－『Remember the name』というアルバム・タイトルにした理由を教えてください。

T：PABLO が最初に出した原案があってそれが変わってってこうなったんです。

Z：全然決まんなかったです。

P：最後に決めたのはKなんですけど…

－結構難航したと？

T：朝まで話してて結局決まらず、じゃあ明日の車の中でって。

K：朝まで話したなぁ…

－アルバム・タイトルを決めるのにいつも悩む方ですか？

T：（今回が）一番難航したかなぁ。

－それはなぜですか？

T：誰か“これいいんじゃん”ってなった時にも、今回は誰かが“いや、ちょっとそれは……”って引っかかったり、なんかみんながパッと“あ、それいいじゃん”って、そう簡単にはいかなかったですね。 Z：今回はみんなかなり真剣でしたね、もちろん今までも真剣なんですけど。

－その紆余曲折を経ながらも最終的に決定したこのタイトルの意味を教えてください。

P：もともと一番最初にこのアルバムの位置付けみたいなことを考えていて、PTPっていっても俺ら4人だけじゃないし、って感覚がすごくあって、リスナーとかCDを買ってくれる人とか、一般の人含めてのPTPだって意識があって、そこを包括的に表せる言葉がないかなと考えていたんですよね。何年か経って、このアルバムを手に取った時に、その時のことを思い出せるような、そういうものであればいいなってところから『Remember the name』＝“名前を忘れるな”というタイトルにしました。それはPTP自身のことでもあるし、このアルバムのことでもあるし、そもそもお前自身は何者であるのかってことも忘れないで欲しい、そういうメッセージを持たせています。

－“the name”のところはそれぞれ自分で考えてくれと？

P：そうですね。それはこのアルバムのことでもあるし、一緒に過ごした時間であったりとか、いろんな大きな意味なんです。そういうアルバムになればいいなと。手に取って買ってくれる人が一番喜んでくれるものにしたかったので、その人に預けたかったっていうか。

－｢THIS LIFE｣からアルバムが始まることについてですが、なるほどと納得できた半面、思い切ったなと思いました。進化したと言われるバンドでも多くが一曲目には前作の支持された雰囲気の曲や王道の曲を持ってきてしまうものです。この曲を頭に持ってきたのはなぜでしょうか？

P：曲の進化があってこの曲を一曲目に持ってきたわけではなく、単純に一曲目はこれがいいよねって感じだったんですけどね。

－純粋に完成度から考えて？

P：曲の持ってる大きさが一曲目に相応しいかなと。このアルバムを象徴する曲であったらいいかと思いましたね。それこそさっき言っていたように、前作の良かったところを踏襲してってことはもちろん考えますし、PTPが今まで評価が良かったものを追うことだけはしたくはなかったんですよ。そうすることによって過去の曲も駄目になってしまうと思うんですよね。だからどんどん新しいものを作って、チャレンジしていきたいですね。｢THIS LIFE｣は｢PICTURES｣をやって受け入れられたという経験が大きく生きてますね。俺の中では「PICTURES」の進化系かなと感じています。

－以前のインタビューでは『PICTURES』と渋谷AXワンマンがターニング・ポイントになるとおっしゃっていましたが、今振り返ってみてターニング・ポイントになりましたか？

P：AXで演って「PICTURES」が受け入れられた時に、ハードだったりへヴィだったり速かったりする以外の部分がやっぱりみんな好きなんだなってすごく思いましたね。
この間のライヴでも最後に「PICTURES」をやったら一番みんな手を挙げて歌うし、そういう部分もバンドとして表現して、お客さんが喜んでくれるんだったらいいんじゃないかなと思いましたね。

－Kさんに質問ですが、スクリームやシャウトから感じとれる怒りや悲しみを失った訳ではないですが、“質感”が変わったと感じたのですが、実際のところいかがですか？

K：そうですね。いろいろ試してみましたね。“なんで俺ここで叫んでんだろ”っていうことを考えて、今度は“全体的にこんなことを歌ってるから、こんな感情だろう”って思いで歌ったりとか叫んだりとか。例えば、｢Wallow in self pity｣って曲があるんですけど、その曲は投げ捨てるように、吐き捨てるように全編に渡ってスクリームしてるんですけど、“これが正しいスクリームだ”みたいなパズルを持ってきて、はめるんじゃなくて、自分から感情をもっと出す、ていうことができたかなって思ってます。