DISC REVIEW
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デビュー17周年記念日に行われたライヴですでに披露されている表題曲「ピグマリオン」は、ひとつひとつの言葉の重みが感じられるバラード曲。人と人との繋がりの形が劇的に変わりつつある現代において、疲れた心を癒してくれるような温かみに満ちた楽曲だ。歌と言葉だけでグイグイ世界観に引き込んでいくパートから、壮大なバンド・アンサンブルで盛り上げていく展開が、非常に感動的。少ない音数で、どっしりとしたサウンドを積み上げる説得力は、彼らの技術の確かさを示すものだろう。カップリングの「BVCK」(読み:バック)は、表題曲とはまた違った雰囲気のグルーヴ感が際立っているが、こちらもしっとりとした優しいタッチの楽曲だ。ポップなデジタル・サウンドからバンド・サウンドに落とし込む粋な流れも、緩急があって聴きやすい。デビュー17年を経て積み上げてきた、UVERworldの深い音楽表現が味わえるシングルとなっている。 山本 真由