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INTERVIEW

miscast × Sxun

2020.05.18UPDATE

2020年06月号掲載

miscast × Sxun

miscast:うたげ ichika えむこ Taki
Sxun
インタビュアー:荒金 良介

名古屋を拠点に活動する次世代のロック・アイドル4人組、miscast。彼女たちがSxunのサウンド・プロデュースにより「ミッドナイト・スルー・ザ・ナイト」、「S.O.S」、「Mythology」の3曲をデジタル・リリース! ピコリーモを主軸に、ダンサブル且つメロディアスな幅広い音楽性でシーンに斬り込もうとする、期待のニュー・フェイスと言えるだろう。6月には1周年1stワンマンも控えている。今回はmiscastのメンバー4人に加え、Sxunをゲストに招き、話をうかがった。

-miscastの成り立ちから聞きたいんですが、グループ自体は19年6月にデビューしたそうですね。

ichika:はい、"mistFES2019"という私たち主催のフェスでデビューしました。その6月の時点では別の子がいたんですけど、それから9月にTakiちゃんが入ったんです。

-今の4人体制になって変化した部分は?

うたげ:"歌が上手い子が欲しいね"と話してて、私の知り合いであるTakiちゃんを誘いました。今のメンバーになって、欲しかった歌唱力が加わり、すごくバランスは良くなりましたね。

ichika:前のメンバーはまたタイプが違ったんですよ。当時は当時で良かったけど、Takiちゃんが入ることで空気が変わったというか、形になった気がしますね。

えむこ:ライヴのクオリティも上がったし、自分自身も頑張ろうと思えました。Takiちゃんは元気一杯だから、空気も明るくなったし、もっと楽しくなりましたね。

Taki:正直入る前は不安だったんですけど、メンバーが温かく迎えてくれたし、自分もそのままでいられましたね。曲も好きなので、今は楽しいです。もともと女性アイドルが好きで、憧れもありましたしね。

-miscastはいわゆる王道のアイドルとは違いますよね?

Taki:私はバンドも好きだし、miscastの音楽性も好きですね。アイドルもAKB48みたいな王道系ではなく、WACKのGANG PARADEさんが好きで......。

-最近、ふたつのユニット(GO TO THE BEDS、PARADISES)に分かれましたよね。

Taki:そうなんですよ! あと、我儘ラキアさんのライヴを観て、星熊南巫さんのパフォーマンスがすごくて。理想の人ですね。

-他のみなさんの好きなアーティストというと?

うたげ:私はメタル、デスコアが好きです。ライヴはSEVER BLACK PARANOIA、Victim of Deceptionを観てました。激ロックでそのへんのバンドを知ったんですよ。

ichika:私は、アイドルを始める前はヴィジュアル系だったり、メロコア系のバンドを聴いたりしてました。今のmiscastがやっている音楽とは違うものを聴いてたんですよ。アイドルを始めてから、近いところだと、PassCodeの南 菜生さんもすごく好きですね。我儘ラキアさんも曲の傾向が似ているので好きです。

えむこ:バンドは今も聴かないんですけど、アイドルだとBiSHさんが好きです。自由な感じのライヴだったり、曲も結構激しかったり、ああいうアイドルになりたいですね。

-今回はSxunさんがサウンド・プロデュースを手掛けてますが、その経緯から教えてもらえますか?

Sxun:アイドルさんたちに"曲を作らせてもらえませんか?"と営業メールを送ったんですよ。その中で音速のスピードで返事が来たのがmiscastさんで、打ち合わせのときにエレクトロ/ラウドっぽいアイドルにしたいという話を聞いたので、その場で決まりました。すでにある程度の知名度があるアイドルさんや、ピンポイントで参加するよりは、始動間もないこれからというグループを手掛けたかったんですよ。最初のミーティングで話を聞いたら、俺っぽい曲でいいと言っていただけたのでとてもありがたかったです。

-miscastのメンバーはSxunさんが曲を手掛けることになったとき、どう思いました?

うたげ:昔からベガスさんが好きなので、学生時代にめちゃくちゃ好きだった人の曲を歌えるんだって。今の自分の実力で歌っていいのか不安だったけど......Sxunさんも気さくな人で、いろいろ考えてくれたので、もっと頑張りたいと思いました。

Taki:私もベガスさんを聴いていたので、最初は何が起きているのかわからなくて。なんでSxunさんが楽曲提供してくれるのかなって思いました。でも、ベガスさんの楽曲が大好きだったので、嬉しかったです。

ichika:私は、そういう音楽を正直あまり聴いたことがなくて......周りのバンド好きの友達は聴いていたんですよ。メンバーも言っていた通り、私もまさかと思いましたし、本当に夢みたいな話だなと。

えむこ:オートチューンを使った楽曲をずっとやりたかったんですよ。PassCode、我儘ラキアさんの曲もオートチューンが入ってますからね。あと、Sxunさんは面倒見も良くていい人だったので、任せられるかなと思いました。

-今回は3曲プロデュースしてますが、最初にできた曲が「ミッドナイト・スルー・ザ・ナイト」ですか?

