INTERVIEW
Leetspeak monsters
2020.03.20UPDATE
2020年03月号掲載
Member:D13(Vo/Rap) Yo'shmeer(Gt/Cho) Euskyss(Ba) DieWolf(Dr)
Interviewer:杉江 由紀
-なお、先ほど「Beltane」には詞にメッセージ性も込めたかったというお話が出ていましたけれど、この詞についてもう少し解説をしていただけますと嬉しいです。
D13:今回の「Beltane」はEuskyssが作詞も担当しているのですが、もともと、Leet(Leetspeak monsters)の楽曲は私が先に詞の原形を書いてそこにEuskyssが曲をつけるというかたちで、いわゆる詞先って呼ばれる作り方をしていたんですよ。そして、そこからさらにEuskyssが改めて詞を書き足していく作り方だったのですが。流れとしては、前作くらいからEuskyssも詞を書くようになったんですけど、やっぱりヴォーカリストからすると自分で書いたものじゃない言葉って馴染みにくかったりするのかな、という不安が初めはちょっとだけあったんです。だけど、これまでに僕の作る詞を散々Euskyssは見てきてますからね(笑)。なんか、できあがったものを見たら普通に自分が書いたのかな? って思うくらい似てました。
Euskyss:書きながらD13の声を想像してると、こうなっちゃうんですよ(笑)。
D13:今回は、途中でそれの逆みたいなことも起こりましたけどね。Euskyssが作ってきたデモの仮歌に寄せる感じでレコーディングしたら、"そんなにかわいい感じで歌っちゃダメ!"って言われて(笑)。Euskyssの仮歌がかわいい感じだったから、それに寄せて歌って自分的には"なかなかいいな!"って満足してたのに。
Euskyss:いやほら、これは曲のキーが高いから。僕はD13みたいに上手く歌えないから、無理に歌おうとするとどうしても裏声になっちゃうんですよ(苦笑)。そうしたら、結果的にかわいい感じになっちゃったっていうだけの話です(笑)。
-英語詞の曲も多いLeetspeak monstersですが、「Beltane」は日本語詞がとても明瞭に聴こえてくる印象です。中でも、"歌を歌えば祈りに変わり 進むべき道を照らして"という1節は素敵ですね。
Euskyss:前作のアルバム(2019年10月リリースの『Monster's TheaterⅡ』)くらいから、歌詞の内容というか視点が変わったんです。以前は、僕らの世界のことを伝えるための詞が多かったのに対し、最近は聴いてくれる人たちや、普段ライヴの会場に来てくれているお客さんたちに向けて発信する言葉、その人たちに共感してほしい詞が増えてきたんですよね。日本語が増えた理由もそこと繋がっていて、今回のリード曲「Beltane」に関しては特に、ここから初めてLeetspeak monstersを聴いてくれることになる人たちにとっても、歌ってる内容がすっと入っていきやすいものにしたかったんです。
D13:単純に、音に乗せやすいっていう意味では英語のほうがしっくり来やすいし、だからこそずっと英語メインでやってきたんですよ。でも、ほかのいろんな日本のアーティストの方々の曲や、昔からずっと歌い継がれてきているフォーク・ソングなんかにしても、ちゃんと日本語独特のグルーヴを生かしたうえで成立しているものも多いわけですからね。だから、前は日本語詞を書くにしてもまずは英語で作ってそれに近い日本語を当てはめたりしていたこともあったんですけど、今はどっちの言葉でも自由に行き来ができるようになってきたんで、まずは伝えたいことがなんなのかというところからスタートして、それぞれの曲に最も適した詞の作り方ができるようになりました。
-今のお話の本筋についてはとても頷けます。ただし、"モンスターが日本のフォーク・ソングを知っている"という点だけは少し驚きましたけれど(笑)。
D13:聴きますよー! なんなら演歌も好きです(笑)。
Yo'shmeer:結構なんでも聴くもんね(笑)。
変化も欲しいし、新しいものを生み出していきたい
-さて。今回のシングルの場合は日本語が前面に聴こえてくるリード・チューン「Beltane」に対して、「Perfect Night」のほうは英語詞で構成されております。しかしながら、内容としては「Perfect Night」でもベルテーンのことが描かれていているように感じられました。この2曲の詞は相関関係を持っていたりしますか?
Euskyss:直接的に繋がっているわけではないんですよ。というか、別のことを描いてはいるんですけど......。
D13:両方とも、"夜"がテーマだったっていうことなんでしょ?
