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INTERVIEW

HOOBASTANK

2012.08.13UPDATE

HOOBASTANK

Member:Douglas Robb (Vo/Gt)

Interviewer:山本 真由

-前作『For(N)ever』から約3年半ぶりとなるニュー・アルバム『Fight Or Flight』のリリース、おめでとうございます。1年以上前から新作についての噂が飛び交っていましたが、実際の制作は予定されていた以上に時間がかかったり、難航していたということはあったのでしょうか?

どうもありがとう。制作のプロセスはとてもスムーズで、難航していなかったけど、自分たちが思っていた以上に時間がかかってしまった。アルバム自体かなり前に完成していたんだけど、マネージメントが変わったり、ビジネス面でも色々な変化があって、何度もアルバムの発売を引き延ばさないといけないような状況だったんだ。音楽的な部分はもっと前に仕上がっていたから、出せるタイミングを待っていただけなんだ。

-本作のタイトル、『Fight Or Flight』には非常にシンプルで強いメッセージがこもっていると感じられるのですが、これがそのまま作品のテーマとなっているのでしょうか?

そうだね、このタイトルはバンドのストーリーを伝えるものだと思っている。長い間バンドとして活動してきたから、“もうたくさんだ、他のことをした方がいいかもしれない”って言いたい時もいっぱいあった。でもバンドのみんなは音楽があまりにも好きだから頑張り続けてしまう、つまりファイトし(戦い)続けてしまうんだ。このタイトルはバンドのモットーのようなものなんだ。“戦うか逃げるか”ってね。

-優しさと激しさを兼ね合わせたサウンドは、“HOOBASTANKらしい”とも言えますが、本作では意図的にバリエーションを持たせたというよりは、あなたたち自身の持つパーソナリティが反映されて、より自然に多彩なアルバムに仕上がったと言えるのではないでしょうか?

自然に多彩なアルバムに仕上げることはあまり意識していなかったよ。正直に言うと、今までと全く違う取り組み方で作りたいって思ったんだ。過去3作品は、Howard Bensonをプロデューサーに迎えて作ったけれど、今回は新しいプロデューサーと作業がしたかった。Howardのことは今でも大好きで、今でも彼の仕事ぶりが好きだし、とてもいい関係のままだけど、自分たちに新しいスタンスがあってもいい時だと思ったんだ。今まで試みることもできなかったようなことをやってみたかったし、今まで居心地がいいと思っていたやり方を取り除いて、一からやろうと決めた。自分たちに違いが分かって納得行くまでこれを意識したんだ。

-今回いち早く公開されたアルバムのオープニング・トラック「This Is Gonna Hurt」は、非常にアグレッシヴ且つキャッチーな正統派ラウドロックに仕上がっていると感じました。アルバムに期待感を持たせるには最高の楽曲だと思いますが、アルバム制作においてもこの曲が軸となったのでしょうか?

この「This Is Gonna Hurt」は最初の頃に作った楽曲だったけど、一番先に出来たものではなかったんだ。確かにこの曲はアグレッシヴでラウドなロックに仕上がっているけど、アルバム全体はアグレッシヴではないと思う。なので、アルバム全体の軸ではないんだけれど、リスナーの注意を引く曲にはなっていると思うよ。

-「You Before Me」は、“俺は自分のことは二の次にするよ”という奥さんに向けてのメッセーであったり、「Magnolia」はDougの娘さんの名前がそのまま曲のタイトルになっていたり……家族への思いが伝わってきます。個人的な感情を素直に描いていることで、リスナーにとっても感情移入しやすいアルバムになったのではないでしょうか。

曲を作っている時に“あ、みんながこれを聴いてつながりが持てるようにしよう”とかって考えていた訳ではないんだ。でもこのアルバムの曲のほとんど、いや全曲に精神的な結びつきというか愛着感はある。過去の曲でそれが言えるかどうかはわからないな。昔はあるキャラクターについてとか、そのキャラクターの視点から見た曲だったりしたから。このアルバムはもっとパーソナルなものだと思う。1つの内容だと思って聴いている曲でも、僕にとっては非常に個人的な意味があったりする。どんな解釈をしてもいいし、感情移入してくれるならとても嬉しいよ。

-作品を通してプライベートでの充実が感じられますが、実際の状況はどうですか?

その通りだよ(笑)。数年前に結婚して、今は娘のMagnoliaもできて、人間としてとてもいい場所にいるので、充実していて幸せだよ。

-前作リリース後のインタビューで、今は長期的な目標は持たずに、1年毎にこうしていこうっていうスタンスでやっているというようなことを語ってくれましたが、それは今も変わらないですか?

そうだね、変わってないと思う。僕は今までずっと、若い頃からそう思って来たと思う。音楽を始めるずっと前からね。両親に“将来は何をするんだ?”って聞かれた時も“分からないよ、その時考える”みたいな答え方をしていた。それが自分のあり方なんだ。流れに沿っていくみたいな生き方が好きなんだ。何が起きるか分からないから長期的な目標は持ちたくないな。