DISC REVIEW
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先導者たるHYDEが我々を誘うのは、仮想都市"NEO TOKYO"と名付けられたSF的異空間だ。これは2018年にHYDEがシングル『AFTER LIGHT』の発表と同時に初提示した世界観で、下敷きになっているのは映画"ブレードランナー"や"AKIRA"で醸し出されていたサイバーパンク的シチュエーション。ちなみに、ふたつの物語はいずれも時代設定が2019年であるのが数奇な共通点となり、2019年と言えばあの忌まわしきCOVID-19のこともやはり忘れるわけにはいかない。"3年の雪辱を晴らす時が来た。お前たちを縛る規則はもうない!"――計20公演に上った"HYDE LIVE 2023"のファイナルを飾った幕張メッセ 幕張イベントホールにて、彼が咆哮したあの言葉。それに続いた、大会場をライヴハウスへと変貌させるような白熱のパフォーマンス......。今作はただのライヴ映像ではなく、自由奪還を祝した尊きオベリスクであると言えよう。 杉江 由紀