DISC REVIEW
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生きることには、時に痛みが伴う。時に歓びが伴う。時に哀しみが伴う。だが、それでも生きていくうえでは絶対的に希望が必要だ。結成20周年の節目に際し、MUCCが発表するフル・アルバムに冠された"脈拍"なるタイトル。どうやらこれは、生きることといつかは死んでいくことを運命づけられている人間そのものを象徴する言葉であるらしい。海外アーティストたちとも渡り合い、ロック・バンドとしての経験値を目一杯に積んできたMUCCがここにきて織りなす音世界たちは、ひたすら鮮やかで説得力に満ち満ちており、脈打つような強い生命力に溢れているのだ。清濁を併せ吞んだうえで、生きることの機微と希望を歌い続けてきているMUCCに、最高の賛辞を贈りたい。 杉江 由紀