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INTERVIEW

BURY TOMORROW

2023.03.30UPDATE

2023年04月号掲載

BURY TOMORROW

Member:Daniel “Dani” Winter-Bates(Vo)

Interviewer:菅谷 透 Translator:安江 幸子

"俺たちが次に何をやるか予測できると思わないでくれ"って感じで終わるところがいい


-続く「Forced Divide」は「Begin Again」と打って変わって強烈なスラッシュ・ビートを叩きつける、ライヴでも非常に盛り上がりそうな楽曲です。この曲についても教えていただけますか?

あれはスラッシュでメタルコアないい曲だよね。メタルコアから完全に離れるのは避けたいというのは確信していたんだ。もっとスラッシュな曲は世の中にたくさんあるしね。速くてヘヴィな曲だから演奏はちょっとやりにくいときもあるけど、速い曲は今までもライヴでやってきたから、今回もライヴで結構いい感じにやれるんじゃないかな。それにアルバムにはサークル・ピットができる曲がひとつは必要だと思っているし、これでチェックリストがひとつ埋まったよ(笑)。そう、こういう曲が欲しいと思って書いた曲なんだ。最後のほうでレコーディングした曲のひとつだったね。メタルやメタルコアのこういう要素を体現できる曲がどうしても必要だと思ったんだ。そう決断して良かったよ。もしそう狙っていなかったら、もっと削ぎ落として違うタイプの曲にしていたかもしれない。こうしたことによって俺たちみたいなジャンルへのオマージュになったとも思うしね。

-「Majesty」はピアノを主体としたバラードで、こちらも新境地と言える楽曲になっています。

そうだね。実はこの曲はTomとKristanが書いたんだけど、そのときはTomがバンドに入ることになるなんて思っていなかったんだ(笑)。もともとよく一緒に曲を書いていたね。ふたりが「Majesty」をアコースティックで書いたんだけど、聴いた瞬間ぜひ欲しいと思って、Tomに直談判したんだ。すごくクールだと思ってね。歌詞もすべてTomが書いていて、アルバムの中でも最高にいい歌詞のひとつだと思う。素晴らしいよ。あいつは本当に優れたリリシストなんだ。で、それをもとにメタルにしていった。だからキーボードのパートが長いんだ。新しいBURY TOMORROWを見せることができるし。そしてこの曲がもたらしてくれた効果としては......実はもうすでにまたスタジオに入っているんだ。Tomのスタジオで断片的にレコーディングをしている。「Begin Again」や「Majesty」のようにBURY TOMORROWの新しい部分を垣間見せる曲を、俺もTomほどではないけどメロディックに歌うことができるから、将来的にやらない手はないだろうってことで試しに録っているんだ。俺はスクリーム・ヴォーカルしかやったことがないけど、将来的には反対側の景色を見てみるのもいいかと思ってね。

-ということは、将来あなたのクリーン・ヴォーカルが聴けるかもしれないんですね。

もしかしたらね。もしかしたら。ハードな曲ではやらないかもしれないけど、メロディック寄りの曲だったら、俺も歌うことができたらクールな要素になると思うよ。「Majesty」はそういう新鮮な空気が吸える場なんだ。そうだ、エンディングの部分を書くのに時間がかかったな。ただヘヴィなままでシャットダウンするよりも、美しさとヘヴィさを残しておきたかったんだ。すごくクールな曲だよ。オリジナルのアコースティック・バージョンも素晴らしいし、アルバムにどうしても入れたかったんだ。使わせてもらえて良かったよ。

-もともとこの曲は他のアーティストのために書いた曲だったのでしょうか?

