DISC REVIEW
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PERIPHERYにとって4作目となるナンバリング・タイトルで、初期より在籍していた"Sumerian Records"を離れ、自主レーベルからリリースされた本アルバムは、今のバンドのすべてが詰め込まれた作品だ。冒頭からキャリア最長の16分を超える楽曲でオーケストラを携えた壮大なサウンドを聴かせると、THE DILLINGER ESCAPE PLANが乗り移ったかのようなカオスとヘヴィネスが渦巻くTrack.2や、ポスト・ハードコアに通じるキャッチーさを持ったアンセムのTrack.5と、振り幅のある楽曲群を高次元のアンサンブルで巧みに彩っていく。そして圧巻なのはSpencer Soteloのヴォーカルで、「Satellites」ではまさにクライマックスに相応しい絶唱を披露している。"Djent"のパイオニアたる矜持と、そのジャンルを一歩先に導く気概を示した今作は、彼らの最高傑作と言えるだろう。 菅谷 透