MENU バンドTシャツ

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

ulma sound junction

2021.05.10UPDATE

ulma sound junction

Member:田村 ヒサオ(Ba/Vo) 山里 ヨシタカ(Gt) 福里 シュン(Gt) 加勢本 タモツ(Dr)

Interviewer:山口 智男

-なるほど。プラスアルファはそういう意味だったんですね。ところで、今話に出た『primary』は音源としては3年ぶりのリリースでしたが、収録されている3曲はいつ頃、作ったものなんですか?

加勢本:さっきの話と繋がるんですけど、1曲目の「Perfect Rapture」は前回のワンマンで......前回のワンマンっていつだったっけ?(笑)

田村:19年の11月だったんじゃないかな。

加勢本:そのときにやっているんですよ。さっき言ったように実験でやって、そこから本格的に作っていったんです。

田村:他の2曲、「Ash and Me」と「Hopeless Raven」は、そのワンマンから半年かけて作っていった感じでしたね。レコーディングはもうちょっとあとだったので、制作期間は結構長かったかもしれないです。

-そんな3曲に共通するテーマが、"primary"というタイトルで表現されていると思うのですが、いつ、どんなところから出てきた言葉だったんですか?

田村:これはヨシタカかな?

加勢本:"primary"に落ち着くまで紆余曲折ありましたね。

山里:最初は、3曲だから"トライ"とか、"スリー"とか、3でいろいろ考えていたんですけど、三原色=プライマリー・カラーって出てきて、そしたらプライマリーには原子って意味もあって。なんとなくなんですけど、パピプペポで始まりたかったんです。それで、結局ボツになったんですけど、最初、なんだったっけ?

加勢本:"primary town"じゃなかったっけ(笑)。

山里:そうだった、そうだった。でも、3曲なのに"town"はデカすぎるって話になって"primary"だけになったんですけど、ジャケットができあがってきたとき、1単語でぴしっと収まっているのを見て、"primary"にして良かったと思いました。ジャケットを描いてくれたhonmarinさんの知り合いの美大生が書いてくれたそうなんですけど、すごくきれいな字で書いてくれたので、"town"とか、わけわからん風呂敷を広げなくて良かったと思いました(笑)。

-今、振り返って、『primary』はどんな作品になったという手応えがありますか?

山里:今までのulmaよりはだいぶ洗練されて、削ぎ落されましたね。聴きやすいけど、ちゃんと今までのこだわりみたいな細かいところは残っていて、周回して聴きやすい作品になったと思います。今までは1回聴くと、しばらくはいいやってなってたと思うんですけど(笑)、ulmaを初めて聴く人でも聴きやすいんじゃないかなと。

加勢本:あぁ、今までよりはね。

山里:名刺代わりになる3曲です。

-聴かせてもらって、山里さんがおっしゃったとおりのことを感じましたが、そこは狙ったんですか?

加勢本:今回のEPはコンセプトがあったんですよ。ちょっとモダンにしたいっていう。それが結果、聴きやすくなったと。

田村:新しい曲の作り方もしてみたんですよ。削ぎ落すことに結構力を入れたところはあります。全体を構築するうえで曲を短くするとか、音数を少なくするとか、話すといろいろ出てくると思うんですけど、シンプルにすることと削ぎ落すということをすごく意識しました。あとはメロディを大事にするということを重視した結果、こんなバランスの3曲になったんです。

-削ぎ落すこと、シンプルにすることが今のulmaには必要と考えたということですか?

田村:そうですね。僕らはどうしても曲が長くなってしまう傾向にあるので。そこで終わっとけばいいじゃんって曲がいっぱいあるんですよ(笑)。それを4分台に収めたことで、昔から僕らのことを知っているリスナーには新しい驚きを与えられたと思ってますけど。

-結果、曲として、歌としての魅力がこれまで以上に際立ったという印象がありました。

田村:そう思います。EPが出てからはまだ配信ライヴでしかやっていないんですけど、有観客ライヴでどこまで歌を届けられるかっていうのは、未だにスタジオで練習していても難しい。歌唱に関しては今まで以上に表現力のレベルを上げないと、曲の魅力を最大限に届けられないんですよ。今現在は、歌いこなせると信じて、練習を重ねているところです。

-その経験がまた成長に繋がる、と。演奏に関してはいかがですか?

福里:ムズいです。

山里:それ、いつも言ってる(笑)。

福里:テンポに気をつけないとヤバいってめっちゃ思います。だから、頭の中でクリックを鳴らしておこうって意識してますね。

-曲がシンプルなだけに。

福里:そうですね。曲の良さを生かそうとすると自然とそうなります。

田村:逆にタモツは楽になったんじゃないの?

