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INTERVIEW

ZEBRAHEAD

2022.10.12UPDATE

2022年10月号掲載

ZEBRAHEAD

Member:Ali Tabatabaee(Rap)

Interviewer:菅谷 透

-ツイン・リードを用いた「Homesick For Hope」、スラッシーなリフからスカ・パンクへと移行する「Russian Roulette Is For Lovers?」と、新体制での楽曲はメタリックな要素もこれまで以上に大きいように感じるのですが、サウンド面で意識していたことはありましたか?

ZEBRAHEADは結成当時からずっと、いろんなタイプの音楽を自分たちの音楽に取り入れるようにしてきたんだ。どうにか自分たちのスタイルに合うようにさせてね。俺たちは"今回のアルバムはメタルにしようぜ"、"今回はもっとスカにしよう"みたいな感じでアルバムを作ることがないんだ。通常は曲ごとに音のコンセプトがある。今回の場合はAdrianに"リミットなんかない"というのを知ってもらいたかったというのもあるんだ。例えば俺がアイディアを持っていたとする。とりあえず取り組んでみようと。お前もアイディアがあるんだったらちょっとやってみよう、曲のカテゴリなんて気にしなくていいし、どのスタイルを使うかも気にしなくていい。そうすることが役立ったと思っているよ。Adrianのソングライターとしての幅を見ることができたし、自分たちの幅も改めて見ることができた。俺たちはめったに、というか全然"そのスタイルは好きじゃない"なんて言わないんだ。ほとんど言ったことがないんじゃないかな。あいつにもそういうスタンスを経験してもらって、クールでワクワクできるアイディアならなんでもうまくいくようにしようと思ってほしかったんだ。

-だからこそいつもながらのカラフルさもありながら、メタルの要素が少し強めでもあるんですね。

そうだね。メタルの要素が強いのは、ほら、(コロナ禍で)本当に大変な時期だったから、苦しみや怒りを表現するのに......。

-爆発させると(笑)。

(笑)そう、そっちのほうがしっくりくると思ってね。

-本作には「No Tomorrow」、「In A Crowd Alone」と、2曲の新曲も収録されています。これらもAdrianと書いたのでしょうか?

そうそう。Adrianと出会ってからほぼノンストップで曲を書いているからね。『III』を出すにあたってもミーティングと曲書きの連続だった。曲を書かなかったのはツアーに出ていた間くらいだよ。常に曲を書いてアイディアをお互い送り合っている。もうすぐ2枚目のEPを出す予定なんだけど、そっちもずっと書いていた曲を入れているからとても楽しみなんだ。すごくクールな曲がいろいろあるよ。

-それぞれの新曲のテーマがあれば教えていただけますか?

「No Tomorrow」のコンセプトは、歳を重ねれば重ねるほど......10代から20代に、みたいなときでもそうだと思うけど、歳を重ねるとどんどん人生の終わりに近づくことになるだろう? ときどき先延ばしにしていたこととか、これのためにあれを犠牲にしようとか、そういうのにフォーカスしすぎてしまうきらいがある。そうすると楽しめなかったり、本当にやりたいことができなくなったりする。逆に"今すぐ自分をハッピーにしてくれるものだけにフォーカスしたい。明日が来るかどうかわからないし"と考えすぎる人もいる。終わりがあるということに自分で折り合いをつけることができなくて、その間で逡巡している人たちは多いよね。「No Tomorrow」のコンセプトは、自分の時間を楽しんで、友達と時間を過ごしたり、やりたいことをやったりしよう、明日が来ないかのように、という感じなんだ。

-パンデミックの時代にそうやって気分をアゲてくれる曲だと思います。

そうだよ! すべて、この2年間の動向に関係しているんだ。

-「In A Crowd Alone」はどうでしょう?

「In A Crowd Alone」の裏にあるコンセプトは......たくさんの人たちに囲まれているのに、同時に孤独を感じることってあるよね。理解してもらえなかったり、自分がつらい思いをしているのに気づいてもらえなかったり。人によっては全部抱え込んでしまって、他の人に言えないなんてこともある。いつも友達に囲まれている人だからといって、メンタル的に元気かどうかはわからないよね、という感じのことを歌っているんだ。友達といても、いつも周りに誰かいても、その人が心の中で何を考えているか、どんな気持ちなのか、本当のことはわからない。そういう(人と一緒にいるのに孤独な)状況って、みんな人生のどこかの時点で通るものだと思うんだ。その問題を取り上げて、メンタル・ヘルスの大切さを訴えたかった。孤独で助けを求めているときには自分の気持ちを声に出して言えることが大事だしね。

-CDのみのトラックとして、MAN WITH A MISSIONのフィルム・ツアー(["INTO THE DEEP" LIVE HOUSE VIEWING TOUR])で披露した「Out of Control with Zebrahead」のパフォーマンス音源が収録されますね。フィルム・ツアーに参加した経緯をうかがえますか?

