DISC REVIEW
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結成20周年とデビュー15周年のダブル・アニバーサリー・イヤーを経たUVERworld。21年目第1弾シングル「HOURGLASS」は、映画"ブレイブ -群青戦記-"の主題歌となった。前シングル「AS ONE」はキャッチーなメロディと、重厚なシンセとバンド・サウンドで士気上がる1曲だった。今回もまたスケール感の大きなサウンドスケープを持った曲だ。エレクトロタッチだが、アコギやコーラスのレイヤー感で広がっていくメロディやヴォーカルといった生の要素が、アクセントになっていて、どこかフォーキーな印象をも残す曲になっている。どっしりと刻まれるビート、おおらかなメロディのハーモニー的な役割をするベース、ギターやサックス、その他エフェクティヴな音と構成要素は多いが、エアリーで柔らかな仕上がりになっているのも新しくも懐かしい風の心地を感じる。吹き抜けた風に心を解きほぐされた感触で、そこに、"どんなに不自由だとしても/心だけは自由で在るべきだろう?"というフレーズが飛び込んでくるのが、グッとくる。c/w「Teenage Love」はビター&スウィートなR&B。アルバム『UNSER』で作り上げた新たなサウンドスケープや音像感を推し進めた本作。さらなる自由な発想を掴んでいる今、ここからどうなっていくんだろう。 吉羽 さおり