いや、TomとKristanが、パンデミック時期にどこに出すでもなく書いたんだ。あのころのふたりはすごくたくさん曲を書いていてね。それ以前から一緒に書いていたらしい。曲はあの時期に対する考察みたいな感じになっているんだ。パンデミックのことを念頭に聴いてもらえれば、完全に共感できると思う。"Distancing, you're calling me majesty(遠くから、お前は俺を呼ぶ、マジェスティ)"はパンデミックで人に会えなくて距離ができてしまったことのメタファーだ。そういう歌詞も気に入ったから、Tomに"この曲貰うよ"と言ったんだ(笑)。ありがたいことにいいと言ってくれた。

-クリーン・ヴォーカルを練習しているというのも、どんな声になるのか含めて楽しみです。

悪くはないよ(笑)。いつもクリーン用の曲を書いていることも役立つと思うしね。今回は特にライティングのプロセスにも深く携わっているんだ。この曲でも冒頭やコーラスは俺が書いている。「Wrath」のエンディングも俺が書いたけど、Tomのほうが俺よりずっと歌が巧いから、自分は歌うことを禁止したんだ(笑)。"Tom、お前が歌えよ"みたいな感じでさ(笑)。

-その「Wrath」はドリーミーなイントロからメロデス的なリフ、スラッシーなビート、シンフォニックなアレンジと、非常に自由度が高い現体制ならではの楽曲になっていますね。

そう、それは間違いないね。「Wrath」はDawsのある友人の体験がもとになっているんだ。その人はお母さんを亡くしてしまってね。喪失がどんなものなのかを描いた曲だ。歌詞をよく聴いてもらえれば、なんのことを歌っているのかかなりわかりやすくなっている。最後のほうに"I hope I've made you proud(お前が誇りに思ってくれているといいが)"というフレーズが出てくるけど、あれは嘆きのプロセスを経た人としての言葉で、亡くなった相手に対して語り掛けている。こういう曲はドラマがあるのが大切なことなんだ。ほら、嘆きのプロセスを見てみると、大切な人への愛情から始まって、その人を失ってしまったことの怒りのフェーズとか、いろいろなフェーズを経るだろう? 最終的にはその大切な人に誇りに思ってもらえるような生き方をしようと思う。その嘆きの各段階に合わせたような展開になっているんだ。感情的なパートからすごくヘヴィに怒りを吐露するパートになって、それから......という感じで嘆きのプロセスを辿っている。たぶん最初に聴いただけではキャッチできないと思うけど、だんだん意味がわかってきたら刺さるんじゃないかな。最終的に静かな空間に辿り着いて、人生や死について改めて考えるような感じになっているからさ。本当にドラマチックな曲だよ。この曲の内容がわかったら泣く人が多いんじゃないかと思うね。

-「Heretic」ではLawrence"Loz"Taylor(WHILE SHE SLEEPS/Vo)をフィーチャーしています。先日公開されたMVにも出演していましたが、彼を起用した経緯と、楽曲について教えていただけますか?

「Heretic」はこのアルバムの中でも特にヘヴィな部類に入るんだ。速いし、デス・メタルやデスコアの世界に足を踏み入れているような感じだね。あるいは"最強にヘヴィなメタルコア"かな。WHILE SHE SLEEPSとは実は昔からの付き合いなんだ。ミュージシャンとして一緒に成長していった。DawsがWHILE SHE SLEEPSのメンバーの近所に住んでいて、14歳のころから知り合いなんだ。だからあのバンドとは本当に長い付き合いだね。今回はゲスト・ヴォーカルを入れたいという話をしていたところで、WHILE SHE SLEEPSとイギリス国内で一緒にライヴをすることになったんだ。彼らのデカいショーに参加することになってね(※ロンドンにある1万人規模の会場、アレクサンドラ・パレスでヘッドライナー・ショーを開催予定)。それもあって、Lozにやってもらったらいいんじゃないかという話になった。と言ってもショーありきというわけじゃなくて、たまたまLozのことが頭に浮かんだのと同じタイミングだったんだけどね。この部分はあいつが歌ったら合うんじゃないかなとふと思ったんだ。Lozは今までゲスト・ヴォーカルをやったことがないし、そういう意味でも俺にとっては大きな意味があった。それにLozのヴォーカルの軌跡もいろいろあって、喉の手術もしていたけど、素晴らしいヴォーカリストだからそれをハイライトできるようにしたかったんだ。ヘヴィな曲を歌いこなせる素晴らしいヴォーカリストだから、それじゃ一番ヘヴィな曲に参加してもらおうということになった。で、参加してもらったら見事な歌いっぷりだったから、ぜひMVにも参加してもらいたいと思ったんだ。あれはコンセプト度の高いMVだったね。言うまでもなくものすごくブルータルな内容だけど(笑)。

