INTERVIEW
SPYAIR
2015.03.20UPDATE
2015年03月号掲載
Member:IKE (Vo) UZ (Gt) MOMIKEN (Ba) KENTA (Dr)
Interviewer:沖 さやこ
-Track.2には「GLORY」のZepp DiverCityでの復活ライヴの音源が入っています。わたしはこのライヴを映像で拝見しましたが、お客さんの声援と、かっこいいだけではない人間臭さの出たステージが感動的でした。
IKE:やっぱりワンマンは違いましたね。その前にも何本かイベントは出たんですけど、あの日は"復活なんだなあ"と。めちゃくちゃ緊張しました。自分がライヴをできるのか、人前に立てるのか......あとは"ごめん!"という気持ちの緊張と、ぐちゃぐちゃでした(笑)。それをどうステージで表現できるのか――それはやっぱりきちんと歌って伝えることだと思ったから、そこにしっかり熱を注ぐ。あんまり余計なことを考えないようにするので精一杯でした(笑)。
UZ:このライヴは今までのツアー以上に気を遣って、準備をしたんです。これで大丈夫だろうと万全の気持ちで挑んだんだけど、ステージ立つと......やっぱり生なんですよね。練習の段階では"お、結構いい感じになってきたね"と思ってたんですけど、ステージ立ったらスキル的な部分がぼろぼろで。"あ、今の俺はここでミスっちゃうんだ......""ここやれなくなってるんだ"とか、そういうことでどんどん気持ちが......。
KENTA:わかるわ~。"ここ俺ミスっちゃうんだ"ってすげえわかる(笑)! 前は全然できてたのに、ってね。
UZ:そういうことがあったから、すごくお客さんに"ありがとう"と思ったし"ごめんな"と思ったし。来てくれた人の期待に応えたい気持ちはすごくあったんですよ......けど、"ごめんなこんな俺で!"って(苦笑)。でもあの景色も、この4人でステージに立てていること自体もある意味奇跡だったし、Zepp(DiverCity)に3,000人も集まってくれることも奇跡だから、それに素直に喜んでいる自分もいました。でも、イヤモニで自分の音を聴いてるとそういうことが見えなくなる瞬間も......そんな繰り返しでした(笑)。
KENTA:だからあの日のライヴは落差が激しかったね(笑)。
UZ:だから早くツアーをやって、早くいいものを届けたいなという気持ちが湧いてきました。
-SPYAIRは聴いている人の背中を押したり、引っ張っていく力があるバンドでしたけど、あの日のライヴは自分のために、バンドのために歌っているように見えました。だから休止前よりも歌詞が伝わってきたんです。
IKE:状況によって言葉の刺さり方が変わることはありますよね。今の俺らはめっちゃいい状況というわけじゃないじゃないですか。そういうことが想像できる中で、ツアーをしていくのは、今までとはきっと違うと思うし。
-実際お話を伺って、今のSPYAIRにはたくさん課題があることを肌で感じています。
UZ:思うように動かないところはたくさんあるんだけど、こうやって音楽できるってやっぱり幸せだなあって。今はそういう充実感をもって活動しているので、そこは安心してもらいたいです。
IKE:本当、音楽の大事さを噛みしめてます。去年の5月に歌と向き合わなくする選択をしたので、音楽を聴けなかったんです。そこからリセットできて、今"歌は気持ちいいな"というのを取り戻してるかな......うん。いい声が出たときは気持ちいいなと思うし、ライヴのステージは(自分の歌が)誰かに伝わったであろうという特別な感覚があるので。レコーディングの仕方や、マイクの乗せ方も変わってないけど、歌への向き合い方にには"変わったものがあるかなあ"と思ってます。
UZ:今は制作をしていて、曲もできてレコーディングもしていて。どんどん新しい曲をため込んでます。
-安易な言葉で申し訳ないのですが、"SPYAIRが復活できて本当に良かった"ということに尽きます。
UZ:激ロックとかで知り合いのバンドが表紙をやっているのを見ると、目を逸らしてたんですよね。これからやっと堂々と読めます(笑)。
IKE:あの時期は音楽雑誌からもTVからも逃げてましたもん。
KENTA:ちょっとも見れんかったもん。あそこでバンドが終わってたら多分一生見れなかった。
MOMIKEN:本当にそうだね。だから大好きなフェスも行けなくて。"KNOTFEST"とか、すごい観たいラインナップなのに気持ちが行けなかった。
IKE:この世界から逃げて生きてても悔しいだけだなと思って。だったらぶち当たってでも、音楽をやっていったほうが楽しいと思ったんです。