INTERVIEW
MUSE
2022.08.25UPDATE
2022年08月号掲載
Member:Chris Wolstenholme(Ba)
Interviewer:菅谷 透
MUSEが、約4年ぶり9作目となるニュー・アルバム『Will Of The People』を完成させた。パンデミックを経た本作は、エレクトロを中心とした前作から一転して、彼らの真骨頂であるギター・サウンドがふんだんに取り入れられた、まさにファン待望の内容に。第1弾シングルとして発表され、メタリックなギターでリスナーの度肝を抜いた「Won't Stand Down」をはじめとした収録曲も、グラム・ロックからシンセ・ポップ、ピアノ・バラードまでバンドが得意とする様々な要素が散りばめられていながら、そのどれもがよりダイナミックに発展を遂げており、多彩でありつつどこを切り取ってもMUSEらしい作品に仕上がっていると言える。そんなアルバムについて、Chris Wolstenholmeが語ってくれた。
-ニュー・アルバム『Will Of The People』の完成おめでとうございます。いくつかの楽曲はすでにライヴでも披露されているようですが、演奏してみての感触やファンの反応はいかがでしょうか?
すごくエキサイティングだよ。この2年半、みんなコロナとかいろんなつらい経験をしてきたこともあって、人と人との交わりに大いに飢えているところがあると思うんだよね。それまであって当たり前だと思っていたこと、例えばコンサートに行くとか、スポーツのイベントに行くとか、そういうたくさん人が集まる場所に行くっていうのを多くの人たちは定期的にやっていたわけだけど、それが奪われてしまって初めて、自分がいかにそれらを楽しんでいたか、それらを必要としているかに気づくんだ。僕たちも2年半ショーをやらずに過ごしていた。ショーをやらない期間としては僕たち史上最長だった。ライヴ活動復帰の最初のショーで、全員がライヴ・ミュージックに対する熱意を新たにしたよ。みんな久しぶりにコンサートを観て......今回は本当にスペシャルだよ。僕自身も、ステージに戻って初めて"こんなにここが恋しかったんだ"と思ったしね。正直、序盤数回のギグはちょっと不思議な感覚すらあった。何かいけないことをしているような気がしていたからね(苦笑)。
-(笑)
人と離れていることに慣れすぎてしまって、集まっていなかったから、ところどころであたりを見回して"あの~......ここでちょっとルールから外れていいでしょうか?"みたいな感じだったんだ(笑)。
-あはは(笑)。
まったく不思議な感覚だったよ。でもステージに戻れて最高だね。ファンも僕たちもとてもワクワクしているし。もう二度とこんな長いブランクはごめんだよ。
-ファンとの親密さも新たに、むしろ高まったのではないでしょうか。
そうだね、それは間違いない。思うに、僕たちはみんなそれぞれのバブルの中で暮らすのに慣れてしまったんじゃないかな。僕は妻や子供たちがいるからラッキーなほうで、コロナ禍でもまだまだ周りに結構人がいたけど、多くの人はひとりぼっちで、他の人たちと交わることができなかった。家族や一緒に住んでいる人たちのことがどんなに大好きでも、やっぱり他人は必要だからね......。ひとりの状態が手に負えないくらいつらくなってしまった人も多かったんじゃないかな、ほとんど何もすることができなくて。ただ周りに人がいるだけという状態でもありがたみが増えたような気がする。その状態が手に入らない経験をしてしまったからね。今はただ、僕たちが経験したつらいことから何かいいものが生まれることを願っているよ。(人との交わりが)当たり前だなんてもう二度と思わないし、お互いへのリスペクトも強まったし、他人の存在というものがいかに大切なのかを思い知ったからね。
-新曲をプレイするときのファンの反応も、以前当時の新曲を披露したときより良いのでは。
そう、そう思うね。「Kill Or Be Killed」という曲をプレイしているんだけど、リリースよりうんと前からやっているんだ。たしか2000年代の初めだったと思うけど、"Napster"がビッグだった頃みんな音源の流出を恐れていたから、ライヴでリリース前の新曲をプレイするのを控えていた時期があったんだ。アルバムが出る前にそういうときの録音が出回るのが好ましくないと思われてね。僕たちがリリース前にライヴで曲をやったのは「Hysteria」(2003年リリースの3rdアルバム『Absolution』収録)以来じゃないかな? リリースされるまでは新曲をやらないというのが僕たちのルールだったような気がする。「Kill Or Be Killed」はその例外で、"まぁいいか。Fuck it(クソ喰らえ)"なんて言って(笑)やることにしたんだ。今は時代が違うし、プレイすることでファンが盛り上がってくれるならね。それにとてもエネルギッシュでヘヴィな曲だからすごくライヴに合うんだ。正直言って新曲はみんないい感じだね。今回のアルバムはヘヴィな曲が多いしギターも多用されているから、ライヴ的視点から見てとても合っているんだと思う。
-おっしゃるとおり、これまでの作品にもハード・ロック/メタルのエッセンスを感じる楽曲は多くありましたが、本作では「Kill Or Be Killed」、「Won't Stand Down」のように、今まで以上に激しいサウンドが詰め込まれています。こうした方向へと舵を切ったきっかけはなんだったのでしょうか?
うーん、特に意識的にやったわけじゃないような気がするな。今君も言っていたけど、(ハード・ロック/メタルのエッセンスは)このバンドには昔からあったものだからね。僕たちが音楽を始めたころに聴いていたバンドの多くがヘヴィだったからというのもある。僕自身でいえばRAGE AGAINST THE MACHINEとかHELMET、それからKORNも大好きだし、あとDEFTONESも。初期のニューメタルのバンドたちだね。そのころ、ちょうど僕たちがレコード契約を得たんだ。彼らが出てきたのはもう少し前だったかもしれないけど、そういったバンドの影響を25年前の僕たちは受けている。それからメタル・ミュージックはかなり進化したのが興味深いよね。特にプロダクション面でそう思う。ものすごくヘヴィな曲なのに同時にポップにもできて、プロダクション・ツールをうまく利用してすごく洗練された音にもできるようになったからね。そういうのが僕たちにとってはとても魅力的なんだ。今のメタルをいろいろ聴いていると、メインストリームに入り込んでいるのが増えているよね。メタル・バンドのプロダクション的な価値もびっくりするくらい高くなっている。ヘヴィでエクストリームでありながらポップ・ソングのエッセンスも併せ持つことは可能だと思うんだ。僕たちがかねてから実現しようとしてきたのはそれだと思う。その曲のベースが"いい曲"でさえあれば、どんな曲をやったっていい。突き詰めればすべてはコード、構造、メロディありきだからね。その3つがあれば気に入ってもらえるんだ。僕たち的には、特にライヴ的視点で考えると、メタルという領域に入るとそれがオーディエンスになんらかの形で作用するんだ。みんな飛んだり跳ねたりしてね。「Stockholm Syndrome」(『Absolution』収録曲)や「Dead Star」(2002年リリースのコンピレーション/ライヴ・アルバム『Hullabaloo Soundtrack』収録曲)なんかもそうだけど、オーディエンスの反応がいつもものすごくいいんだ。ライヴではそれがとても大切なことだからね。セットリストを作るときも、いつも"どの曲を組み合わせれば一番いい反応が得られるか、何をやれば一番楽しんでもらえるか"を考えているよ。ライヴで一番求められているのはハイ・エナジーだと思う。ものすごいハイ・エナジーになるというのが僕たちのモチベーションじゃないかな。オーディエンスが楽しんでいるのを見ると僕たちも楽しいからね(笑)。



















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