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INTERVIEW

IN FLAMES

2014.09.05UPDATE

2014年09月号掲載

IN FLAMES

メンバー:Anders Friden (Vo)

インタビュアー:米沢 彰

-『Siren Charms』のリリースおめでとうございます。レコーディング後にあなたが倒れたと聞きましたが、本当でしょうか。

ああ。ちょっと大袈裟に広がってしまったけどね。でもレコーディングではいつも110%の自分を出したいんだ。そうしないと間違った方向に進んでしまう気がする。俺にとってレコーディングは生きるか死ぬかの問題だからね。ある意味、疲れをちゃんと感じたいと思うんだ(笑)。ただ、今回はちょっとやり過ぎだったかも知れないね。レコーディングはベルリンでやったんだけど、到着したときは白紙状態だったんだ。何をやりたいのか、どんな方向に向かいたいのか分かっていなかった。だから現地に着いてから曲作りが始まったんだ。6週間いたんだけど、歌詞や曲を書いて、ヴォーカルを仕上げるのに4週間しかなかった。ものすごいストレスがかかったね。まぁ、そうなってしかるべきだったんだけど。レコーディングが終わって自宅に帰ったら気が抜けたような感じになって、1週間近く起き上がれなかったんだ。自分はひたすら無心に働くロボットじゃないんだなって実感したよ(笑)。

-スケジュール的にも精神的にも体力を消耗するものだったんですね。

そうだね。こっちにいるときはRazzia RecordsというレーベルのA&Rの仕事もしているし、デイケアに子供たちの送り迎えにも行くし、料理も俺がやっているんだ。だから家ではゆっくり歌詞を書いたり曲を作ったりできない。だからそこから離れてひとりになって集中しないといけないんだ。自分に十分プレッシャーを与えてね。このアルバムを作るにはそういう作業が必要だったんだ。だから意図的にああいう状況になったという感じだね。レコーディング中も自分にものすごいプレッシャーを与えていた。このアルバムを作るには、そういう方法しかあり得なかったんだ。

-今の体制になってから2枚目のアルバムとなりますが、前作以上に今作は普遍性が強まり、大作となったように感じましたが、ご自身での実感はいかがですか?

普遍性が強くなったかどうかは分からないけど、バンドというものは1ヶ所に留まってはならない、常に変化し、進化し続けなければならないものだと思うんだ。数えるほどの要素しか使えないような状況にはいたくないね。音楽は自由なものだから自分はどこへでも行けるし、リスナーを旅に連れ出すことができるんだ。このバンドでは"よし、今回はこういう方向性で行こう"なんて決めるミーティングをやったことがないんだ。フィーリングを掴んで、それに沿って進んでいく。これが今のIN FLAMESのサウンドで、これが俺たちの使っている要素であり楽器なんだ。『Siren Charms』はそういうものから生まれている。スタジオやベルリンの街、俺たちの周りにあったものや起こっていた出来事に影響を受けてね。ベルリンは歴史もあるし、ドイツ、ヨーロッパ全体、世界全体にいろんな意味で影響を与えた街だと思う。心がオープンであれば、その影響を受けることができるんだ。今回の曲は何回か聴き返さないとのめり込めないかも知れないけど、心を開いてくれれば、アルバムに何かを見いだしてもらえるんじゃないかな。まぁ、もう俺の手を離れたからね。俺はアルバムをレコーディングした。そして気に入っている。自分にできることはすべてやった。あとはみんなの判断を仰ぐだけだ。このアルバムで俺たちがどんなことになるのか楽しみだね。

-また、あなたのヴォーカル・スタイルも幅がより広がり、バンド・サウンドの強弱をはっきりと付けるなど、その表現力を活かす方向に楽曲の作りも変わっているように感じましたが、意図していたということはありませんか?

活かせているといいけどね。これが今の俺たちの最高の状態だけど、音楽は流動的なものだから、次のアルバムはまた違ったものになると思うよ。俺たちは誰かに追随するというよりも、自分で自分の道を切り拓いていくから、ファンが共感してくれる独特の"これがIN FLAMESだ"みたいな何かを持っていると思う。ヴォーカルは、音楽が自分に語りかけてくるものを声で表現しているんだ。8割がたできあがった絵を、自分の色や絵筆を使って、自分にとってパーフェクトな形に仕上げるような感じだね。みんなにとってのパーフェクトじゃなくて。他の人にとって何がパーフェクトなのか、俺には決められないから。俺は最高のシンガーになろうとしたこともないし、"American Idol"だとか"Swedish Idol"だとかに出たこともない(笑)。俺は自分の持っているもので勝負していて、それに共感してくれる人がいる。興味を持ってくれた人に何か伝わればいいね。そのためにも、俺もプロデューサーもフィーリングを大切にしているんだ。これだ!と思ったフィーリングに従うようにしているよ。パーフェクトじゃないときもあるかも知れないけど、フィーリングがしっくりくればそれでいい。パーフェクトすぎる、正しすぎる音楽というのは面白みがないからね。ちょっとした不完全な部分が、その曲の1番美しい部分になることもあるから。俺のヴォーカルや音楽の様相は変わったかも知れないけど、その裏にあるものは変わっていないよ。俺たちのメインのゴールはいいメロディを作ることだから。あまりにパーフェクトすぎるアーティストは1回聴いただけで飽きてしまうな。"うん、才能はあるな。以上"という感じになると思う。