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INTERVIEW

HER NAME IN BLOOD

2018.04.04UPDATE

2018年04月号掲載

HER NAME IN BLOOD

Member:IKEPY(Vo) DAIKI(Gt) TJ(Gt) MAKOTO(Ba) MAKI(Dr)

Interviewer:吉羽 さおり

-MAKIさんは制作やレコーディングを通して、HNIBらしさをより実感することはありますか。

MAKI:世間のイメージ的なところでもあると思いますけど、ギターやヴォーカルを軸にして曲が作られてくるので。それが一番のHNIBらしさだろうなというのは思いましたね。ただそれにドラムをつけるのが、結構大変で。今までは、ドラムが主張しても良かったところがあると思うんですけど。特に、前回のEP『FROM THE ASHES』(2017年リリース)から『POWER』に関しては、より生かすべきところを生かすようなドラムを叩かなければいけないところが増えたので、HNIBらしさを強調するという面では大変でしたね。

-メタリックなものやヘヴィなものだけじゃなく、今回はアメリカン・ロックの大らかさというか、いい意味での大振りなスケール感やグルーヴがかなり出ているんですよね。このあたりは新鮮でした。

TJ:ありがとうございます。アメリカ人も踊らせるために、というイメージをした曲もありましたね。

MAKOTO:影響源として、特にギターのふたりは、ハード・ロックであるとかアメリカの王道チューンみたいのを通っているんです。スタジアム的なサウンドというか。

-今回エンジニアが曲によって違いますが、特に王道のスケール感のある曲をTom Lord-Algeさんが手掛けているのがど真ん中で、ハマっているなと思いました。

MAKOTO:Tomが手掛けるアーティストはそういうスタジアム級のアーティストが多いので。当然彼に振ったらいいものが返ってくるだろうという予想はついていましたしね。

TJ:『BAKEMONO』や『FROM THE ASHES』でもお願いしているんですけど、Tomの生の響きの良さがすごく好きだったし。「KATANA」とか、スタジアムで響いたら気持ちいい曲は、絶対Tomにやってほしいなと思っていたんですよね。

-Tomさんの手掛けた曲は、「KATANA」もそうだし、最後の「SIMPLE THINGS」がその最たる形ですよね。しかも、「SIMPLE THINGS」はかなり意外な曲で、今までならバンドで形にしなかったような曲ではないですか。

TJ:攻めましたね。ただ個人的には好きな曲調だったりするんです。この曲は自分が持ってきたものだったんですけど、これまでなかなかIKEPYが1曲通してすべてメロディで歌う曲がなかったので、そこに挑戦したいというのがあって。

IKEPY:TJとふたりでやりとりしながら作りましたね。でも、メロディアスに歌う曲をやりたいねという話は前からしていたんです。今回、それがやっと実現できたというのはありますね。

TJ:しかも明るいメジャー・キーの曲でね。

DAIKI:仮タイトル、"爽やか"でしたからね(笑)。ツアー中、ホテルの同室でTJが横で作業してるのを聴きながら、"それをIKEPYが歌ったらいい感じなんじゃないの?"って話してましたね。

MAKOTO:うちは、ギターふたりと自分という3人のコンポーザーがいて、いろんなアプローチで作っていくんですけど、今回さらにIKEPYとTJというタッグが生まれた曲でもありますね。

-そのふたりで制作を進めるのも自然な形だったんですか。

TJ:そうですね、さっきIKEPYが言っていたみたいに、ずっとやりたいねというのはあったんです。一緒にカラオケに行くことが結構あって──

IKEPY:結構ではないな、2回くらいじゃない。

TJ:仲いい感じ出そうよ(笑)。IKEPYがカラオケで、玉置浩二さんとかNICKELBACKを歌っていたんですけど、めっちゃ上手いなと思って。

DAIKI:いつもIKEPYは玉置さんを歌ってる設定になってるよね。

TJ:いや、本当に歌ってるの! そこから、IKEPYがメロディアスに歌う曲をやりたいなと話していたんです。

MAKOTO:曲のコンセプトとしても、ハード・ロック・アルバムに必ず入ってるカラッとしたいい曲というか。例えば、MR.BIGで言うと、「Green-Tinted Sixties Mind」とか「To Be With You」とか。SKID ROWで言うと、「I Remember You」とかね。

TJ:あとは、明るいメジャー・キーだけど切なさもあるような。そこをうまく出したいなと思っていて。いい曲になったなと思います。

-そうですね、この「SIMPLE THINGS」がアルバムの最後に来て、映画のエンドロールが流れているようなイメージで、ぐっときます。IKEPYさんも歌い甲斐がある曲ですね。

IKEPY:そうですね。歌詞もまたいい感じなんですよね。