Euskyss:そうだね、そういうことになるんだと思う。
Yo'shmeer:僕はこの"Perfect Night"っていうタイトルが好きですね。すごくいい言葉だと思います。
-「Perfect Night」はシャッフルの質感を生かした曲となっておりますが、この躍動感を醸し出すためにみなさんが心掛けられたのはどんなことだったのでしょう。
DieWolf:「Perfect Night」に関しては、アタックを早めたり、スティックのトップ・スピードを上げたりして疾走感を大事にしました。一音一音でキレの良さを出していくようにしてます。
Euskyss:ベースはあんまりグイグイ前に出るというよりも、ルートを軸に土台をしっかりと骨太に固めるような感じで弾きましたね。
Yo'shmeer:リズム隊がしっかりしてくれているぶん、ギターは自由にやらせていただいてます(笑)。結果として、すごくLeetspeak monstersっぽい曲になっちゃいました。
D13:「Beltane」がわりと新しいLeetspeak monstersだとすると、「Perfect Night」はLeetspeak monstersにとっての王道なヤツです(笑)。
Euskyss:今日のこの取材には間に合わなかったんですけど、今回のシングルにはもう1曲入ることになっていて、そっちがまた「Beltane」とは別の方向で今までにはないタイプの曲になりそうなんですよ。それだけに、3曲のうち1曲は王道なのがあってもいいなと思って作ったのが「Perfect Night」だったんです。
-もし宜しければ、そのもう1曲の新曲のテイストがどんなものになりそうなのかも少しだけ教えていただけますか?
Euskyss:作ってる自分が言うのもなんですけど(笑)、不思議な曲になりそうです。
Yo'shmeer:リズムとしては、あれは四つ打ち?
-つまり、踊れそうな曲調になりそうだということでしょうか?
DieWolf:クラブっぽい感じ?
Euskyss:っていうのともまた違うんだけど、なんか不思議な面白い感じです(笑)。
-いずれにしても、今回のマキシ・シングル『Beltane』はLeetspeak monstersにとっての新局面がふたつも切り出されることになるわけですね。
Yo'shmeer:去年の春に出した『13th Friday night』(3rdマキシ・シングル)あたりから、シングルでは新しいことを積極的にやるようになったんですよ。
D13:やっぱり、常に挑戦してないとね! 変化も欲しいし、新しいものを生み出していきたいので、今回の『Beltane』でもその姿勢は貫きました。
-挑戦といえば。先だっては、ヒプノシスマイクのナゴヤ・ディビジョン"Bad Ass Temple"のCD『Bad Ass Temple Funky Sounds』に収録された四十物 十四(CV.榊原優希)「月光陰-Moonlight Shadow-」の楽曲を、Leetspeak monstersとして提供されたそうではないですか。そして、4月2日にはこれを記念する意味でもある無料ワンマン・ライヴ"《入場無料LIVE》『Welcome to GRAVETOWN』~迷い子達へ贈る死人の晩餐~"が新宿BLAZEにて行われるそうで。
D13:4月2日=死人の日の無料ワンマンは、ヒプノシスマイクを通じてLeetspeak monstersのことを知ってくれた人たちが来やすいように、ということで企画したものですね。もともと僕らはロック・バンドとして活動してきて、そこからここ数年はヴィジュアル系の世界でやるようになってきただけに、もういよいよジャンルとか関係なくどこでも行けんじゃねーの! っていう気持ちで最近はやってます。
-さらに、来たる7月5日には4月から始まるツアーのファイナルとしてマイナビBLITZ赤坂での"Leetspeak monsters ONEMANTOUR 『Welcome to Monster's Theater 2020』 TOUR FINAL"を行うことが決定したそうではないですか。
D13:会場が大きくなると、ステージの上も広くなるんで、見せ方としてはライヴでも僕らの棲んでるグレイヴタウンのことをみんなにもっと深く知ってもらえるようなことができるんじゃないかと思うんですよね。前回のワンマン・ツアーでは2部制でミュージカルっぽいことなんかもやって、全員が楽器を置いて踊るっていうこともやったんですが(笑)、今後はさらにライヴの面でも新しいことや他のバンドではやっていないようなことをいろいろやっていきたいと思ってます。もちろん、時にはやってみて"違ったな"ってなることもあるかもしれないですけど、何をやるにも、やるならとことんまで振り切ってやっていきたいんですよ。
Yo'shmeer:Leetspeak monstersはもう、テーマパーク並になんでもアリですからね。僕なんか、この格好でオリジナルの演歌を作って歌ったこともあったし(笑)。でも、ある意味それってヴィジュアル系としては本来的なあるべき姿なんじゃないかと僕は思っていて、自分たちが思いついたことを自由にやれるんだとしたら、他にもっと何ができるだろう? っていうところにすごく燃えてます!
DieWolf:この見た目でこの音で、ライヴでも他にはないことをやってます、っていうのはこのバンドにとって大事ですからね。
Euskyss:自分たちも楽しみながら、お客さんも楽しんでくれるのが一番です。
D13:まぁ、そこは我々って人間じゃないからな。モンスターだから、今後もいろいろ人間離れした楽しいことをあれこれやっていけると思います。見た目はコワイかもしれないけど(笑)、やってるライヴ・ショーはハッピーで面白いよ!!