加勢本:そうですね。EPの3曲は、ヴォーカルのハモリや、その他の効果音を同期で入れているんですけど、おかげで音源と同じテンポでできるので、やりやすくなりました。もちろん、同期を使うと、間違えられないっていうのはあるんですけど。ヴォーカルのハモリ、効果音が聴こえてくるとテンションがアガるんですよ。音源と一緒だ! みたいな感じで(笑)。

 

-福里さんがおっしゃっていた"テンポに気をつけなきゃいけない"というのは、同期に合わせるって意味で?

福里:そうです。タモツとの感覚を合わせなきゃいけないんです。

加勢本:演奏中、同期の音は僕しか聴いてないんですよ。みんな、演奏しながら気持ちが結構前に前に行くような感じなんです。それはわかるんですよ。ライヴ中は気持ちがアガッてるから。自分もそう。同期を聴いてなきゃ、どんどん前にいっちゃうと思います(笑)。それがライヴのいいところではあるんですよね。全曲、同期を使っているバンドもいると思うんですけど、僕らは同期を使う曲と使わない曲があるから、演奏の使い分けをしたら面白いのかな。この曲は突っ走るけど、この曲はきっちりやるみたいに。

-なるほど。今度のライヴはそんなところも見どころになるわけですね。

加勢本:そうですね。『primary』の3曲では新しいこともやっているというところを見せられると思います。そういう意味でも楽しみです。

-『primary』をきっかけに、新たなリスナー層にもアピールしていこうという気持ちもあるんですか?

田村:そうですね。これだけ長いことやってきたので、根幹にあるものは、そんなに簡単に変わらないと思うんですけど、新しい要素を取り入れてもulmaらしさは壊れないと今回わかったので、次回作に関してはもっと実験的なエッセンスというか要素というか、場合によっては誰かとコラボすることも含め、取り入れていきたいですね。それが新たなリスナー層にアピールすることに繋がればいいですけど、『primary』はこの先のいろいろな可能性が見えた作品でもあります。

-その『primary』の3曲からはグルーヴを含め、ブラック・ミュージックのエッセンスを感じたのですが。

田村:どの曲ですか?

-3曲どれからも感じましたけど、一番は「Hopeless Raven」かな。

田村:タモツのハイハットが独特で、それがもしかしたらブラック・ミュージックを連想させるんじゃないかな。あのハイハットの取り方は珍しいと思うんですよ。

加勢本:ちょっと特殊ですよね。

田村:そう言われてみると、僕のベースもジャズ/フュージョンっぽいというか、Anthony Jacksonみたいなグルーヴになっているかもしれない。音色は全然違うので、ぱっと聴いてもわからないと思うんですけど、思い返してみたら、そういうフレーズだなって今思いました。ギターのアルペジオもエレピの音色に変えても合うと思うので、そういった部分で、もしかしたらブラック・ミュージックを感じるのかな。あと、いつもは空白から自分のヴォーカルだけでメロディを作ろうとするんですけど、今回新しい試みとしてピアノ、ギターを使ってメロディを作ってみたんです。自分のメロディの作り方を、改めて鍵盤、指板上で見てみると、意外に狭いところでしか歌っていなかった。そこに自分でも気づいたので、今まで使えるのに使ってこなかった音域も含め幅が広がったというか、選択肢が増えたってところもありました。

-プログレッシヴ・メタルや、ラウドロックの熱心なスナーではない人たちにも届く魅力を持った3曲になったという印象があったのですが、今のお話を聞いて、今後みなさんがどんな曲を作っていくのかさらに楽しみになりました。5月16日のワンマン・ライヴ以降の活動については、どんなふうに考えているのでしょうか?

田村:まだまだどうなるかわからない状況ではあるので、有観客ライヴは以前に比べれば、少なくなるとは思うんですけど、コンスタントにやっていこうとは思っています。1ヶ月ないし2ヶ月に1回ぐらいになるのかな。その間に配信も挟んで歩みは止めないようにしたいと思っているんですけど、同時にライヴができない時間をチャンスと捉えて、制作にもどんどん力を入れていっている最中です。次の作品がフル・アルバムになるのかどうかってところはありますけど、さらに新しい試みも含め、着実に次のリリースに向けて動き出しているので、期待して待っていてほしいですね。

LIVE INFORMATION
"ulma sound junction One man Live 2021 May"

5月16日(日)渋谷CYCLONE
OPEN 17:30 / START 18:00
[チケット]
前売 ¥3,500 / 当日 ¥3,800(D代別)
配信チケット ¥2,500
※感染症対策のため人数を制限して開催いたします
・来場者には記念カード配布予定
e+チケットはこちら
配信チケットはこちら


RELEASE INFORMATION

ulma sound junction
1st EP
『primary』
ulma_primary.jpg
NOW ON SALE!!
ULMA-0002/¥1,500
※配信リリース
※CDは下記のバンド・オフィシャル・オンライン・ショップにて販売中
購入はこちら

1. Perfect Rapture
2. Ash and Me
3. Hopeless Raven
配信はこちら