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INTERVIEW

SPYAIR

2015.03.20UPDATE

2015年03月号掲載

SPYAIR

Member:IKE (Vo) UZ (Gt) MOMIKEN (Ba) KENTA (Dr)

Interviewer:沖 さやこ

-サウンド・プロデューサーの大島こうすけさんのもと、SPYAIRど真ん中のサウンドに、いろんな仕掛けが効いた曲だと思いました。バンドが積み重ねてきたものがすべて入っていながら、新しさもあります。

UZ:セルフ・プロデュースでやれることを『MILLION』で結構やり尽くしたなってところがあって。"じゃあ次からどうしよう?同じように自分たちだけでやるのもありだけど、まだ攻めていきたい、どんどん新しい方向へ進んでいきたい"と思って。だから初めて仕事をするプロデューサーを迎えて、その人に委ねて制作を進めました。そういう意味で、今までのSPYAIRが軸にありつつ、いろんな要素や新しい挑戦が楽曲の中に閉じ込められてると思っています。

-最初からプロデューサーさんを入れるおつもりだったんですね。今回大島さんに依頼をした理由は?

UZ:信頼するレコーディング・エンジニアさんに紹介してもらったのがきっかけで。だからWANDSの元メンバーで、MAN WITH A MISSIONやKNOCK OUT MONKEYのアレンジをやっている人だというのも一緒にやり始めてから知ったんです。1回大島さんの思う通りにいじってもらって、そこから足し引きをして。でも最初に自分が作ったデモの印象からは大きく離れることなく、仕上げることができましたね。

-「ROCKIN' OUT」はシンセなどのいろんな音の仕掛けが、生々しいバンド・サウンドをより際立たせている曲だと思いました。

UZ:あ、本当ですか。それは培ってきたバンドの音が出てるんですかね。生々しいバンド・サウンドをそこまで出そうという気はあまりなかったんですけど。いい感じでシンセとかと融合できればいいなと思ってはいたんですけど。

-SPYAIRはそれをちゃんと融合させているバンドだと思っていましたが、今回はバンドの音とバンド以外の音のコントラストが面白いと思ったんです。MOMIKENさんのベースも、すごく動きがありますね。

MOMIKEN:今回はめっちゃ動いてます(笑)。これまで動くフレージングをあんまりやってこなかったんです。"ルートとかでガシガシ弾いているほうが聴かせたいものが聴こえるかな""ここのフィルはドラムに任せようかな"とか、そういうふうに考えてやってきてたんで。この曲はもともとアレンジやプログラミングが入っていた状態で、大島さんにプロデューサーとして入っていただいて。そこからボトムのあたりでやれることをいろいろ意見交換して。僕が今までやっていたことを他のパートがやってくれてるんです。例えばギターを精密に弾いてくれる中で僕は自在に動いてみたりして、曲自体の幅を広げてみたり。こういうアプローチをしたのは、この曲が初めてですね。

-ベースにはそういう挑戦があったんですね。確かにギターは精密に弾いていくループする感じが、ヒップホップ的な展開だと思います。

UZ:あ、そうです。ループ・ミュージックを意識してて。ベースとドラムは1番と2番全然違うから、ギターまでそうしちゃうとわちゃわちゃになっちゃうので。普段、ずっと同じトラックでメロディだけ変わるものを結構聴いたりするんです。そういう楽曲って、ギターは基本ずっと一緒のものが多くて。なので今回は、他がどう動くかで気持ち良さが変わってくる、というのをアレンジでやっていますね。

-それがSPYAIRの個性ですよね。激ロックでお馴染みのバンドで、UZさんみたいなギターを弾くギタリストはほとんどいないと思います。UZさんは曲が引き立つならギターが聴こえなくても構わない、といつもおっしゃっていますしね。

UZ:そうですね、その考え方が根本にあるから。俺は音楽愛や作曲愛はすげえあるけど、他のギタリストに比べるとギターそのものへの愛が少ないと思うし。でも昔に比べるとライヴで――「JUST ONE LIFE」みたいな4人で同期なしでバッ!とやる感じの楽しさを覚えつつあるんです。そういうものもやりたいし、トラックとして完成度が高いものもしっかりやりたいというのもあるから、いろいろできるようになってきたかな。また極端に音数が少ない楽曲もやってみたいし、ギター聴こえねえ!みたいな曲もやりたい(笑)。これからもどんどん自由にやりたいですね。だいぶ振れ幅は広がってきたと思うから、何やってもビビんない(笑)。

-ははは、本当にそれがSPYAIRの強みだと思います。KENTAさんは「ROCKIN' OUT」のドラムはどうあたりましたか?

KENTA:大島さんからもらう、自分が持っていない部分や、自分の知らない部分、経験から来るもの――フィルもリズムもすごく刺激になりました。大島さんが作ってくれたものを聴いたときに"あ、これがそのままできたらすごい楽曲になるだろうな"と思ったので、最初はまずコピーしてそれを吸収するところから始めて。あとはそこに自分のグルーヴをどれだけ乗せられるかというのが課題だった曲ですね。