-ええ(笑)。

Lozは大いにやる気満々で参加してくれたよ。なかなか不穏な気分になるシチュエーションの内容だったけどね。自分のバンドのMVじゃないから特に難しかったと思うけど。そうそう、俺たちがロケをした倉庫はマイナス4度だったんだよ。撮影の間中ずっと冷凍庫にいるような感じだった。凍えるほど寒かったよ。と言ってもマイナス4度はまだマシだったんだろうけどね。倉庫の中のほうはきっともっと低い温度設定になっていただろうから。それでも俺たちはガタガタ震えていたよ。MVの中で俺たちが白い息を吐いているシーンがあるけど、あれはCGじゃなくて本当の息なんだ(笑)。寒かったよ。5時間......いや、6~7時間いたかな。Lozはちゃんと座って待っていてくれて、ビデオにもちゃんと参加してくれて助けてくれた。感謝してもしきれないよ。人として本当に素晴らしいやつなんだ。MVも大満足の仕上がりだよ。単なるパフォーマンス映像じゃなくて、物語仕立てになっているのが良かったね。ヘヴィネスがますます際立っていると思う。MVの中では会話のやりとりが欲しかったんだ。歌もそんな感じだしね。Tomから始まって俺が出てきて、それからまたTomに戻って......という感じだから、テーブルを囲んで話しているようなヴァイブがあるんだ。監督のMatt Searsが素晴らしい仕事をしてくれたよ。彼は「Abandon Us」と「Boltcutter」のMVも担当してくれたんだ。「Heretic」はブルータルな曲だからきっとたくさんの人に気に入ってもらえると思うよ。

-「The Carcass King」はCody Frostの女性ヴォーカルをフィーチャーした壮大な楽曲です。女性ヴォーカルをフィーチャーするのは初めてですよね?

ああ、そうだね。Codyはとにかくびっくりするほど素晴らしいシンガーだよ。もともと俺が彼女の声に惚れ込んでいて、個人的にも彼女の曲が大好きなんだ。「The Carcass King」は主にEdが書いた曲で、美しいダークさがある。以前もやったことがあるけど、俺は曲の中でその人格になりきることがあるんだ。ここでは自分が"The Carcass King(屍の王)"だと思い込んでやっている。過去にも自分のことを"the viper(毒蛇)"と呼んでいるんだよね(2012年リリースの2ndアルバム『The Union Of Crowns』収録曲「Sceptres」、2014年リリースの3rdアルバム『Runes』収録曲「Darker Water」など)。その時々の自分の状態をそういうものに喩えているんだ。この曲は"The Carcass King"というタイトルになることがわかっていたし、メンバーも"すごくヘヴィだな"と言っていたよ。曲を聴く前にタイトルだけ見たら、「The Carcass King」が一番ヘヴィな曲だと思うだろうね。でも実際はそうじゃなくて、それが俺の狙いだった。美しくダークな曲だからね。すごくヘヴィな部分はあるけど。SLIPKNOTの「Vermilion」方式だね。すごくヘヴィだけどブルータルまではいかないというか。Codyの声に夢中になったきっかけは、プロデューサーのDan WellerがCodyのこともプロデュースしていたからなんだ。たしか「Death (Ever Colder)」を作っていたころじゃなかったかな。スタジオにいるときに曲を聴かせてくれて、本当に素晴らしいと思ったよ。そのあと......ほんの4~5ヶ月前の話なんだけど、この曲を作っていて、彼女の声が入ったらすごくいいんじゃないかという話になった。俺たちの声といいダイナミクスを作れると思ってね。実際そうだったよ。レコーディングは俺たちがやっているときに彼女が来られなくて彼女がやっているときに俺たちが来られなかったけど、リモート・レコーディング用のツールを使ったんだ。そうして彼女のレコーディングに立ち会った。スタジオに入っている彼女をそれぞれの場所でライヴで観ることができたんだ。その間Danとチャットでやりとりして、"今の最高だよ"なんて言い合っていた。ほとんどの出番を1テイクで決めてくれたよ。それほど素晴らしいんだ。バックで歌っていたり前面に出てきたりと全体的に歌っているから、中には少し録り直した部分もあるけどね。彼女は控えめに言って才能があるよ。俺が今までの人生で実際に出会った中でも指折りに優れたヴォーカリストだ。本当に素晴らしいよ。

