DISC REVIEW
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先行シングルがどれも往時を思わせるアグレッシヴなメロデス路線だったことから"原点回帰か!?"とにわかに話題を呼んでいた、IN FLAMESの約4年ぶり14枚目となるニュー・アルバム。結論から述べてしまうと原点回帰は少々言いすぎではあるものの、初期のメロデス・サウンドと近年のオルタナ路線を巧みに組み合わせた、キャリアを俯瞰するような好盤に仕上がっている。フォーキーなイントロから強烈なリフが刺さるTrack.2、ブルータルな重低音とAnders FridénのキャッチーなクリーンVoの対比が美しいTrack.3といった冒頭の流れから、静と動のダイナミックなコントラストを描く表題曲2曲、Andersの歌唱力の高さを味わえるバラードのTrack.7を配した中盤に、オルタナ・サウンドの中で随所に美メロが光る後半と、アルバム全体の構成も見事。近作のファンはもちろん、最近のIN FLAMESに触れてこなかったリスナーにもおすすめしたい。 菅谷 透