DISC REVIEW
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世界有数のライヴ・バンド MUSEの約4年ぶり9作目となる新作は、パンデミックで溜め込まれたフラストレーションをダイナミックに昇華したような、圧巻のロック・アルバムに仕上がった。バンドが得意とする様々な要素を全方位に発展させたかのようなサウンドは、新作でありながらベスト盤としても機能しうる内容で、長年のファンはもちろん、入門編としても大いにおすすめできる。大仰なグラム・ロックでカタルシスを生み出すTrack.1から、ダークなMUSE的ファンク・チューンのTrack.6、荘厳なピアノ・バラードのTrack.5など聴きどころ満載だが、まだMUSEを聴いたことがないという本誌読者は、強烈なメタル・チューンのTrack.4、Track.7だけでもぜひチェックしてもらいたい。 菅谷 透