INTERVIEW
FATE GEAR
2018.04.02UPDATE
2018年04月号掲載
Member:Mina隊長(Gt/Composer) Nico(Vo) Erika(Ba) Haruka(Dr) Yuri(Key) 荊(Guest Vo)
Interviewer:杉江 由紀
-もしや、そのテーマはアルバムのアートワークにも反映されていますか。
Mina隊長:そこはどちらかというと、スチームパンクの方に寄ったイメージですかね。
Haruka:あぁ、でも言われてみるとわりと復興っぽいイメージはあるかもしれないです。
-なんでも、こちらのジャケ写はHarukaさん作のイラストだそうで。
Nico:彼女はプロのイラストレーター/デザイナーでもあるんですよ。
Haruka:今回は、隊長(Mina隊長)から"飛空艇から海を見ている場面"というイメージを提示されたので、それに沿って描いていきました。
-ところで、また楽曲の方に話を戻させていただきますが、今作の中にはいわゆる書き下ろし曲も収録されているわけですよね?
Mina隊長:もちろんあります。9曲中6曲が書き下ろしです。メイン・コンポーザーが私なので、まずはある程度のところまでパソコンでデモを作って、そのデータをメンバーに送るかたちをとっています。
-そのデモを受けて、各メンバーがどのように今回のアルバム制作に取り組んでいったのかも教えていただきましょう。まず、ドラマーであるHarukaさんは2曲目のタイトル・チューン「7 years ago」や4曲目の「Heart's Grave」など、計7曲でプレイをされています。レコーディングの際、特に重視されていたのはどんなことでしたか。
Haruka:デモの段階でMina隊長がドラム・パートをしっかり固めてきてくれているものもあれば、曲によっては私がいろいろといじれるような余白を作ってくれているものもあったので、後者の場合は自分の中にある引き出しをあちこち開けながらフレーズを固めていったんですよ。今回はアレンジをガッツリやらせていただいた曲もあったので、そこはちょっと大変でしたけど(笑)、叩いていくときにもとてもやり甲斐がありましたね。
Mina隊長:FATE GEARにはKurumiちゃんという、コンポーザーおよびプログラミング専門のプロジェクト・メンバーがいまして、彼女はもともとバンド形態のころにキーボーディストとして活躍してくれていたんですね。そのKurumiちゃんが作った「嵐音 -arashine-」と、「Little Spring」という曲のアレンジを、今回はHarukaちゃんが両方とも軸となってやってくれているんです。
-そうなると、Erikaさんのベース・フレーズはドラム・パートが完全にできあがってから練っていくことになったのでしょうか?
Erika:そこは曲によりけりでしたね。「7 years ago」と、「Chained-Destiny」と「Fenixx 2011」はHarukaちゃんと一緒にスタジオに入って同時に録りました。
Haruka:1日で3曲やったよね。それも6時間くらいで(笑)。
Erika:これまでは、ドラムの録り音を貰ったあとにベースの音をつけていくやり方しかやっていなかったので、一緒にスタジオに入って録るというのは独特の緊張感があって、本当にとてもいい経験になりました。思っていたより、すんなりレコーディングが終わったのも自分では意外でした。
-きっと、それだけErikaさんのスキルがこのレコーディングまでに向上していたところもあったのかもしれませんね。
Erika:だとしたら嬉しいです! そうであると信じたいですね(笑)。
-それにしても、今回はなぜリズム隊の録りを同時にされたのです?
Mina隊長:サウンドの面でライヴ感を大事にしたかったんですよ。だから、ギターも今回は録り方を変えました。多くの場合、録ったあとに結構編集しちゃったりするじゃないですか(笑)。今回はそれをやっていません。
-ずいぶんと潔いですね。
Mina隊長:そうですね(笑)。フィンガー・ノイズのキュッ! という音が入っちゃったとしても、あえて消さずにそのまま入れちゃってます。あとは、メタル系のギタリストというとソロに力を入れる方も多いと思うんですけど、実は私はリフを弾く方が好きだったりするので、バッキングにも比重を置きながら弾いていきました。
-当然どの曲も手塩にかけたかわいい子供たちだとは思いますが、Mina隊長の個人的な推し曲/推しプレイがあればぜひ挙げていただけると嬉しいです。
Mina隊長:もちろん全部を推したいところなんですが(笑)、強いて挙げるなら3曲目の「心葬」ですかね。今までの自分からは出てこなかったタイプの曲で、バッキングも重めなんですよ。チューニングは下げていないんですけどね。というか、基本的にFATE GEARの曲はどれも半音下げなんですけど、それ以上のダウン・チューニング自体はしなくても重さが出るような工夫をして、レコーディングでは弾いていきました。
-FATE GEARの"ガールズ・スチーム・メタル楽団"という指針を支えていくうえでは、キーボードの醸し出すファンタジックな要素も相当に重要なものかと思います。Yuriさんが、今作を仕上げていく際にこだわったのはどんなことでしたか。
Yuri:このバンドにおいては、私からすると音的にはギターに一番目立ってほしいなという気持ちがあるので、バランス的にキーボードの音がそこまで表立った曲というのはないと思うんですよ。そして、前作ではKurumiさんが考えていたキーボード・パートを今回は私がすべて考えていく必要があったので、音を作っていくうえでは足し算、引き算を綿密にやっていくことになりましたね。