あれはクールな経験だったね。ファンもこのバンドがどうなるかわからなかった時期だった。MAN WITH A MISSIONは昔から俺たちにすごく良くしてくれるバンドでいい友達なんだ。Adrianを見つけたことをMAN WITH A MISSIONに報告したら、ちょうど彼らがフィルム・ツアーをやるころで"それだったらこのフィルム・ツアーを一緒にやらない? そうすればみんなにAdrianのことを紹介できるよ"と言ってくれたんだ。

-Adrian加入後最初のショーだったんですよね。

そうなんだよ! それもあって、俺たちにとってはすごくスペシャルな経験になった。そういう計らいをしてくれて本当にありがたかったよ。これからもずっとスペシャルな出来事として残ると思う。

-そんなスペシャルな音源がずっと残るんですね。そして、10月末には2019年以来となる来日ツアーが開催されます。先ほども話に挙がったとおり、パンデミックの前はほぼ毎年のように来日していたZEBRAHEADにとって、ここまでのインターバルが空いたのは初めてのことではないかと思いますが、久しぶりに日本へ行けることをどのように感じていますか? また、Adrianは今回が初の来日公演になりますが、日本でのライヴについて何か話をしていますか?

日本にまた行けるなんて、もう"楽しみ"なんてもんじゃないよ。その言葉をはるかに超えているくらい楽しみ。毎日その話をしているし、あと〇日! なんてカウントダウンしているんだ。今日(※取材は9月30日)はあと21日(笑)。そのくらい楽しみなんだ。Adrianとつるむときも、日本でこんなことがあった、あんなことがあったなんて話をしているよ。あいつも本当に楽しみにしているね。他のメンバーにとってもきっとエキサイティングなことになるよ。あいつにとっては初めての日本で、それを一緒に体験できるわけだからね。新鮮な気持ちになれるだろうし、日本に対するありがたみもまた深まるだろう。あいつも日本の話ばかりしている。最近(ビザ取得のため領事館に)パスポートを預けたから、本当に日本に行けるんだ! なんて言ってね(笑)。

-彼に何か日本語を教えたりしていますか?

うーん(笑)。Benが悪い言葉を教えてると思う(爆笑)。

-あはは(笑)。ビールをオーダーするときのフレーズも覚えておかないと。

"ビールクダサイ"はたしかもう覚えたんじゃないかな(笑)?

-ちなみに2019年にプロモーションで来日した際は、激ロックプロデュースによる美容室"ROCK HAiR FACTORY"で"シマウマ頭"にヘア・アレンジしたり、Music Bar ROCKAHOLIC-Shibuya-でリリース・パーティーを行ったりされていましたが、当時のことは覚えていますか?

覚えてるよ! "シマウマ頭"になったのはそのスペシャルなイベントのためだったんだ。髪の毛を染めたのが10年ぶりくらいだったかな? できあがった頭を見て"また髪を染めよう!"と思うようになって、それで今はこんな髪型なんだよ(※金髪になった頭を指す)。ブリーチしているんだ。あの経験がなかったら今こうしていないと思うね! ヘア・アレンジしてもらって"最高じゃねーか! また染めよう!"と思ったんだ。ROCKAHOLICでのパーティーは大混雑でさ。みんなぎゅうぎゅう詰めになって汗をかいていて、歩いて通れないくらいだったよ。最終的にはバーのカウンターに入って、みんなにドリンクを振る舞い始めたんだ。しばらくしたら意識がもうろうとしてきて......(笑)。すごく楽しかったことだけ覚えているよ。

-(笑)ぜひまた新しい思い出を作りにいらしてください。最後にツアーへの意気込みと、日本のファンへのメッセージをお願いします。

さっきも話に出たけど、このバンドが始まって以来これほど日本に行っていなかったことはなかったんだ。日本のみんなを心から恋しく思っているよ。ファンも友達も早く会いたくてウズウズしている。もうすぐそっちに行けるから超楽しみにしているんだ。もともとコロナ禍前にツアーを計画していて、当初の計画ではツアー期間ももっと長くて、もっと多くの都市を訪れるはずだったんだ。でもコロナ禍の影響で、ツアーを短くしないといけなくなってしまった。ショーも3回しかない。今回行けなくなってしまった街のファンには、いつか絶対に戻ってきてみんなに会いに行くと言いたいね。できれば次のツアーで。日本のみんなが長年くれたサポートと愛には心から感謝している。早くみんなにAdrianを紹介したいし、早くみんなに会って一緒にビールを飲んだり(笑)したいよ。(※日本語で)ニホンダイスキ! もうすぐ会おう!