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INTERVIEW

FOO FIGHTERS

2014.11.11UPDATE

2014年11月号掲載

FOO FIGHTERS

Member:Dave Grohl (Vo/Gt) Taylor Hawkins (Dr) Nate Mendel (Ba) Chris Shiflett (Gt) Pat Smear (Gt)

-アメリカを横断してアメリカの音楽を追求してそれを音と映像にしようなんていう"偉業"は、これまで誰かがやったなんて聞いたことがなかったのですが、そもそもこのアイディアを思いついたいきさつは何ですか?

Dave:数年前に、前作をうちのガレージで録音したことだね。とても楽しかったよ。レコーディングのちゃんとした環境から抜け出してガレージに入ったわけだから。ワクワクすることでもあったし、そういう環境でやるのは試練でもあった。不思議な感じだったよ。それで思ったのは、レコーディングの環境がその結果に大きく影響するんじゃないかってこと。ニューヨークで曲を録音したら、同じ曲をロサンゼルスで録音するのと違う音がするかもしれない。ナッシュビルでも。シカゴでも。そういう様々な場所が、何らかの形で音に影響を与えるんだ。それから、俺は『Sound City - Real To Reel』というスタジオのドキュメンタリーを撮ったんだけど、そこでスタジオの歴史について話している。それの反応がとても良かったんだ。音楽やレコーディング・スタジオのこと何も知らなかった人たちがその場所の歴史を高く評価してくれた。そこで働く人たちのこともね。そういう人のことを考えたことがなかったのかも知れない。お気に入りのTom Pettyのアルバムを聴いていても、録音された場所のことを考えたことがなかったって。だからこの映画を見せたら、その人たちは"ワォ! 彼がアルバムを作るために、この人たちのこんな努力があったなんて!"と言っていたよ。そういうアイディアを組み合わせて、新しいFOO FIGHTERSのアルバムをやりがいのある環境で作ってみようと考えた。そして各曲を録音した都市やスタジオを称えようってね。

-『Sonic Highways』というアルバム・タイトルに込められた意味は何ですか?

Dave:これが象徴していると思うのは、アメリカン・ミュージックの歴史がファミリー・ツリーみたいな感じだということ。誰もが何らかの形で繋がっている。だからBuddy Guyみたいなブルース・レジェンドでも、CHEAP TRICKのギタリストでも、THE DOORSの面々でも、PUBLIC ENEMYのChuck Dでも、みんな何らかの形で繋がっているんだ。そしてそれが何であれ、みんなを繋げているのは音のハイウェイ(ソニック・ハイウェイ)なんだよ。

-今作は8作目ということもありアートワーク中央にも"8"を描く建物がありますが、同時にこの建物は"無限"を意味する∞にも見えます。そういった意図はあったのでしょうか?

Dave:うん。

Chris:あれはDaveの家だよ。

Dave:そう、プールがあるんだ。無限のプールがね。なかなかクールだろう(笑)? というのは冗談で......。アイディアで遊んでいたんだ。8枚目のアルバムだからね。タイトルなんて要らないと思っていた時期もあったよ。空欄だけ作っておくのもどうかな、と。みんなそれを見て"8かな。8枚目のアルバムだし"なんて言うんだ。でも......。

Taylor:混乱させちゃうだろうね。今までタイトルのないアルバムを出した奴らもみんなそうだった。THE BEATLESの『The White Album』。

Dave:METALLICAの『Black Album』(=5thアルバム『Metallica』)

Taylor:LED ZEPPELINの4枚目も変な記号になるはずじゃなかったっけ?

Pat:そうそう。

Dave:あとLED ZEPPELINの『Presence』も、小さなオベリスクみたいなのが立ってたよな。

Taylor:デカくて黒い性具みたいな。

Dave:あれはいったい何だ? その周りに座って人々がそれを崇拝している。ほんと、ミステリーだよ。

-8都市を回って経験したこととは何でしょうか?

Dave:100人もの人に会ってインタビューを行ったんだ。クレイジーだよね。Buddy Guyから、PUBLIC ENEMYのChuck Dから、オバマ大統領から、SOUNDGARDENのChris Cornellから、Willie NelsonからBUTTHOLE SURFERSまで、本当にいろんな人たちと会って話をしたよ。1番面白かったのは、みんな一見まったく違う人たちに見えるんだけど、実は大筋のところは同じだったということなんだ。誰もが情熱的で夢見る人たちで、自分の人生の中に大切なものを見つけて、どんなことがあろうともそれを追っかけている。オバマ大統領なんて、アメリカ初のアフリカ系アメリカ人の大統領なんだよ。誰もが共通して持っているのは、夢を持ってそれを追っかけているところ。だから、インタビューの会話は素晴らしかったし、素晴らしいストーリーになったよ。

-オバマ大統領はどんな人でしたか?

Dave:素晴らしい人だったよ! 実は前にも会ってるんだ。ホワイトハウスで2~3回演奏してるし、ケネディ・センターでも2~3回演奏してる。彼は本当にナイスな人なんだ。彼に会って、目を見て、笑顔で話をすればわかるよ。今回もホワイトハウスに行ってインタビューをしたんだけど、"子供は元気? ああ、良かったね!"って感じで話しかけてくれて。インタビューの中でも"いつでも遊びに来てくれよ。ハングアウトしよう"って言ってくれたから、俺も"OK。ホワイトハウスに遊びに行くよ"って答えたね(笑)。"子供を連れて遊びに来てくれよ""OK"って。それで2週間後にホワイトハウスに遊びに行ったよ。彼はまぎれもなく生身の人間なんだよ。しかも良い人間なんだ。だからオバマ大統領にインタビューできたのは良かった。今回のドキュメンタリーのストーリーは、様々な世代によって語られるアメリカ音楽の歴史になるからね。だから、このストーリーの最後に、アメリカ大統領に向かってアメリカのことを聞くのは面白かった。アメリカはチャンスのあるところなんだ。俺にしてみても、ヴァージニア州の小さなベッドルームから出てきて、ロックの殿堂入りまで行くことができたんだから。ルイジアナの綿花畑から出てきて、ブルースのレジェンドになって、ケネディ・センターに行く人だっているんだ。そういういろんな人の話をインタビューで聞けたんだ。素晴らしかったよ。