DISC REVIEW
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余分なものをそぎ落とし、初期衝動を剥き出しにした前作で、すっかりデトックスした印象のFOO FIGHTERS。一時の休息期間を経て、ゼロからスタートした彼らが新たに始めたプロジェクトは、結成20周年を飾るに相応しい、アメリカン・ロックを旅するロード・ムービーだった。8つの都市を巡り、それぞれの都市でインスパイアされた楽曲を、様々なゲスト・ミュージシャンを迎えてレコーディング。骨太なハード・ロックはもちろん、ニュー・ウェイヴの色気にブルージーなグルーヴや、心の故郷に寄り添うカントリーの調べ......壮大なアメリカの大地とそこに息づく音楽の歴史を、鬼才Dave Grohlのフィルターを通して体感できる大作に仕上がった。アルバムと同時に制作されたドキュメンタリー・フィルムも要注目だ。 山本 真由