DISC REVIEW
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キーボーディスト Reanneが脱退し、新体制の4人となったOctaviagrace。Reanneは引き続き今回も鍵盤アレンジなどを手掛けているが、このEPはよりギターやベースといった弦が担う役割をより増やし、全体的にソリッドな印象が強い。ドラマ性の高いテクニカルでメロディアスなアンサンブルや、エネルギッシュで高揚感のある実稀のヴォーカルといった、このバンドの肝を改めて突きつける「unknown chord」があり、一方hanako(Gt)作曲の「Loss of signal」はシンプルで疾走感のあるギター・ロック的曲で新鮮。プログレッシヴな聴き応えがあり、ゴージャスな装飾を取っ払い、より生々しい"バンド感"を露わにもしている、そのいいバランスがある作品だ。全7曲のEPだが、アルバム並みのボリューム感を味わえる。 吉羽 さおり