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激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

MUSE

2015.06.09UPDATE

2015年06月号掲載

MUSE

メンバー:Chris Wolstenholme (Ba)

インタビュアー:山口 智男

もともと、デビューしたときからハードロック/ヘヴィ・メタルの要素を持っていたにもかかわらず、あまり語られてこなかった。それがダブステップにアプローチする他、エレクトロニックなサウンドを追求した前作『The 2nd Law』からの反動からなのか、一気に露わになった! そんな印象がある7作目のアルバム『Drones』はMUSE版のハードロック/メタル・アルバムと声を大にして言ってみたい。彼らのことを小難しいUKロック・バンドだと思っていたラウドロック・ファンにこそ聴いて欲しい。ヘッドライナーを務める今年の"FUJI ROCK FESTIVAL"は大いに盛り上がりそうだ。

-3月中旬、"Psycho UK Tour"と題して、小さな会場で6公演を行いました。小さな会場でのライヴは久しぶりだと思うのですが、いかがでしたか?

最高だったよ! ここしばらくやっていなかったことだったけどね。バンドがビッグになるにつれて会場のサイズもビッグになると、残念ながらそういう小さいところをツアーするのが難しくなってしまうんだ。『The 2nd Law』のときも何度か小さい会場でのショーをやった。そのうちの1回は日本でやったんだ。「Panic Station」のビデオを撮ったころだね。それがものすごく楽しかったんだ。2,000人くらいの規模のところでやったんだけど、ステージを下りたときに、こういうギグをもっとやらないのは残念だと思ったんだ。もちろんアリーナやスタジアムでやるのも素晴らしいことなのは間違いない。でも、小さな会場の魅力は恋しいものがあるんだ。そういう前作での経験があったから、今度アルバムを作るときは、アリーナに直行するよりも、シングルのリリースに合わせて小規模なUKツアーをやったらいいだろうなと思うようになった。そういうツアーはUKではもうずいぶん長い間やっていなかったからね。やってよかったよ。2ndアルバム『Origin Of Symmetry』(2001年リリース)が出る直前に回ったところにも行けたしね。あのときはヨーロッパ・ツアーをやったんだ。そのツアーでイギリスを回ったときにやった場所でまたやることができた。12年後に同じ会場でまたやるのは面白かったね。とても素敵な体験だったよ。ファンとの絆を新たにすることもできた気がしたし。

―ファンにとっても嬉しかったでしょうね。そんなに間近でライヴを観るのも久しぶりだったでしょうから。

そうだね。それにああいうショーをやると、セットリストでちょっと冒険というか、実験することもできる。アリーナやスタジアム、フェスなんかでやるときは、グレイテスト・ヒッツとまではいかなくても、セットリストに知名度の高い曲を入れないといけない。全曲知っているハードコアなファンがいっぱいいても、オーディエンスの大半はシングルしか知らないってこともあり得る。だから全員にとって魅力的なセットリストにしないといけないんだ。でも小さいところでやるときのオーディエンスはみんなハードコアなファンだから、何年もやらなかったB面の曲をやることができる。今回は1stシングルの「Uno」(1stアルバム『Showbiz』収録)もやったよ。15年ぶりくらいだったかな。そんな感じで、すごくクールなツアーになった。長い間ライヴで聴けなかった曲をやって、ファンも喜んでくれたと思うよ。

-そのツアーでは新作からも「Psycho」と「Reapers」を披露したそうですね? 新曲に対する観客の反応はいかがでしたか?

そう、最終日は「Dead Inside」もやったんだ。反応も最高だったよ。このアルバムではスタジオからライヴへの移行が今までよりもずっとスムーズなんだ。ロック色の強いアルバムだからね。曲の大半......いや全曲かな、ギター、ベース、ドラムスを前面に出している。過去の作品ほどエレクトリック色は濃くないね。だからライヴで再現するのも楽なんだ。「Psycho」はたしかラジオで解禁されたばかりだったからみんなも知っていたけど、まだ解禁されて数日だったんだよね。それをライヴでやったら、何年も前からセットリストにあったかのように馴染んだんだ。みんな跳んだりはねたりしていたよ。あの曲のリフが、ライヴで結構長い間やってきたものだったからじゃないかな。もう何年もあのリフでジャムってきたからね。だからみんな曲を聴いたことがなくても、すぐリフに飛びついてくれたんだ。全体的にファンタスティックなツアーだったよ。やって本当に良かったと思っているんだ。

-おっしゃるとおり、新作はこれまでの作品と同様にエレクトロニックなサウンドやオーケストラを導入していますが、前作に比べてはるかにロック色が濃いアルバムという印象です。

エレクトロニックな要素は、『Origin Of Symmetry』のころから忍び込んできた感じかな。例えば「Bliss」とか「Plug In Baby」なんかですら、ちょっとしたエレクトロニックの影響を受けているんだ。そしてアルバムを作るごとに、エレクトロニックなサウンドに馴染んできたから、そういう音が僕たちの強い特色の一部になっていった。『The 2nd Law』のころにはかなり強くなっていたね。ギター、ベース、ドラムスが奥に引っ込んだ曲もいくつかある気がする。エレクトロニックな面にフォーカスしていたからね。うまく言えないけど、エレクトロニックな面は今のところ十分追求したような気がするんだ。これ以上追求するとしたら、完全にエレクトロニックなバンドになっていただろうね。でも現時点ではそうなりたくないと思ったんだ。エレクトロニックではやるだけのことをやったから、ここらで一旦ギター、ベース、ドラムスといったものに回帰して、ロック的な要素をまた紐解いてみよう、プレイに自分たちの個性をまた反映させよう、と思ったんだ。

-また、『The Resistance』(2009年リリース)以来のロック・オペラ路線も今回、復活しましたね?

確かにプログレ要素が強いものが結構あるね。それが特に表れている曲がひとつあって、たしか12~13分あるんじゃないかな。アレンジがとても変わっていて、3つの楽章からできていた『The Resistance』の「Exogenesis」(脱出創世記)に近いものがある。まぁ、このバンドのプログレッシヴな面というのは自分たち自身ずっと楽しんできたものだからね。従来の方程式とは違ったことをできる場所なんだ。そういうのを僕たちはかなり重要視してきた。ヒット曲の多くはヴァース→コーラス→ヴァース→コーラスという形だけど、たまには違うことをやるのもいいものだからね。枠にとらわれないアイディアで、ちょっと普通じゃないアレンジに取り組むんだ。それから今回のアルバムの場合はコンセプトの強い歌詞だから、それを反映した音楽にしたいというのもあったんだ。従来のヴァース→コーラスのアレンジでやってしまうと、それがなかなかうまくいかないからね。ときにはアレンジをちょっと変えて、感情をもっと表した音楽にした方がいいんだ。