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INTERVIEW

MUSE

2012.10.11UPDATE

2012年10月号掲載

MUSE

Member:Matthew Bellamy (Vo/Key/Gt) Christopher Wolstenholme (Ba) Dominic Howard (Dr)

-「Big Freeze ~厳寒期の訪れ」は。

Matthew:「Big Freeze」、あれは間違いなく恋愛関係の歌だね。恋愛関係について歌ってる。恋人との関係の中で生じる対立について歌っているし、第二法則とエネルギーのメタファーを通じて(恋愛の)エネルギーを維持し続けようとするとか、そういった何やかやを歌ってる。うん、かなりパーソナルな曲だね。あれも僕たちにはレコーディングしていて本当に楽しかった曲で、というのもあの曲はアルバムの中でもよりシンプルなもののひとつだったし、ドラム•ビートも直球、ギターもヴォーカル•ラインもとても素直な、なんというかとてもメロディックな曲で。でも実はあの曲の構成は、聴けば分かるかもしれないけどゴスペル音楽にもかなり影響を受けていて。原曲はほとんどゴスペル曲みたく書かれたものだし、そこから始まってあの曲は最終的によりロックな曲に仕上がったという。

-「Save Me」と「Liquid State」は。

Chris:「Save Me」そして「Liquid State」は僕がこのバンドのために初めて書き、そして歌った曲だよ。うん、始めのうちは相当に奇妙だったね、言うまでもなくこれまではどの曲もMattが書き、歌ってきたわけで。だからバンドにとってもまったく新たな賭けという感じがあった。それでもこう、(Matt以外の人間が曲を書き歌うというアイディアは)これまで長いこと存在していたものの今回まで実現に至らなかった、そういうものだったんじゃないかと僕は思うよ。過去にも自分で曲を書いたことはあったけど、歌詞を書くのに悪戦苦闘して。だから、バンド側に提示できるくらいしっかりした曲がなかったんだ。でも僕個人が潜ったパーソナルな経験がいくつかあって、それらに詩のインスピレーションを受けてね。要するに……本当に“ちゃんと腰を据えて歌詞を書くぞ”って風に取り組んだのは僕にはあれが初のことだったんだ。自分には何か言いたいことがある、そんな風に感じたっていう。言いたいことを見つけるのに、しばらく時間がかかることだってあるわけで。それでも僕たちがこの2曲に取りかかり始めた時、きっとMattが歌いたがるだろうなと心の中で僕は思っていたんだ。ところが曲が発展するにつれて、しかも歌詞があれだけパーソナルなものだから、やはり僕が歌うのが理にかなっていたっていう。明らかに僕自身について歌っているような歌詞をMattが歌うのは、彼にしても妙だっただろう、と。で、Mattも僕が挑戦するのを熱心に勧めてくれて。嬉しかったよ。この歌詞を書いたのはお前なんだし、ってことはお前の歌なんだから試しに歌ってみないか、みたいなことを彼が言ってくれて。バンドにとっても素晴らしいだろうし、ライヴでやるのもグレイトなことだよね。というのもこの曲の間はMattもギターで好き勝手にやれるし、歌のパートになって急いでマイクに戻ることを懸念しなくたっていいわけで。とにかくこの曲はバンドにとって大きな一歩だと感じるし、将来的にもっと探っていければいい面だと思ってる。

-「The 2nd Law ~熱力学第二法則」を作ることで何を学びましたか。

Chris:アルバムごとに多くを学び、新しい何かに乗り出すんだと思う。だから、今回学んだことは必ずしも今後の僕たちが活用するものじゃないっていう。僕たちにとって音楽は常に教育なんだ。分かるよね。他に音楽はいくらでも存在する。過去から引っ張って来れるもの、聴くべきものはたくさんあるし、好きな音楽であれ嫌いな音楽であれ、音楽を聴くといつだって何かしら学ぶことになる。それが音楽ってものなんだ。音楽作りにおいて頂点を究められる人はいないんだよ。楽器の腕前を上げるのでも、歌唱力でも、あるいは曲作りでもプロデュースでも、常に上達することができる。改善の余地は常にあるし、僕たちが音楽作りをエンジョイしているのもそこなんじゃないかな、その、決して頂上に達した気がしないってところが。いつだってもうちょっと良くする余地がある、そう感じるわけで。他の人間がどう思おうが関係ないんだ。僕個人としてはそれが音楽作りの美しいところだと思うね、というのも何であれ頂点に達してしまったら“これで上がり、おしまい”みたいな感じになるし、そう感じるのはとても困難なことだから。“さて、これからどこに向かおうか?”みたいな。これ以上、もう登る対象がないっていう。でも、音楽を作っている限りそんな風に感じることは絶対にないと思う。

Dominic:アルバムを1枚作るたび、実に多くのことを学ぶ。メンバー同士、お互いをよく知ることになるんだ。互いにどんな風にプレイし合うかについてね。とにかく音楽だとか色んなことについて学ぶっていう。で、アイディアに対してオープンで新しいことを試すのを自分たちは今でも怖がっちゃいない、そこを僕たちは学んだんだと思うな。その点はいつだってこのバンドの大きな推進力のひとつみたいなものだったし、僕たちのアルバムに対するアプローチはとにかく本当に、新たなアイディアを見つけていこうとしながら自分たちにとって楽になり過ぎないようにしようとするってもので。互いに自分たちを安全圏から押し出そうとするってのは僕たちが常にスタジオでやろうとしていることだし、それは素晴らしいことなんだよ、それを通じて新しいアイディアが見つかるわけだから。でも、と同時に自分たちとしてはかなり嬉しいんじゃないかな、こうして自分たちでもう1枚アルバムをプロデュースすることができて。だからプロダクションという役割についての自信という点も今回僕たちは更に学んだろうし、自分たちでかなり上手くやれるのを実感したんじゃないかな、願わくは。僕にはそう聴こえるし、うん、とにかく音楽の素晴らしい点は学ぶものが常にあるってこと。発見し学ぶことはいくらでも出て来るし、音楽をやるプロセスを心待ちにできるんだよ。

Matthew:今回のアルバムを作る過程で、本当に多く学んだと僕は思ってる。プロデューサーとして本当に多くを学んだな、と。たとえば僕は今回ブラス•セクション、それに合唱隊向けの譜の書き方を学んだ。僕にとっては初体験だったし、色んな奏者達とその異なる音域、ダイナミクスの違いを知り、持ち味を活かすべく彼らと仕事するのは素晴らしかった。あれは本当に大きな学びのプロセスだったと思う。それに何にでもオープンに接する姿勢、それは僕たちが常に持ってきたものだと思うけど、その素晴らしさは今回のアルバムで本当に証明されたんじゃないかな。というのも僕たちはあそこでこれまで自分たちがやってきたものとはほとんどもう、まったく異なるジャンルみたいなものをクリエイトしてみせたわけで。Chrisが彼自身の書いた曲をやる点については、ああやって彼が進んでバンド内のソングライターを任じてくれたのは素晴らしいし、しかも自分で歌いたい、と。それは僕にとってもグレイトなんだよ、ちょっと引っ込んで自分のギター•プレイに集中できる、(Chrisが歌う間)任せられるからね。だから新規な事柄も多く、素晴らしい学習プロセスの経験だったね。