今やUKメタルコア・シーンの中核を担うBURY TOMORROW。2006年の結成以来、EP 1枚、アルバム3枚をリリースし、着実にステップを積み重ねてきたことは本国UKでのチャートが証明している。前作でUK Rock & Metal Albums Chart 6位、今作ではUK Rock Chart 1位をそれぞれ獲得し、もはや本国のシーンでは欠くことのできない重要なポジションを占めるに至っている。よりわかりやすい事象としては、今や世界で戦うCrossfaithの初のUKツアーのパートナーの一角がBURY TOMORROWだったことが挙げられる。UKでのポジションをベースにツアーを成功に導くパートナーとしてCrossfaithと共にツアーを回ったということを意味している。そうしてUKでの成功を確固たるものとして築いた彼らは、その成功をベースにアメリカでも存在感を放っている。今作ではアメリカでの成功のバロメーターともいえる、Top Heatseekers Chartにて16位を獲得しており、本国UKに続きアメリカでも重要なポジションを占めつつあると言っても過言ではないだろう。

そんな彼らが、本国でのリリースに遅れながらも最新作『Runes』の日本盤リリースを迎える。しかし、この遅れは彼らの日本での人気を物語るわけでは決してないことにご留意いただきたい。前々作『Portraits』はTRIPLE VISIONから、前作『The Union Of Crowns』は日本コロムビアからそれぞれ日本盤がリリースされており、ここ日本でもプライオリティを置くべきアーティストとしてこれまでリリースを重ねていたのだが、今作に関してはNuclear Blastの契約上の方針変更もあり、まるで野球のお見合いのようにぽっかりと間に落ちてしまっていたために日の目を見ていなかったという経緯のようだ。そんなわけで、日本に住むすべてのメタルコア・ファンが聴くべき1枚という評価は揺るぐべくもないということはしっかりと頭に入れておいて欲しい。

今作の制作を前に、リード・ギタリストが交代したことで、BURY TOMORROWらしさを心配したファンも多かったかもしれない。しかし、アグレッション溢れるヘヴィなサウンドに、美しいクリーン・ヴォーカル、咆哮のようなスクリームが絡み合い、独特の叙情性を奏でるBURY TOMORROWらしさは今作でも健在。いや、それどころかそのエモーションはさらに激しく爆発し、聴く者をぐいぐいと引き込んでいく感情の発露はよりその力を強めている。そこには今作から加入したリード・ギタリストKristan Dawsonのメロディ・センスも大きく関係しているかもしれない。これまでも片鱗はあったが、ギターのメロディアスなフレーズがより多く随所に散りばめられたことで、Daniel Winterのスクリーム、Jason Cameronのクリーン・ヴォーカルがより一層鮮やかさを伴って、その輝きを増す結果を導き出している。狙っているのか、そうでないのかは置いといて、この手のサウンドでは柱となるリード・ギタリストの交代を見事にプラスに変えて見せた彼らの実力には恐れ入る。ヘヴィでグルーヴィーなこのサウンドをライヴで体感して、涙腺を刺激されるメタルコア・ファンが続出してしまうことは想像に難くない。2010年、VERSUS TOURでCONFIDE、PIERCE THE VEILと共にBURY TOMORROWが初来日を果たして以来、5年が経過しており、次の来日ももうそろそろだと期待しているメタルコア・ファンも多いはず。日本盤ボーナス・トラックを含め全16曲、1時間に及ぶ大作となった今作を心ゆくまで楽しみながら、次回の来日を心待ちにしていただきたい。

BURY TOMORROW
『Runes』
[INVISE RECORDS]
INVR-1003　¥1,800 (税別)
2015.03.18 ONSALE!!

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01. Man On Fire
02. Shadow, A Creator
03. The Torch
04. Watcher
05. Our Gift
06. Darker Water
07. Another Journey
08. Under The Sun
09. Year Of The Harvest
10. Garden Of Thorns
11. Divine Breath
12. Of Glory
13. Last Of The Ice
14. Hail The Lost（日本盤ボーナス・トラック）
15. The Torch (acoustic version) （日本盤ボーナス・トラック）
16. Watcher V.2（日本盤ボーナス・トラック）