Sxun:そうです。何曲か作らせてもらえることになっていたので、まず、ど真ん中のストレートを投げようと思ったんです。今後、曲が増えて"どんなジャンルをやってますか?"と言われたときに、基準になる曲を作りたくて。この曲はストックから出したんですけど、5年前から曲の原形があったんですよ。サビのパートはずっと温めていたものですね。出しどころは何度かあったけど、違うなと思ってやめたんです。今回は自分的にも"ここだ!"というフィット感があったから、話をいただいたときに、この曲にしようと決めました。

-「ミッドナイト・スルー・ザ・ナイト」は自分の中の王道感のある曲で勝負しようと?

Sxun:そうですね。自分らしい曲を作るしかないし、いい曲を作ろうという部分にフォーカスしました。今回は自分がバンドをやり始めた頃に好きだった音楽に立ち返ったというか、曲を作り始めた初期の頃に戻った感覚です。なのでそこまで凝ったフレーズは入れてないですね。

-当時、Sxunさんが聴いていた音楽は?

Sxun:その頃"頭文字D"にめちゃくちゃハマってて、かっこいいBGMが作品の中で流れるんですけど、こんな曲を作りたいなって。四つ打ち、エレクトロ、キャッチー、そして、ちょっとダサいみたいな癖になる音は意識して取り入れました。タイトルの"ミッドナイト・スルー・ザ・ナイト"も英語にしたらめちゃくちゃな意味ですからね(笑)。語感と単語の雰囲気だけで決めたので、よくよく考えたら変やなってところも気にして聴いてもらえたらなと思います。

-「ミッドナイト・スルー・ザ・ナイト」のMVでは様々なギミックを施した映像も面白かったです。

Sxun:曲のメッセージ的にも、"自分の好きだった時代は色褪せない"というのが裏テーマでやっていたので、曲と映像でそのコンセプトは一貫しています。この曲っぽいイメージでやってくださいと伝えても、メンバーからすると何をやらされているかわからないみたいで、メンバーとのジェネレーション・ギャップが半端じゃなくて。スタッフさんたちは笑いながら撮っているけど、メンバーはなんのオマージュかわからないみたいな。だから、今の世代の子が観たら、新鮮に感じるのかなと。

うたげ:私は、片方は髪を下ろして、片方はお団子にしてて、"こんなの流行っていたの!?"って思いました。でも、自分たちより上の世代の人たちが懐かしいって反応してくれるから、あっ、そういうことなんだなって。

Taki:ライヴでやると、MVを出したせいか、みんな同じ振りをやってくれるんですよ。それがすごく楽しいですね。MVは何をやっているのかまったくわからなかったけど、ファンの方からすると、"懐かしい!"、"面白い!"というコメントを貰えたから。アメリカの教員番組みたいなシーンがあるんですけど、"Takiちゃんらしさが出てる"と言われたので、嬉しかったです。

ichika:すごくパリピな曲だなって。Sxunさんが言われたように"頭文字D"を現代化させた感じで、シャウトも入っていて、私たちらしく仕上げてくれましたね。あとMVはえむこさんとクネクネしながら絡み合うシーンがあるんですけど、それは個人的に頑張りました(笑)。"宇多田ヒカルさんの「Automatic」のMVみたいにクネクネして"と言われて......完成した映像を観るとすごく面白いなと思います。

-ええ、見どころの多いMVになってますよね。

ichika:MVもいろんな場所で撮ったし、衣装も凝っているし、独特な振付ばかりなので、ああいうのも目に止まるんじゃないかと。めちゃくちゃこだわった内容になったと思います。

えむこ:私も昔のものが受け入れられなかったけど(笑)、完成した映像を観たら感動しました。想像をいい意味で裏切られましたね。Sxunさん、ありがとうございました! って感じです。

Sxun:でも、えむこは途中で機嫌が悪くなって、ブチ切れてました(笑)。

一同:ははははは(笑)。

Taki:完全におもちゃにされてると思ってましたからね。撮ってるときも"いいよ!"と言いつつも、スタッフさんは爆笑してましたし。でも、途中から吹っ切ってやりました。