INTERVIEW
FEST VAINQUEUR×PABLO a.k.a. WTF!?
2018.02.13UPDATE
2018年02月号掲載
Member:FEST VAINQUEUR:HAL(Vo) GAKU(Gt) I'LL(Gt) HIRO(Ba)
プロデューサー:PABLO a.k.a. WTF!?
Interviewer:荒金 良介
-曲の硬質感を出すにはメタル・ピックが最適だと?
PABLO:硬質感は絶対そうですね。ピックの世界も奥深いんですよ。
GAKU:音が変わりますもんねぇ。僕もレコーディングでEQをイジるよりも、先にピックを換えたりして。
PABLO:そうそう。べっ甲もクリーンのアルペジオを弾くときはすっごくいいよ!
GAKU:あぁ、そうなんですね。
PABLO:レコーディングでは必ずべっ甲のピックも使うね。
-PABLOさんはクリーン・トーンのギターも得意ですもんね。
GAKU:それが「SHADOW」のイントロ、アウトロに出てますからね(笑)。
PABLO:系譜で言うと、INORANさん(LUNA SEA/Gt)にすごくお世話になってて。FAKE?というバンドで最初にサポートをやってましたからね。僕、アルペジオがくっそヘタで、(FAKE?で)同じフレーズを弾き分けたときにINORANさんが弾くと、全然違うんですよ。それを見て、俺もうまくなろう! と思いました。
-FAKE?で学んだことも多かったんですね。それがPTPにも生かされて。
PABLO:そうですね。かなり勉強になりましたね。
メンバー全員が作曲するので、7色のカラーを出せるよう意識した(HIRO)
-今作はバラエティに富んだ内容ですが、冒頭を飾る「SHADOW」は特にヘヴィさが強調された楽曲ですね。それと同時にメロディアス且つドラマチックな側面もあり、凝った曲展開で引き込まれます。
HIRO:メンバー全員が作曲するので、7色のカラーを出せるように楽曲をセレクトして、曲の並びも考えました。曲もそうですけど、ドラマーが違うと、こんなに色が変わるんだなって。「SHADOW」のドラムを青山(英樹)さんにお願いしたのは、以前にヴィジュアル系バンドをやられているときに対バンしたことがあって。当時からこの人はすごいな! と思ってたんですよ。それで青山さんに声を掛けました。音に関しては特に竿隊のミックスを聴くと、他とは違うんですよね。ギターの音作りに関しても、ふたり(GAKU、I'LL)は影響を受けたんじゃないかな。録り音自体が圧倒的に良かったですからね、それはPABLO流だなと。
GAKU:闇雲にローにしてもヘヴィにならないし、僕はリズムでヘヴィさが出るということがわかりました。すべての縦が揃ったときにズン! とくる。これがヘヴィネスかって。バッキングのときにもPABLOさんに厳しく注意されたのはリズムでしたからね。それがヘヴィさの種明かしなのかって。いろんな要素が合わさって、ヘヴィになるんだなと。
PABLO:理論もあるけど、曲に呼ばれて(自然に)やってる部分もあるんですよ。今回の曲で言うと、冷たくて、暗くて、痛くてみたいな。歌詞の内容のままというか。
-今作はいろんな意味で生々しい歌詞が多いですけど、「SHADOW」はメンタルの闇を生々しく描写してます。
HAL:パンチのある言葉を選びました。結果的に激しさのなかにメロディが際立つアレンジにしていただけたので良かったなと。
PABLO:そうだね。ここは歌、ここはギターって、はっきり分けてるんですよ。メリハリはわかりやすくしました。歌詞は客観的に聴いても、歌っていることがすぐわかるから、それがいいなと思うし、細かく言うと、譜割に対する歌詞の乗せ方もうまくて。
HAL:今までの表題曲も激しいものはあったけど、ギターでドラマチックになっているところがかっこいいなって。
PABLO:ギター2本でどこまでいけるかなと。よりハードに、4人の個性が際立つように考えたから。
-PABLOさんから見て、FEST VAINQUEURの魅力というと?
PABLO:誰かが強すぎるわけでも、弱すぎるわけでもない。そのバランス感がよくて、すごくやりやすかったんですね。あと、何がFEST VAINQUEURたらしめているかと言うと、歌だと思うから。そこを強くすれば、かっこ良くなるだろうなと。そういう意味で今回はうまくいったんじゃないかな。
HAL:自分たちがいままで培ってきたものと、PABLOさんのプロデュースがいい形で融合できたと思いますね。