INTERVIEW
IN FLAMES
2014.09.05UPDATE
2014年09月号掲載
Member:Anders Friden (Vo)
Interviewer:米沢 彰
-キーボード・サウンドがかなりその影を薄め、逆にギター・サウンドのバリエーションがかなり増えて、その表現の幅が大きく広がったように感じましたが、意識した部分やその要因など思い当たることはありますか?
各メンバーのサウンドにもみんなで取り組むからね。レコーディングを行ったハンサ・スタジオはドラムの部屋が素晴らしいんだ。マイクを立てるとパーフェクトな雰囲気をとらえてくれる。ギターは、Niclas とBjorn は世界最高のギタリストではないかもしれないし、そうなろうともしていないけど、トーンがとてもいいんだ。だからそれを活かした音にしようと頑張った。それからミキシングも、Michael Ilbertが空気感をプラスしてくれたおかげで、さらに音が進化して、ひとつひとつの音がよく聞こえるようになった。うまくいったと思ってるよ。ミックスを聴くときは自分の音だけでなくて、全部のパートの音を確認するんだ。あと、"Moog"みたいなベース・シンセも使って音の層を厚くしている。通常のエレクトリック・ベースにもよく合うんだ。
-ところでTrack.7「When The World Explodes」ではメインのパートで女性ヴォーカルが入ってきますが、あれはどなたですか?
Emilia Feldtという人で、オペラ寄りの人だから、メタル・コミュニティとはまるで縁のない人なんだ。ノーベル賞の授与式で歌ったり、国王夫妻やセレブの前で歌うような人で、本当に才能のある人だよ。あの曲に新しい側面を加えてくれたと思う。本当にありがたく思っているし、曲を素晴らしいものにしてくれたと思う。
-どういった経緯で彼女をゲストに招いたのですか?どちらかがファンだったとか。
いやいやいや。ヴォーカルのプロデューサーのDanielといろいろ試行錯誤していたんだ。俺もいろいろ歌ってみたけど、どうも正しい方向ではないような気がしてさ。ストーリーの中の"サイレン"を象徴するような声が欲しいと思った。鳥のような声をした生き物がその声で人を深いところに引き込むような感じ。この曲はアルバムの中でも多分1番ヘヴィだし、歌詞も俺が死んだ後にあっちの世界からこっちの愛する人たちに向かって語りかけているような感じなんだ。ラヴ・ソングというよりは癒しの曲だね。そして彼女の声はあっちの世界を象徴しているんだ。最初自分でその部分を歌ってみたけど、自分の思い描いていた方向には進まない気がした。今まで女性ヴォーカルはあまり使ったことがなかったから、じゃあやってみようかって話になった。Danielが、自分が仕事で関わっている女性のビデオをYouTubeで見せてくれてね。それが彼女だった。"これだ!"と思ったよ。それで彼女のパートをDanielがスウェーデンで録音して、聴かせてくれた。最高だ、と思ったね。
-実際会ってもうまくいきました?違う音楽の世界から来た人ですが。
いや、まだ会ってないんだ。Danielが全部やってくれたからね。
-でもそのうちこの曲をステージで共演することもあるかもしれませんよ。
そうなったらいいね。アイデアとしては考えているんだ。
-キーボードや打ち込みのサウンドは減りましたが、バンド・サウンドをベースにしながらもその女性ヴォーカルなどプラス・アルファがやはり入ってくるのがIN FLAMESスタイルなのかな、と思いましたが、プラス・アルファのサウンドについての考え方など何か確立されたものがあるのでしょうか?
まぁ、さっきも言ったけど、音楽というのは常に進化し続けるべきものだと俺は思っているからね。いろいろな新しい要素を迎え入れることによって進化していく。過去にやってきたことには強い愛情があるし、それがあって今の俺たちがあると思うけど、俺は同時に未来も見ているんだ。行ったことのない領域に行ってみたい。Emiliaの声やキーボードなど様々な要素をプラスしていくんだ。試練でもあるし、自ら不意を突くようなところもあるね。何が出てくるか分からないわけだから。でもそれが俺たちの音楽を興味深いものにしているんだと思う。
-その進化する姿勢があなたのルックス的な面にも影響を与えていると思いますか?最新のアー写を見たときに、あなたがネクタイを締めているのに驚きました。あれはあなた自身のアイデアですか?
(笑)。ああいうフォト・セッションを1回やっただけだよ。別のフォト・セッションでは普通にTシャツを着ているよ(笑)。俺だってカッコよく写りたいしね(笑)。ガキの頃から山ほど撮られてきたから、たまにはちょっと違ったいいカッコをしようと思ってさ。ただのファッキンな写真なんだから、あまりシリアスに考えないでもらいたいな(爆笑)。