DISC REVIEW
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6月12、13日と2デイズで横浜アリーナ公演開催が決定しており、昨年末の3ヶ所のアリーナ公演から徐々にライヴのある日常、有観客によるライヴを取り戻しているUVERworld。最新シングル『NAMELY』は、そんなライヴという空間で味わいたい曲であり、また一対一で対話し深く心に触れていく音楽にもなっている。なぜこれが、この人が自分の心をこれほど動かすのか、胸を打つのか。あるいはなぜこの人と一緒にいたいと思うのか、これをしたいと思うのか。そんな自分にとって大事なものや、エンジンをかけるキーになるものが、掘り起こされていく感覚。コロナ禍だけが曲に直接的に影響をしたわけではないと思う。ただ、人々が感じた、時が止まったような時間や磨耗する一方だった日々で失ったものに、この曲は優しく光を当ててくれる。ソウルフルな導入から、サビで力強くバンド・サウンドが高鳴っていく恍惚感、爆発するエネルギーが美しい1曲だ。 吉羽 さおり