ってたんですけど、大先輩なので先にお逝きになられてしまって。

-世代交代せざるを得ない状況になってしまった。

Zeebra:そう。だんだんメンバーが減ってきたとき、HIRØ君に"どうする?"っていう話はちょいちょいしていて。怒られちゃうかもしれないですけど、実は裕也さんがご存命のときから"もう継いじゃってもいいんじゃないか?"と言ったこともあったんです。"それくらい改革して、新しいアーティストを入れていきながら、先輩方もちゃんといるっていう「NYRF」でもいいんじゃないか?"と言ったこともあったし、裕也さんが亡くなったあとは"50回まではやるべきだ"とも言わせてもらったし。そこで去年、HIRØ君が必死の思いで50回目を開催して、なんとか形にしてくれたのは十分わかりまくってたんですが、自分の出番の前にちょっと時間が空いたんで、エア・マットレスを持っていって裏で2時間ほど仮眠をさせてもらって、自分のライヴの手前に完全にスッキリして出て行ったら、"今日のイベント最高じゃん、もう一回やろう!"と思って、つい"来年も"と言っちゃったというのが真実です(笑)。

-わはは。でもその言葉がなかったら、今年の開催はなかったかもしれないです。

Zeebra:やっぱり、続いていくものって大切だなと思って。こんなに長く続いてるフェスが日本にあるなら、裕也さんたちが持ってたスピリットを完全に持っているHIRØ君が受け継いで、HIRØ君が裕也さんだったらピックアップするであろう若い世代に賭けてやっていくことが一番大切だと思うし、そうやって続いていけば、さらなる次の世代に繋いでいけるかもしれないし。

HIRØ:それは本当にそうで。ロックって年齢も国籍も関係ないですけど、俺も今55歳で、どこかで世代交代していかなきゃいけないと思っているし、"NYRF"というレガシーは俺がいなくなったあとも後世まで続けていってほしいという思いがあるから、今はいろんな人を乗っけて繋いでいきたいと思っていて。俺は"スター・ウォーズ"でいうところのハン・ソロみたいな役割で、どこかで若い人に"NYRF"をうまくトランスミッションできればいいなと思っています。

Zeebra:だって、毎年ずっと続いてるフェスとしては一番長いでしょう?

HIRØ:ギネス申請する話もあったけど、年またぎのイベントとしては世界最長です。

Zeebra:だよね。そうしたら、やっぱり続けていくべきだし。HIRØ君と話したのは、"50+1"っていうのは51年目でもあるんだけど、新たな1歩というか。50年までが裕也さんやジョーさんのレガシーを汲んで続けてきたところ。ここからが新しくHIRØ君が始める"NYRF"って俺はイメージしていて。

HIRØ:でも、あくまでも俺はハン・ソロでパイロット。ルーク・スカイウォーカーとか、ダース・ベイダーとかチューバッカとか、スターたちを"NYRF"って船に乗せて未来を作っていってほしいと思ってるんですよ。

Zeebra:その役割が一番いやらしくて、一番カッコいいですけどね(笑)。

-みなさんは"NYRF"に出演しての感想や思うことはいかがですか?

瓜田:僕は毎年、ガチガチのロックとかヒップホップだったり、先輩たちや本物たちが集まってるなかで、"俺はなんでいるんだろう?"という感じで。俺たち夫婦はポエトリーみたいなジャンルで出させてもらってるから、"HIRØさんが自分のかわいがってる不良を連れてきた"みたいな感じでいさせてもらったんだけど、"NYRF"がHIRØさんの色になっているなら、借りてきた猫みたいにやってないで、自分の表現をしっかりやっていっていいのかな? と考えてて。Zeebraさんが"想像の斜め上を行く人たちばっかりだった"と言ってたんですが、自分もその頃の"NYRF"は客として観ていて、HIRØさんに"自分もいつか「NYRF」に出演したいです"と言ってたんですけど、"いや、まだダメだよ"と言われてて、今俺が"BreakingDown"とかやってるのを見て"もうあんな感じだから大丈夫だよ"って言ってくれていることに"本当かよ!?"と思ってます(笑)。

HIRØ:いや、素晴らしいリリシストですから、そして不良自慢ではない、ちゃんとした不良アーティスト!! 大丈夫ですよ(笑)。

J-REXXX:僕は"NYRF"に関わらせていただいて4年目で、最初は"チャンスだ"くらいに思ってたんですが、実際に出演してみて、面白い先輩もいっぱいいるし、自分より下の世代もいっぱいいるし、こういうごちゃ混ぜのイベントほど若い子に観てほしいなと思ったし。毎年ブチカマす気持ちで、一番ブチアゲる気持ちでやらせてもらってます。去年とか、ANARCHYと亜無亜危異が揃ったり、瓜田さんと共演できるのもこの場所だけなんで、ぜひとも音楽に深く興味を持っていない、若い子に来てほしいという気持ちですね。

呂布:僕はテレビで"NYRF"を観させていただいてて、そこに自分が呼ばれるとはつゆほども思っていなかったんですけど、2021年("47+2 新生New Year Rock Festival 2021-2022同時多発オンラインフェス")にお声掛けいただいて参加させていただいて。1年目に参加したときはオンラインだったんですが、去年は有観客で家族もいて、いい年越しにすることができました。今年はまだ全部の出演者を知らないんですけど、いろんなジャンルの方がいるし、ただおめでたいというよりは"カマさないとな"というプレッシャーがあって。単なる年越しのイベントとは違うな、という重圧はすごくありますね。

J-REXXX:その気持ちすごいわかります。お客さんもですが、出演者もレジェンドばかりですから。"この若造、ヤバいな"と言わせたいという気持ちもありますね。

呂布:今、自分が若造側に入ってることはあまりないんですが(笑)、"NYRF"では初心に帰るような気持ちにしていただけます。

瓜田:あと、大人になった不良たちが集まる場所ってところにも憧れがありますね。生涯不良みたいな生き方の、いろんなジャンルの不良たちが1年に一度集まって。どの出演者も色気や魅力があって、その魅力を若い子たちにも伝えていきたいという気持ちもあります。

HIRØ:うん。今はロック、ヒップホップ、レゲエって細分化されてるけど、昔はロックしかなかったから"NYRF"という名前が付いていて。ジャンル関係なく、危険な香りがするアーティストが集まるイベントが"NYRF"だというレガシーは守ってます。

Zeebra:"ロック"がどういう意味を持つのか? ってことで言うと、"ロックの殿堂(Rock & Roll Hall of Fame)"にはロック以外のジャンルのミュージシャンもたくさん入っていて。ロックという言葉が持つ広さが、このタイトルの持つ意味かなと思っているし、それぞれ個の強いヤツ、魂が強いヤツらが集まる場所が"NYRF"なんです。