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INTERVIEW

SPYAIR

2013.11.08UPDATE

2013年11月号掲載

SPYAIR

Member:IKE (Vo) UZ (Gt/Pro) MOMIKEN (Ba) KENTA (Dr)

Interviewer:沖 さやこ

-シンプルなものはひとつひとつのものが強くしっかりしてないと成り立たないですからね。

UZ:本当にそうなんです。この楽曲は実際誰もがスタンダードなことをやっているから、高校生のコピー・バンドでも平気で“「JUST ONE LIFE」を弾けるようになった”と言えるものだと思うんですけど、実際この曲を突き詰めようとすると、どんな曲よりも難しくて。そのバンドの裸の姿がそのまま出るから、10年後に演奏したらだいぶ渋みを増すんじゃないかな。だから面白味があるというか。

-カップリングの「Radio」はZIP FMとのコラボ・ソングですが、歌詞もラジオを取り囲むような内容になっていますね。

MOMIKEN:僕らはもともと愛知県出身なので、ラジオは車で聴く文化なんですよ。車に乗るようになってからラジオとは密接になりました。仕事行くときも、休日に出掛けるときも車に乗っているから、ずっとカーステでCDを聴いているとそのうち飽きるんですよね。気分も変えたくなるから、ラジオをつけっぱなしにするんですけど、そういうときの気持ちとか、その当時を思い出しながら書いていきました。特に僕らは聴いていたラジオがほとんどがZIP FMだったかな。だからZIPの思い出はすごく強いですね。

IKE:デートに行くときもバンドで野外ライヴに行くときも、車に乗ってるときはずっと流れてたかな。そこでいろんな海外のアーティストに出会えたし、新しい音や情報に触れられたので、そこで育ってきたのは紛れもない事実。このラジオ局がなかったら、今の楽曲たちが揃うことはなかっただろうから、デカいと思いますね。

UZ:ZIP FMを聞いていてよくある行為だったのが、まったく自分が知らない洋楽アーティスト――例えばHOOBASTANKの「The Reason」がラジオで流れて“何この曲、めちゃくちゃかっこいいな!”ってそのまま車でCDショップに行ってそのアルバムを買いに行く。NICKELBACKもそうだったんですよね。ラジオをきっかけにCDを買うことがよくありました。発見が多かったかな。

MOMIKEN:ラジオを聞いていていいなと思ったら、車のなかにいるから“じゃあそのまんまCDショップに行っちゃおう”と。

IKE:ラジオで曲を聴いて、アーティストとメロディを頭の中に入れてそのまんまCDショップに行くっていう、あの感覚は独特な気がする。

KENTA:他の媒体では絶対に成し得ないことだからね。

-いまバンドマンとしてラジオに対する期待や希望はどういうものでしょうか。

UZ:そんなことを偉そうに語れるわけではないんだけど(笑)、俺らも愛知にいるときは当たり前にあったものだから、この先も当たり前のようにあり続けてほしい。押しつけがましく“ラジオ聞いて!”と宣伝してほしくないし、当然なくなってほしくもないし。これまで通りにいい曲を教えてくれて、楽しい時間を提供してくれる。そんな番組をいつまでも続けてほしいなと思います。

IKE:俺らいろんなラジオ局に足を運んでるんですけど、ラジオ局は本当になくならないでほしいなと切に思っていて。いちばん触れてきてるし、育てられているし、中の人の大変さを見ちゃってるから。その人たちにはラジオ局で発信し続けてほしいなとやっぱ思ってます……この曲はたくさん歌っていきたいですね。

-音も軽快で、ラジオから流れそうな、生活に寄り添うものになっていますね。歌詞もリスナーの生活に溶け込むような言葉なのですごく素敵だなと思って。

UZ:この話を頂いて、SPYAIRのこの先とかを一切考えずに、ZIP FMのことだけを考えていち作曲家として作ったつもりなんですけど。ラジオは朝から聞くこともあるし、深夜に聞くこともあるし。朝から車に乗ってラジオを聞いて、すげえ爽やかな気分になって会社に行きますってときに、気持ちよくなれるものを自分なりに目指して作っていきました。その一点だけを考えて。

MOMIKEN:ラジオをひとりで車で聞いたときに、ふと思ったことですね。ラジオを聞いていて“ああ、俺はいまから人生を生きていくんだ!”みたいな強いメッセージではなくて“あ~今日もいい天気! いいことありそうだな”という前向きになるような感覚。それくらいのほうがグッとくるなと思って書いていきました。

-そうなんですね。皆さんのエピソードを聞いて、愛に溢れていることにも納得できました。

UZ:はははは、愛しかないです(笑)。

-やはり愛知の存在は大きいんですね。

IKE:デカいっすよ、やっぱ。育ってきたところだし、俺らの音楽を1番最初に受け入れてくれたところだし。そこがあってこういうところに出てこれたと思ってます。街というよりは、人に感謝しています。