-この曲で3人がヴォーカル部分を紡いでいくところが素晴らしいと思います。

そうだね。彼女の声もダイナミクスがあって、スクリームもできるんだ。しかもTomと音域が重なっている箇所がある。通常は3人ヴォーカリストがいたら音域がそれぞれ違うことが多いけど、この曲の場合はTomとCodyの音域が重なっているパートがあるから、そこで絡み合うことができるんだよね。彼女があいつの声の上でハーモナイズしたり、その逆だったり。素晴らしい瞬間だよ。あの曲でアルバムが締めくくられるっていうのがまたいいね。スペシャルな終わり方だと思う。"俺たちが次に何をやるか予測できると思わないでくれ"って感じで終わるところがいい。メロディックでダークな曲でアルバムが終わるからね。

-すでにスタジオに入っているということでしたので、今後も想定外の展開を楽しみにしています。アルバム発売後は5月からツアーに出ますよね。アメリカがあってヨーロッパがあって、10月にはオーストラリアにも行くようですが、その間に日本を挟み込む予定はありませんか......?

行きたいよ! 俺にとって地球上で大好きな国のひとつなんだから。前のインタビューでもたぶん話したと思うけど、俺が個人的に行きたい国と言えば日本だよ。なんせ新婚旅行で行ったくらいなんだから。それ以来そっちに行けていないのがすごく寂しいんだ。Kristanの大好きな国でもあるしね。ということでまた行きたいと心から思っているんだ。でも長い間入国制限があったしね......それは正しかったと思うけど。アメリカやオーストラリアは制限が撤廃されたのがわりと早かったから、それでブッキングすることができたんだ。

-たしかに日本は長い間厳しい入国制限がありましたからね。

それは日本のためにはいいことだったと思うよ。日本は人口密度も高いから、みんな押し寄せたら悪夢のようなことになっていたかもしれないからね(苦笑)。ただ、俺たちは"日本に戻る必要がある"といったところだね。『The Seventh Sun』のサイクルで日本に行けるように可能性をプッシュしているところなんだ。『Cannibal』と『The Seventh Sun』をプレイしたいしね。『Black Flame』のときも行ってなかったんじゃないかな......。でも行く気満々なんだ。俺のやりたいことリストのトップにあるのは間違いないしね。

-最後に、日本のファンや激ロックの読者へのメッセージをお願いします。

まず激ロックには、BURY TOMORROWをいつも応援してくれてありがとうと言いたいね。日本のファン全体もそうだけど、激ロックがずっとサポートしてきてくれたおかげで、素晴らしい軌跡を作ることができているんだ。そしてまだ俺たちの音楽を聴いたことがない人たちはぜひトライしてみてほしい。聴いてみて、楽しんでほしい。ずっと聴いてくれている人たちには、俺たちにチャンスをくれてありがとう。俺たちの音楽を聴いてくれる人たちがいなかったら、俺たちは取るに足らない存在だからね。そして俺たちが日本にまた行けるようになるために声を上げ続けてくれている人たちにも大きなありがとうを贈りたい。これからもプロモーターやブッキング業者たちに訴え続けてくれ。声が掛かれば絶対に行くよ!